
◼️「白雪姫/Snow White」(2025年・アメリカ)
監督=マーク・ウェブ
主演=レイチェル・レグラー ガル・ガドット アンドリュー・バーナップ
グリム童話の白雪姫は一般に知られている白雪姫のストーリーよりもずっと怖いものだと言われる。心も美しい白雪姫を妬んだ継母が魔手を伸ばす。そして白馬の王子様が彼女を救う。このストーリーをスタンダードとして定着させたのは、言うまでもなく1937年のディズニーアニメ版だ。
その実写版として製作された本作。ポリコレ配慮のキャスティング、主演女優のオリジナルをディスるような発言が世間を騒がせている。何に感動して育ったかは人それぞれだから仕方ないかもしれないけどねぇ。完成した作品にも批判的な意見、感想を多々見かける。世間が望む白雪姫のイメージとはかけ離れている、ということなんだろう。
近頃のディズニー作品を敬遠していたのだが、本作についてはあんまり世間が騒ぐから逆に興味が出てきた。監督は大好きな「(500)日のサマー」のマーク・ウェブだし。グレタ・ガーウィグが脚本…あれ?クレジットされてないやん🫤?
思いっきりミュージカルにシフトした演出のアレンジはなかなか。映画冒頭から舞台となる国とヒロインの両親の考え方、これまでの状況を歌で示す演出は、簡潔だけどしっかり観客に伝わる。この手際の良さは上手い。
そんな冒頭の好印象は先に進めば進むほど「あれ?」という空気に変わっていく。"吹雪の夜に生まれたから白雪姫"というナレーションに、まず唖然😮。この国が豊かであるのは、ダイヤモンドが採掘されているから。常春の国マリネラかよ(例えが悪いw)。冒頭の楽曲でも小人たちの鉱山での仕事でもギラギラした宝石たちが輝いている。庶民の豊かさの象徴までもが宝石で示されているように見える。分かち合う心が素敵な愛のある場所、みたいな歌が流れるのにそれでいいのかな。
白雪姫を森に連れて行って殺せとの命を受けた狩人。それまで質素な服装だった白雪姫が突然お馴染みの配色のドレスで登場する。作業の邪魔でしょ、それ。でもこの服装でないと白雪姫のお話にならない。CGで作られた動物たちの緻密さはすごいなと思うけど、7人の小人は妙に生々しくてちょっと怖い印象すらある。毒りんごを口にするまでの流れも、「食べると願いが叶う」ではなく「腹ごしらえをしな」だもの。そのりんごである必然性がないではないか。
そして白馬の王子様は登場しない。だから名曲「いつか王子様が」は流れない😩。これがいちばん残念。老婆が現れる場面の直前に、白雪姫が一瞬ハミングしてるようにも聴こえたが、エンドクレジットに曲名が出てないから僕の聴き間違いだろう。今の時代に、王子様を待つ受け身のヒロインは観客にウケないってことなのだろうか。姫が幸せになるという結末ではなく、王国を取り戻すために女王に立ち向かうのがクライマックス。
人の名前を覚えておくことは大切なことだな、という教訓は素晴らしいと思った。そこは大きな学び。うん。
自分を取り戻す物語が現代風だと言われればそれまでだけど、それは多くの観客が期待した白雪姫なんだろうか。そこは大きく異なっているように思えた。シアターを後にして、グッズ売り場を見渡す。白雪姫関連のグッズは、本作の肌の色をしたものはほんのわずか。並んでいるのは従来の色白でふっくらしたお顔の白雪姫がデザインされたグッズばかり。ほーらね。これも世間が求めるものとの違いがハッキリ出ている結果では。
改めてポスターを見る。コピーはこうだ。
"ディズニーの「白雪姫」から生まれた
最高のファンタジー・ミュージカル"
そうか。ディズニーの「白雪姫」とは別物です、って宣言してるのだ。
じゃあ仕方ないのかなw🤨
その実写版として製作された本作。ポリコレ配慮のキャスティング、主演女優のオリジナルをディスるような発言が世間を騒がせている。何に感動して育ったかは人それぞれだから仕方ないかもしれないけどねぇ。完成した作品にも批判的な意見、感想を多々見かける。世間が望む白雪姫のイメージとはかけ離れている、ということなんだろう。
近頃のディズニー作品を敬遠していたのだが、本作についてはあんまり世間が騒ぐから逆に興味が出てきた。監督は大好きな「(500)日のサマー」のマーク・ウェブだし。グレタ・ガーウィグが脚本…あれ?クレジットされてないやん🫤?
思いっきりミュージカルにシフトした演出のアレンジはなかなか。映画冒頭から舞台となる国とヒロインの両親の考え方、これまでの状況を歌で示す演出は、簡潔だけどしっかり観客に伝わる。この手際の良さは上手い。
そんな冒頭の好印象は先に進めば進むほど「あれ?」という空気に変わっていく。"吹雪の夜に生まれたから白雪姫"というナレーションに、まず唖然😮。この国が豊かであるのは、ダイヤモンドが採掘されているから。常春の国マリネラかよ(例えが悪いw)。冒頭の楽曲でも小人たちの鉱山での仕事でもギラギラした宝石たちが輝いている。庶民の豊かさの象徴までもが宝石で示されているように見える。分かち合う心が素敵な愛のある場所、みたいな歌が流れるのにそれでいいのかな。
白雪姫を森に連れて行って殺せとの命を受けた狩人。それまで質素な服装だった白雪姫が突然お馴染みの配色のドレスで登場する。作業の邪魔でしょ、それ。でもこの服装でないと白雪姫のお話にならない。CGで作られた動物たちの緻密さはすごいなと思うけど、7人の小人は妙に生々しくてちょっと怖い印象すらある。毒りんごを口にするまでの流れも、「食べると願いが叶う」ではなく「腹ごしらえをしな」だもの。そのりんごである必然性がないではないか。
そして白馬の王子様は登場しない。だから名曲「いつか王子様が」は流れない😩。これがいちばん残念。老婆が現れる場面の直前に、白雪姫が一瞬ハミングしてるようにも聴こえたが、エンドクレジットに曲名が出てないから僕の聴き間違いだろう。今の時代に、王子様を待つ受け身のヒロインは観客にウケないってことなのだろうか。姫が幸せになるという結末ではなく、王国を取り戻すために女王に立ち向かうのがクライマックス。
人の名前を覚えておくことは大切なことだな、という教訓は素晴らしいと思った。そこは大きな学び。うん。
自分を取り戻す物語が現代風だと言われればそれまでだけど、それは多くの観客が期待した白雪姫なんだろうか。そこは大きく異なっているように思えた。シアターを後にして、グッズ売り場を見渡す。白雪姫関連のグッズは、本作の肌の色をしたものはほんのわずか。並んでいるのは従来の色白でふっくらしたお顔の白雪姫がデザインされたグッズばかり。ほーらね。これも世間が求めるものとの違いがハッキリ出ている結果では。
改めてポスターを見る。コピーはこうだ。
"ディズニーの「白雪姫」から生まれた
最高のファンタジー・ミュージカル"
そうか。ディズニーの「白雪姫」とは別物です、って宣言してるのだ。
じゃあ仕方ないのかなw🤨