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Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

わたしが美しくなった100の秘密

2013-06-04 | 映画(わ行)

■「わたしが美しくなった100の秘密/Drop Dead Gorgeous」(1999年・アメリカ)

監督=マイケル・パトリック・ジャン
出演=キルスティン・ダンスト デニス・リチャーズ カースティ・アレイ

 これは怪作!。ミスコン優勝にかける田舎町の騒動を、ブラックユーモアと毒気たっぷりに描く映画。タイトルはただの配給会社の都合であって、これに騙され た女のコたちはさぞかしひいただろうなぁ。確かに若手注目株女優があまた出てくるけれど彼女たちをみせるの映画ではなく、ミスコンなんかに執念燃やす人々 を笑い飛ばす(つーよりあざ笑う?)内容なんだから。ドキュメンタリーの手法を使うアイディアもなかなか楽しい。次に何が起こるんだろう?とハラハラしな がら観ていて、いざコトが起こると「おいおいそこまでやる?」とツッコミ入れたくなる。こんなに女のコが出てくる映画なのに、クライマックスはゲロ大 会!。本当に女性が書いた脚本?。

  デニス・リチャーズが嫌な女を実に楽しそうに演じている。すっかり陶酔して歌う ♪Can't Take My Eyes Off Of You(君の瞳に恋してる) にはただただ唖然・・・。カースティ・アレイはミスコンの地方大会委員でデニスの母親という役どころ。「私も十数年前女王 だったの」とドレスも華やかに登場する憎まれ役だが、十数年前の「スタートレック」や「影なき男」での美しい彼女を知る者は、時の流れを呪いたくなるか も。しかし何と言ってもこの映画でいちばん輝いているのは、我らがキルスティン・ダンスト!。「ヴァージン・スーサイズ」の色っぽさとは違って、バイトで 死体に化粧しながらタップの練習をする女子高生という、何とも言い難い不思議な役柄を見事にこなしている。かわいいぞぉ!。彼女の母親役エレン・バーキン も素敵。忘れちゃいけねぇ!松田聖子。何故こんな映画に?

(2003年筆)


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「わたし」の人生(みち) 我が命のタンゴ

2012-08-03 | 映画(わ行)

■「「わたし」の人生(みち) 我が命のタンゴ」(2012年・日本)

監督=和田秀樹
主演=秋吉久美子 橋爪功 冴木杏奈 松原智恵子 木下あゆ美

元ニュースキャスターの経歴を持つ百合子(秋吉久美子)は、子育てを終え念願だった大学教授の仕事も順調にこなしていた。ところが父親(橋爪功)が認知症と診断される。感情の抑制が利かなくなってきた父親が繰り返す暴言、痴漢行為、万引き。海外でタンゴダンサーとして活躍していた妹実加子、娘、夫とともに、だんだん難しくなる父との対応に追われる日々。デイサービス施設でに通うことになった父親。一方で老人ホーム入りを勧める百合子と頑なな父親との溝は深まるばかり。実加子が施設でタンゴを教えるようになってから、人間関係が次第に動き始める。

和田秀樹監督は精神科医。介護離職、要介護認定など家族が直面する様々な問題が、エピソードとして挿入される。個性ある施設にいる患者たちの、ときに生き生きと、ときにどんよりとしたした様子はそうした患者の現実を見てきているからだ。映画の中で語られる介護離職者50万人以上という現実や介護認定の手続き。多少説明臭い台詞ではあるけれど、この映画で知ることはきっと多いはずだ。また、タンゴセラピーは実際に現場で用いられ、単なる音楽療法とは違って評価されているものだそうだ。

医師とのやりとりの最中に暴れ出したり、欲望を抑えられず女性に手を出す場面には痛々しさもあり、娯楽映画として楽しめるものではないかもしれない。しかし、厳しい現実ばかりでもなく、父親の娘への思いが伝わるクライマックスや、家族それぞれが新たな方向へ歩み始めるラスト。それはロケ地であるわが町、北九州市若松区の青空のように爽やかだ。患者の一人を演ずる松原智恵子のかわいいおばあちゃん、いかにも人の良さそうな医師を演ずる小倉久寛、頼りなさそうな夫が斉木しげるなどキャスティングも上手い。個人的には「特捜戦隊デカレンジャー」の木下あゆ美ちゃんがちょっと嬉しい。

以前に、同じ認知症を扱った「老親」という映画を観た。こちらは、厳しい現実は「わたしの人生」よりもさらに厳しく描かれている。しかし”人間はいくつになっても成長できる”というメッセージが地味だけど心に強く残る映画でもある。機会があればこちらも是非見比べて欲しい。

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ワイルド7

2011-12-30 | 映画(わ行)

■「ワイルド7/Wild Seven」(2011年・日本)

監督=羽住英一郎
主演=瑛太 椎名桔平 深田恭子 中井貴一 丸山隆平

望月三起也の原作は世代的にちょっと上なのか僕は読んだことがないし、70年代にドラマ化されたのもうっすらとしか覚えていない。でもリアルタイム世代には思い入れのあるコミックらしく、僕の周囲では公開前から期待半分怖さ半分・・・そんな反応だった。それにこの映画は、わが街北九州市など九州各地や下関でロケされた映画でもある。実は僕もエキストラに今回参加したし、家のすぐ近くでも撮影が行われたもので、お話もだけど背景がどう写っているのか興味津々。幸いなことに試写会が当選したので公開前に観てきたのだ。

警察組織で解決できない悪に対して、超法規的な存在として解決に乗り出す元犯罪者から選抜されたチームが"ワイルドセブン"。チームのリーダー格である飛葉(瑛太)は、事件の度につきまとう人物の存在に気づく。同じ頃、飛葉は謎めいた女性ユキと知り合うが、彼女にはある秘密があった。そしてワイルドセブンの面々はある事件の濡れ衣を着せられ追われる身に。彼らは事件の黒幕である政府中枢の人物に挑むことになる・・・。

原作に思い入れがある世代にはどうも不評の様子。映画化なんて別物さ、と思ってしまえばいいのかもしれないが。確かにツッコミどころは多々ある。瑛太と深キョンが惹かれ合って・・・という場面にしても、瑛太が勝手に酔っぱらって彼女の家に転がり込んだだけとしか思えない。この辺の心情がどうも淡々と表現されているから、「守りてぇんだよ!」と叫ぶクライマックスの瑛太にどうも感情移入しずらい。ラストの悪党を追い詰める場面にしても、え?ボタンひとつ押されただけで降参なの?と実にあっけなく感じてしまう。いちばんかっこいいのはワイルドセブンを率いるボスである中井貴一かも。まぁ、理屈抜きに楽しむにはよい映画だろう。

とはいえ日本映画にしてはアクションや派手なドンパチはけっこう頑張っている方だと思える。スプリットスクリーンを使った演出はなかなかかっこいい。バイクアクションがあって、戦争映画でないのにここまで大量の銃器がぶっ放される日本映画はなかなかない。エキストラでご一緒させていただいたスタント担当の方も、バイクアクションがある映画ってなかなかないので参加できて嬉しいとおっしゃっていた。そしてそんな映像を撮るにあたって、わが地元がかなり貢献しているのが観ていてよくわかる(無茶もしてるんだろうなぁ・・・)。北九州市民の目線から観ると地元ロケを楽しむ上ではこれ以上ないくらいによく撮られた映画。中でも北九州空港へ行く連絡橋は格好のロケスポットだな・・・と改めて思う。そしてエンドクレジットでは撮影風景が映し出される。これがいい雰囲気。俳優、スタッフ、エキストラのそれぞれのロケ先での様子が流れて、監督が映画にかかわったすべての人々を大事にしているんだ、と感じられて嬉しい。エキストラで参加させてもらって、あの現場にいたんだな・・・と思えるからなおさらだ。映画の現場っていいなぁ・・・というのが今回の感想。

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私の中のあなた

2009-10-04 | 映画(わ行)

■「私の中のあなた/My Sister's Keeper」(2009年・アメリカ)

監督=ニック・カサヴェテス
主演=キャメロン・ディアス アビゲイル・ブレスリン アレック・ボールドウィン

癌に犯されている姉の為にドナーとして生まれた妹。生まれてすぐの臍帯血から始まる度重なる移植を強いられたとして、妹は両親を訴える為に凄腕の弁護士を依頼する。家族の絆、個人の尊厳、生き方の選択…ヘヴィなテーマ。移植をする上でマッチしやすいから、とドナーとして子供をつくることを勧める医者もいかがなものかと思ったが、親の身としてはその選択をする気持ちもよくわかる。可能性があるなら何にでもすがりたいのが当然だろう。しかし、映画冒頭で語られる子供の心情や幼い妹が手術台に押さえつけられる場面は見ていてじつに痛い。

臓器提供を受ける姉もその効果や妹への複雑な思いで揺れていた。物語は前半妹を中心に描いているが、後半は姉の自分が生きること(生きてきたこと)への思いが切実に描かれていて涙を誘う。この部分はハリウッド映画らしく実にストレートに描かれている。彼女が家族への思いを綴ったノートをじっくり時間をかけて示していく演出は、やや過剰?とも感じられたが、それが彼女の家族への感謝だと思うとやはりジーンときますわな。映画では家族と彼女との関わりを正面から描いている。キャメロン・ディアスが自分の髪を剃り落として娘に合わせようとする姿や、姉を介護する懸命な妹が印象に残る。いつもとは違って、ノーメイクでキツい表情すらみせるキャメロン・ディアス。ニック・カサヴェテス監督は、キャメロン・ディアスに自分の母親である名優ジーナ・ローランス(名作「グロリア」の勇姿は忘れられない)のイメージを重ねていたと聞く。そこにはロマコメで笑顔するお気楽なキャメロンの姿はない。この主演女優の頑張りは映画を見終わって心に残る。

いわゆる”難病もの”を美しく描いてしまう映画は多い。しかし、この「私の中のあなた」は違う。病気と闘う人々の実像に迫ろうとする姿勢は実に潔いし、好感がもてる。嘔吐や鼻血、体の痛みなど病気と闘う姿を描写する。妹を助ける弁護士も難病と闘っている。綺麗な夢ばかりを描くハリウッド映画ではなく、現実から逃げていない映画だ。同じ病気と戦っている男の子との恋。胸にチューブがつながれている二人のラブシーンは悲しくも美しい。生きることと家族の絆について考えさせられる力作だ。「スピード2」のジェイソン・パトリック、「しあわせのレシピ」のアビゲイル・ブレスリンも好演。アレック・ボールドウィン太っちゃったなぁ・・・。

コメント (2)
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Once ダブリンの街角で

2008-02-06 | 映画(わ行)

■「Once ダブリンの街角で/Once」(2006年・アイルランド)

監督=ジョン・カーニー
主演=グレン・ハンサード マルケタ・イルグロヴァ ビル・ホドネット

懐かしい友達に会えた気がする。彼の名はグレン・ハンザード。十数年前、僕はアイルランドを舞台にしたある音楽映画に夢中になった。その映画は、アラン・パーカー監督の「ザ・コミットメンツ」。ソウルバンドを組んだダブリンの若者を描いた青春群像劇だった。そのバンドでギターを弾いていたのがグレン。映画の最後でバンドは解散してしまい、「アメリカン・グラフィティ」の最後のようにみんなのその後が語られる。脇役だったグレンは友人と再びストリートで演奏するようになったのだった。その彼が今やアイルランドのバンドのフロントマンとして活躍し、この映画に主演。しかも、まるで「コミットメンツ」の続きのように、ストリートで歌っているのだ。映画の冒頭、僕は銀幕に向かって心の中であいさつした。「やぁ、久しぶり。」

街角で歌うシンガーソングライター志望の彼は、ある花売りの彼女に出会う。二人は音楽を通じて意気投合。チェコ移民である彼女はいろんな悩みを抱えている。やがて曲をひっさげてロンドンに行く彼が、レコーディングしたいと言い出し、彼女と街角で演奏するミュージシャンたちが協力する。恋愛映画なんだけど、大きな事件も起らないし、想いが成就することもない。でもそこに行き着くまでの触れそうで触れない二人の気持ちを思うととても切なくなってくる。
「ロマンティックな詞は書けない。詞を書いてみるかい?」「いいわ。」
彼は別れた前の恋人を思いながら曲を書く。昔の映像を見ながら曲を作る場面が何とも切ない。彼女は母親と子供を抱える苦しい生活。貯金箱から小銭をとって電池を買いに行き、店から戻るとき彼女は歌う。
「私が欲しいなら私を満たして。」
彼女も深い悩みを抱えている。一夜のレコーディング場面、ピアノを前に苦しい心情を露わにする彼女。彼は肩を貸してやることしかできない。なんて切ない場面だろう。
「朝食を一緒にどうだい?。うちにおいでよ。」「帰るわ。間違いが起りそうだもの。」
僕はこの台詞で胸が締め付けられた。音楽で結ばれた人と人の絆は深い。僕はそう信じている。だから、成就し得ない二人の思いが余計に切ない。挙げたりないくらい、いい場面がいっぱいある映画だ。前向きに歩き出すラストシーンは、切ないけど爽やかでもある。

このサントラは全米でヒットしたそうだ。手持ちカメラの地味なアイルランド映画が、アメリカでウケたのには驚いた。でもここに収められた楽曲は、彼と彼女の少ない台詞の行間を埋めるために存在している。僕らはその曲に涙する。ソウルバンドで目立たないギター弾いてたグレンは、僕らの心を揺さぶる曲を歌っていた。この映画に出会えてよかった。

コメント (4)
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私の頭の中の消しゴム

2006-12-21 | 映画(わ行)

■「私の頭の中の消しゴム/A Moment To Remember」(2004年・韓国)

●2006年中国金鶏百花奨映画祭 女優主演賞

監督=イ・ジェハン
主演=チョン・ウソン ソン・イェジン ペク・チョンハク

若年性アルツハイマー症をめぐる夫婦の愛の物語。永作博美と緒方直人主演のドラマ「Pure Soul~君が僕を忘れても」の翻案なんだそうだ。この題材は涙涙の湿っぽい韓国映画(ドラマ?)の作風にはむしろ向いているように思える。オリジナルのドラマはみたことないけど(永作ファンのくせに・・・)、この映画はリメイクとしてはかなりの成功作だろう。

記憶をなくしていくことで、愛する気持ちも消えてしまうのか・・・その現実に懸命に立ち向かおうとするヒロインが書いた手紙。それを読んで号泣するチョン・ウソンの姿。もう力業で泣かされちゃう映画だ。それは前半の幸せな二人を描く場面との落差が大きいからだろうか。二人の新婚生活なんて、もう勘弁してっ!てくらいに楽しそう。バスローブの中を覗いて、お姫様抱っこ!くーっ!それに一流の建築家をめざす彼の夢に、彼女が最大の理解者になっているところ。二人でプレゼンの練習!くーっ!(冷静さを失いそうだ)。一転して症状が悪化してから。現実はもっともっと厳しいと思うのだが、そこはさすがに映画だから綺麗にまとめている。そういう意味では甘すぎる映画かもしれない。最後の「天国なの?」の場面も、やり過ぎだろうと思えた。でも、それでも涙誘われちゃうんだよなぁ。

韓国映画はいい台詞がいっぱい。この映画でも”いい大工”についてお義父さんが語るところ、よかったね!。”材木の木目を見て材料のせいにするのが悪い大工。節だらけの材木でもそれを活かすのがいい大工。お前は節だらけだが・・・。”くーっ。それにしてもソン・イェジン綺麗でしたね。
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