フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

旧習一洗

2013-09-03 16:50:17 | Weblog
時代劇を楽しんでいると、テーマが「武士の美徳」が多くあります。しかし、この武士の美徳は明治維新によって時代遅れの野蛮な風習として消えていきました。まさに「旧習一洗」です。例えば切腹廃止、仇討ち禁止、廃刀令、さらには女性の風習のお歯黒、眉そりも禁止されました。刺青の禁止も入っています。確かに野蛮な風習もありました。しかし、時の政府は江戸時代の庶民の生活に根ついていたあの江戸仕草すら、次の世代に伝えようとはしませんでした。今の時代に一番必要なあの江戸しぐさをです。
このところのニュースの殺伐さはどうですか。人を人とも思わないような事件ばかりです。ちょっとしたことにも腹を立て、いやキレるといったほうがいいのでしょう。考えられない野蛮な行為につながることが多くあります。江戸しぐさの一つに「うかつ謝り」があります。往来で足を踏んだ人はもちろん踏まれた方も「うかつでした」と頭を下げるのです。これが現代に復活すれば多くを未然に防げます。明治維新によって過去の時代の良いところまで覆い隠してしまったのは
なんとも残念ですね。