麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

サムワン

2006年01月19日 | 鑑賞
 千田是也賞を受賞された松本祐子さん(1/7当ブログ既報)の、受賞第一弾(とホリプロは言うけれど、決まった時には稽古に入っていたのであって…まぁいいか)『サムワン』を俳優座劇場にて観劇。
 大変良い作品
 東演の体臭とも良く合うと言われる「アイルランド演劇」。弊団は昨年も『フィラデルフィアへやって来た!』(4月/紀伊國屋サザンシアター)を再演させていただきましたが、この『サムワン』もアイルランド人であるフランク・マクギネスによって書かれた、大変にアイルランドらしい世界観を持つ作品でした(初演はロンドンですが…)。
 レバノンで実際に起きた西洋人の投獄を基に書かれており、たった3人の俳優が、2時間超鎖に繋がれた緊迫の展開は、実に見事で、かつ、いつ終わるか分からない牢獄での生活に加え、アメリカ人・イギリス人・アイルランド人という国籍の違う「英語圏の人間」3人が極限状態でどう生きるか、という設定がスゲー

 そのすごく良いホンを立体化すべく集められた俳優=高橋和也氏、大石継太氏、千葉哲也氏が皆良かった! 適材適所のキャスティング。
 特に3人が揃った場面古株の高橋-千葉に、新顔の大石が翻弄されているようでいて、非常にいいアンサンブルを展開。劇中にもサッカーの話が出てくるけれど、それはちょうど攻撃的MF二人がボールを回している、その後ろで的確なポジションをとるボランチのような・・・。
                     
 非常に男臭い芝居を、ワイルドかつナイーブにディレクトした演出家=松本祐子さんに改めて脱帽する(具体的に言えば、目線の細やかなやりとりなど)。
 彼女を迎える、4月3日からの『見果てぬ夢』稽古初日が本当に待ち遠しくなる、まったく長さを感じない休憩なしの2時間15分でした。
 22日まで。…再演絶対ある!と思わせる舞台。

 ただ。ホリプロがいよいよ持ち小屋にするアートスフィアじゃ大きすぎるし、スフィアメックスじゃ雰囲気なさすぎるし……【*1】
 そんなことはさておき。ああ、ホリプロさんは本気なんだなあ!と痛感させられた一本でもありました。
 このへんも別の機会にゆっくりと・・・。

【*1】天王洲のアートスフィアとスフィアメックスをホリプロが本年10月、リニューアルして運営する。

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