Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

tak's Movie Awards 2021

2022-01-01 | tak's Movie Awards
2021年は予習復習の年。シリーズものの続編公開が相次いだせいだ。古い「007」を観なおしたり、「エヴァ」劇場版を復習したり。Fire TVを導入して配信が増えたのも大きな影響で旧作を振り返ることもでき、本数で言えば、ここ数年ではいちばん観た年になった。そしてコロナ禍の影響は続くけれども、エンターテイメントが心の支えであることを実感した年でもある。
さて。いち映画ファンとしての年中行事、2021年の年間ベストを発表しまーす。1年間にわたくしtakが観たオールタイムの映画からセレクトしてますので、公開年にタイムリーになってません。旧作を観る機会も多かったので、ご了承くださいませ。


tak's Movie Awards 2021

■作品賞=「ドライブ・マイ・カー」(2021年・日本)
村上春樹作品の映画化は成功作が少ないので、正直観るのが怖かった。
しかし予想に反して長尺が苦にならない話の密度、会話と映像から感じる熱量に圧倒された。
原作が収められた作品集「女のいない男たち」には思い入れがあるもので、
原作の空気が生かされているのが嬉しい。
さらに付け加えられたパートが、喪失感と孤独を文章で味わう村上作品に、
人とのつながりの大切さを加えてくれている。


今年の10本
「映画大好きポンポさん」
「オン・ザ・ロック」
「カセットテープ・ダイアリーズ」
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
「声優夫婦の甘くない生活」
「ドライブ・マイ・カー」
「ノマドランド」
「ファーザー」
「ラストナイト・イン・ソーホー」
「リスペクト」

■アニメーション映画賞=「映画大好きポンポさん」(2021年・日本)

「アニメのくせに映画がわかってんじゃねえか!」
と玄人映画ファンに言わしめる(かもしれない)大傑作。
映画製作の舞台裏、特に編集の凄さ。「キネマの神様」で言ってた、”カットとカットの間に神様が宿る”ってこういうことなんよね。
映画ファンにこそ観て欲しい。


■監督賞=エドガー・ライト「ラストナイト・イン・ソーホー」(2021年・イギリス)

「ベイビー・ドライバー」も素晴らしかったエドガー・ライト監督の新作は、
青春映画、スリラー、音楽映画、血まみれホラーなど幾多の要素が入り乱れながら、
スタイリッシュに仕上げられている。
ホラー嫌いなのにワクワクが最後まで止まらない。


今年の10人
庵野秀明「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
エドガー・ライト「ラストナイト・イン・ソーホー」
クロエ・ジャオ「ノマドランド」
ジョン・ヒューストン「赤い風車」
ソフィア・コッポラ「オン・ザ・ロック」
ドゥニ・ヴィルヌーヴ「DUNE/デューン 砂の惑星」
ドミニク・モル「悪なき殺人」
ハーバート・ロス「愛と喝采の日々」
濱口竜介「ドライブ・マイ・カー」
ピーター・グリーナウェイ「ベイビー・オブ・マコン」

■主演男優賞=アンソニー・ホプキンス「ファーザー」(2020年・イギリス)

認知症の目線で製作されたホラーのような人間ドラマ。
いかに不安に陥るのか、どう言う思いでいるのか知ることができるのは、
アンソニー・ホプキンスの生々しい演技あってこそ。


今年の10人
ビル・マーレイ「オン・ザ・ロック」
アンソニー・ホプキンス「ファーザー」
ヴラディミール・フリードマン「声優夫婦の甘くない生活」
スティーブ・マックイーン「砲艦サンパブロ」
ダニエル・クレイグ「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」
西島秀俊「ドライブ・マイ・カー」
ポール・ニューマン「ハスラー2」
ホセ・ファーラー「赤い風車」
レイフ・ファインズ「キングスマン:ファースト・エージェント」
レオナルド・ディカプリオ「ドント・ルック・アップ」

■主演女優賞=フランシス・マクドーマンド「ノマドランド」(2020年・アメリカ)
コロナ禍の2021年に、人との距離やつながりを真剣に考えさせられた「ノマドランド」。
一人でいるけど孤独でもなく、
離れているのが楽だけど人恋しくもなる。それは今の僕らも同じ。
微妙な心境を表情と横顔で訴える名演。


今年の10人
イザベル・アジャーニ「王妃マルゴ」
キーラ・ナイトレイ「オフィシャル・シークレット」
ケイト・ウィンスレット「アンモナイトの目覚め」
シアーシャ・ローナン「レディ・バード」
ジェニファー・ハドソン「リスペクト」
ジェニファー・ローレンス「ドント・ルック・アップ」
ジュリエット・ビノシュ「5月の花嫁学校」
スーザン・サランドン「ブラックバード 家族が家族であるうちに」
フランシス・マクドーマンド「ノマドランド」
ラシダ・ジョーンズ「オン・ザ・ロック」

■助演男優賞=ジョナ・ヒル「ドント・ルック・アップ」(2021年・アメリカ)
くせものだらけのこの映画で、
毒のある嫌な脇役を楽しそうに演じながら、
メリル・ストリープ大統領と共に最後の最後まで存在感を示し、神経を逆撫でする。
見事だ。

今年の10人
ヴァンサン・ペレーズ「王妃マルゴ」
岡田将生「ドライブ・マイ・カー」
ジャン・マリオ・ボロンテ「荒野の用心棒」
ジョナ・ヒル「ドント・ルック・アップ」
テレンス・スタンプ「ラストナイト・イン・ソーホー」
ビル・ナイ「アバウト・タイム 愛おしい時間について」
フォレスト・ウィティカー「リスペクト」
リチャード・アッテンボロー「砲艦サンパブロ」
レイフ・ファインズ「オフィシャル・シークレット」
ロバート・デ・ニーロ「バックドラフト」

■助演女優賞=ダイアナ・リグ「ラストナイト・イン・ソーホー」(2021年・イギリス)
遺作となった本作で、二人のヒロインをめぐる重要な役回りを演ずる。
ラストに至るまでの老婆の気持ちが最後の姿ににじんで胸に迫る。
今年は、かつて出演した「女王陛下の007」が、シリーズ新作でオマージュを捧げられたのも印象的だった。

今年の10人
蒼井優「人のセックスを笑うな」
ダイアナ・リグ「ラストナイト・イン・ソーホー」
デボラ・フランソワ「セザンヌと過ごした時間」
永野芽郁「キネマの神様」
パティ・マコーマック「悪い種子」
ミア・ワシコウスカ「ブラックバード 家族が家族であるうちに」
三浦透子「ドライブ・マイ・カー」
メリル・ストリープ「ドント・ルック・アップ」
ヨランド・モロー「5月の花嫁学校」
ロッシ・デ・パルマ「マーメイド・イン・パリ」

■音楽賞=HAKASE-Sun「人のセックスを笑うな」(2007年・日本)

旧作からセレクト。
あれ程嫌いだった松山ケンイチ主演作のサントラが、まさか僕の家事のBGMになるなんて(笑)。
シンプルなピアノの「みるめのテーマ」がたまらなく愛おしくって。
今年、ハンス・ジマーは確かにいい仕事をしたよ。
でもジョン・バリー亡き今「007」音楽の最適任はジャック・アーノルドだと思っている僕にはピンと来なかった。


今年の10人
HAKASE-Sun「人のセックスを笑うな」
岩崎太整、坂東祐大、Ludvig Forssell「竜とそばかすの姫」
エリック・セラ「サブウェイ」
エンニオ・モリコーネ「荒野の用心棒」
ジェリー・ゴールドスミス「砲艦サンパブロ」
ジョン・ライチベリー「愛と喝采の日々」
バート・バカラック「何かいいことないか子猫チャン」
ハンス・ジマー「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」
ハンス・ジマー「DUNE/デューン 砂の惑星」
ロビー・ロバートソン「ハスラー2」
■主題歌賞=大好物(スピッツ)「劇場版 きのう何食べた?」(2021年・日本)

コロナ禍で人とのつながりを考えさせられた2021年。
「竜とそばかすの姫」のあの歌も胸に迫ったけれど、
心を許せる誰かと一緒にいる幸せと心地よさを感じさせたくれたのは、この映画とスピッツの主題歌のおかげ。


今年の10曲
ANGEL (武田カオリ)「人のセックスを笑うな」
Downtown (Anya Taylor Joy)「ラストナイト・イン・ソーホー」
glory days(春奈るな)「冴えない彼女の育て方fine」
Into The Night (B.B. King)「眠れぬ夜のために」
No Time To Die(Billie Eilish)「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」
One Last Kiss(宇多田ヒカル)「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
What's New Pussy Cat (Tom Jones)「何かいいことないか子猫チャン」
赤だけが足りない(Iris Woo)「コードギアス反逆のルルーシュⅠ興道」
大好物 (スピッツ)「劇場版きのう何食べた?」
はなればなれの君へ (Belle)「竜とそばかすの姫」




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする