麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

いのちのをもさ

2015年01月24日 | 鑑賞
人質解放は成るのか?

※※※

昨日見た芝居は『死刑執行人
~山田浅右衛門とサンソン』
世の中と演劇するオフィスプロジェクトMの作品。
(作・演出/丸尾聡、於/座・高円寺1)

刀剣の試し斬りの任に当たり、
またその技を持って斬首の執行も兼ねた
初代貞武から二代吉時……八代吉豊まで
「山田浅右衛門」を代々名乗った一族は
江戸から明治にかけ実在した人物逹だ。

七代吉利は五代吉睦の娘と結婚し
家名を継いでいるが、五代の養子吉寧は
浅右衛門にはならなかった。
血統ではなく技量なくしては担えない役目。
しかし世間からは「首切り浅右衛門」と
恐れられ、かつ蔑まれた。

フランスで二百年以上にわたり
死刑執行人を務めた一族がサンソンだ。

そして現代の日本。
刑務官の職務としての死刑執行。

三つの異なる時代を、一座が演じる、
いわゆる入れ子構造で観客に迫る舞台。

※※※

演劇は、全てとは言わないまでも
その多くが、ある一定の準備期間、
少なくとも一年くらいを要していて
『死刑~』もよもや上演の時期に
イスラム国による邦人人質事件が
起こるなど想像もしておらず、
それについて何ら言及する
芝居でもないのだが……。
観る側は、あの強烈な映像と
ここに至る一連の世界の流れに
思いを馳せないわけに居られない。

テロリストの「それ」と、
国家による「それ」を
並べるられるものではない。
が、微塵も関係性がないとは
寧ろ言えないのも事実だ。

※※※

さらに偶然にゾクッとするのが、
今日内閣府が発表した世論調査だ。

死刑容認80.3%、廃止9.7%。

被害者遺族の気持ちを慮る、
人を殺した罪は命で償うべき、
再犯の防止が、前者支持の主たる理由。
後者は、冤罪の可能性、生きて償うべき、
何人も人を殺めてはならない。

回答率は六割だったらしい。
この芝居を観た人に問えば、果たして
結果は同じなのか、異なるのか?

いずれにしろ。
命の重みを改めて考える数日だ。
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