Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

Greatest Albums(その69) 予言者の夢/井上鑑

2011-12-08 | 僕のGreatest Albums
ジャンルをこえてあれこれ音楽を聴くものだから、節操のない音楽的嗜好と言われる私、takの音楽的ルーツを考察するシリーズ第69弾。1アーティスト1アルバムを選ぶこの企画、久々の更新。これまでの記事はこちら

今回は高校時代に聴いて以来、今でもお気に入りの名盤「予言者の夢」。”かっこいい”と感ずる音楽とはどんなもの?と尋ねられたら、僕は迷わずこのアルバムをそのひとつに挙げるだろう。キーボーディストにしてアレンジャー/プロデューサーとして活躍している井上鑑。寺尾聰の「ルビーの指輪」で世に認められた彼が、リリースしたソロアルバムである。


きっかけは毎週ゴールデン洋画劇場で流れる横浜タイヤのCMだった。映画も楽しみだったが、横浜タイヤのCMはビデオで巻き戻して見た。寺尾聰、井上鑑、安部恭弘・・・そこで流れた音楽は、これまで聴いてきた音楽とは違ったものだった。

YOKOHAMAタイヤCM その2


高校時代。クラスの友人が貸しレコード屋でこのCMのコンピ盤レコードを見つけてきた。「ASPEC SPECIAL」と題されたこのLP。僕らは夢中になって聴いた。寺尾聰は大ヒットしたルビーの指輪、シャドーシティ、出航(さすらい)。井上鑑作品はGravitations、レティシア、Subway Heroの3曲が収められている。いい曲ばっかりだったよね。安部恭弘もこれをきっかけに聴くようになった。

そして井上鑑のソロアルバム「予言者の夢」を聴いた。それはギターが8分音符を刻むストレートなロックではないし歌謡曲でもない。どこかさびしげで、どこか陰があって、都会的な雰囲気を漂わせた音楽たち。甘っちょろいラブソングは皆無。詞に歌われているのは、東欧の作曲家、冒険家、宇宙飛行士、東京の街に集う男達、地下鉄の出来事・・・それぞれにドラマがある。それを僕は純粋にかっこいいと思った。今にして思えば、コンセプトアルバムというものを初めて聴いたのもこれだったのかもしれない。かっこいい音楽はいろいろある。フュージョンのような技巧派のかっこよさとは違う。肉体的な躍動感を共感するようなロックとは違い、誤解を恐れずに敢えて言うなら知性派のロック。しかしプログレの仰々しさはない。

セカンドアルバムの「CRYPTOGRAM」もよく聴いた。でもこちらはダークな味わいで、当時はあまり好んで聴かなかった。しかし、数年前にCD化されてからiPodから手放せない。無機質なリズムも歌われる内容にもかっこよさを感じる。やっぱり大人の音楽・・・だったのかなぁ。それに憧れていた高校時代。




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