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Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

時をかける少女 - 80's Movie Hits ! -

2013-07-05 | 80's Movie Hits !

- 80's Movie Hits! - 目次はこちら

■時をかける少女/原田知世
from「時をかける少女」(1983年・日本)

監督=大林宣彦
主演=原田知世 高柳良一 尾美としのり

 80年代アイドルの中でも”角川三人娘”は、活躍の場がほとんど映画というフィールドだったという点でもかなり異質な存在だった。薬師丸ひろ子が「ザ・ベストテン」で歌う!となるとオオッ!と思ったものです。それくらいにテレビ出演は少なかった。しかし知世チャンのデビューは「ねらわれた学園」や「セーラー服と機関銃」のテレビシリーズ(残念」ながら僕の出身地では放送されていなかった)。同じオーディションで1位を獲得した渡辺典子は「伊賀忍法帖」の主役(知世チャンが憧れていた真田広之の相手役)を獲得、知世チャンは特別賞であった。それで映画からデビューということにならなかった訳。

 角川映画に知世チャンが初登場するのは、ご存じ「時をかける少女」。僕は当時筒井康隆の小説(特にショート・ショート)に夢中で、同氏のジュブナイルが原作だけでも嬉しかったものだ。劇場公開時は見逃してしまったが、テレビの特別番組で観てから、僕は映画にそして知世チャンに夢中になった。大林監督の色彩美、原作にはないどこかおセンチなムード。そして大ヒットしたユーミン作の主題歌 時をかける少女。「時かけ」はファンだから認めるというタイプのアイドル映画ではなく、多くの人を魅了し、心に残る作品となった。それ故製作に関わった人々にも忘れがたい「時かけ」は、97年に角川春樹氏のメガホンでリメイクされている(主役は中本奈奈)。主題歌 時のカンツォーネ を担当したユーミンは、知世チャンヴァージョンと同じ歌詞に違うメロディをのっけた。そして同原作は、細田守監督によるアニメ版など多数のリメイクを生み、世代を超えて語り継がれている。

 「時かけ」以後の知世ちゃんの活躍振りは、申し訳ないけど渡辺典子のはるか上を行く。ひろ子・知世の2本立て公開された「愛情物語」ではバレエの経験を生かしたミュージカル映画だった。当時はキャアキャア言って観たものだが、冷静に考えるとこれは単なるアイドル映画だったようにも思う。森村桂原作の「天国にいちばん近い島」、「少年ケニア」や「幻魔大戦」ではアニメの声優も経験した。主題歌も美しかった「早春物語」では初のキスシーン。幸運なお相手は林隆三、ファンにはドキドキものだった。「黒いドレスの女」はハードボイルドサスペンスだったが、これはすっかり知世チャンが浮いていた。

 映画だけでなく、シンガーとしての活動は他の角川アイドルとは違い積極的だった。僕はそのほとんどを所有している(恥)。1stの「バースデイ・アルバム」ではユーミンの楽曲をカヴァー、2ndの「撫子純情」(名作!)では坂本教授のプロデュースの下で白井貴子や大貫妙子の提供曲を歌った。3rd「パヴァーヌ」は大貫妙子プロデュース作で、その雰囲気に癒される佳作。でもミーハーだった僕の一番のお気に入りは4th「NEXT DOOR」。秋元康、後藤次利の80年代を代表する名コンビ(?)と組んだポップなポップな作品。僕はこのアルバムのコンサートツアー”マスカット・リップス”に足を運んだ。熊本市民会館の前から2列目!。素敵でしたぁ・・・。中崎英也の名曲 早春物語 (後にセルフカヴァー)、どうしてますか 雨のプラネタリウム 等良い曲が多い(ひいき目)。

 角川事務所から独立後は、スクリーンでも大活躍。「私をスキーにつれてって」と「彼女が水着にきがえたら」のホイチョイ・プロ作品は、リゾートムービーとして大ヒットを記録した。歌の方は、この頃からアーティスティックな面が開花する。フレンチに挑んだ名作 ♪彼と彼女のソネット はエルザのカヴァー。そして90年代のトーレ・ヨハンソンプロデュース作は、従来のファン以外にもアピールして成功した。近頃は映画での華々しい活躍がなくなってきた。ちょっと寂しくはあるけれど。

※原田知世の歌が流れる主な映画
1983年・「時をかける少女」 = 時をかける少女 愛のためいき(duet with 高柳良一)
1984年・「愛情物語」 = 愛情物語 地下鉄のザジ ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ~ Curtain Call
1984年・「天国にいちばん近い島」 = 天国にいちばん近い島 愛してる 草冠の姫君
1985年・「早春物語」 = 早春物語 星のデ・ジャヴ
1985年・「二代目はクリスチャン」 = 二代目はクリスチャンのテーマ(BIRDS with 渡辺典子・原田貴和子・野村宏信)
1995年・「あした」 = あした




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再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ - 80's Movie Hits ! -

2013-07-01 | 80's Movie Hits !

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■Century's End/Donald Fagen
■True Faith/New Order
from「再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ/Bright Lights Big City」(1988年・米)

監督=ジェームズ・ブリッジス
主演=マイケル・J・フォックス キーファー・サザーランド フィービー・ケイツ

 ドラッグで身を持ち崩してはいけません。そんな教訓を若者どもに与えた2作品がある。ロバート・ダウニーJr.による”西海岸編”が「レス・ザン・ゼロ」、そしてマイケル・J・フォックスによる”東海岸編”が本作「再会の街 ブライト・ライツ・ビッグ・シティ」である(別に当時こんな風に言われていた訳ではありません)。出版社に勤める主人公は、仕事はいい加減で上司の評価も厳しい。現実から逃避すべく、悪友キーファー・サザーランドに誘われるままナイトライフとドラッグに溺れる日々。フィービー・ケイツ扮する別れた恋人のことも忘れられないから、同じ事務所でひそかに思ってくれている女性の存在も気づかない。社会人となって数年が経った20代後半。仕事の手の抜き方も夜遊びも覚えて、誰もが”自分はこのままでいいのかな?”と自答する時期。そんな今ひとつ自立しきれない主人公を、それまで「BTTF」シリーズなどでええかっこしてきたマイケル・J・フォックスが、等身大でしかも情けない男として演じてくれる。大人になりきれない主人公を”昏睡状態の胎児”とダブらせる描写も印象的だった。

 そんな本作のサントラは、僕にとっては、80年代サントラの中でも1,2を争う愛聴盤。主人公の夜遊び場面のBGMとして流れたダンスミュージック中心に選曲されたアルバムになっている。サントラのラストに Pump Up The Volume が収録されているが、これは当時大ヒットしたダンスナンバー。僕には何がいいのかよくわかんないんだけど(汗)。トップを飾るプリンスの新曲 Good Love は、殿下が清少納言風に「クールなるもの」について考察した佳作。本人名義のアルバム未収録だけに、これを目当て購入した人々も多かったことだろう。ブライアン・フェリーの Kiss And Tell や、ホイットニー・ヒューストンらのプロデューサーとしても活躍しているナラダ・マイケル・ウォルデンの Divine Emotions もとにかくひたすらカッコイイ!。あー!このサントラで踊りたいゼ!

 僕にとってのこのサントラの目玉は2曲ある。1曲は、ドラムマシンTR-808の音も軽やかなユーロ・ディスコの定番ナンバー True Faith 。僕はこの曲をときどき無性に聴きたくなる。それ故にこのサントラCDがカーオーディオに欠かせない。哀愁メロに悲しげな歌詞が何とも言えない魅力。ニュー・オーダーの楽曲には何ともいえない”切なさ”がつきまとっているように思う。当時のペットショップ・ボーイズにも似たような雰囲気は感じられたが、それらは数曲にすぎず、一方でポップチューンもバランスよくこなすことが彼らにはできた。ニュー・オーダーの楽曲はどれを聴いてもどこかおセンチで”世間を怖がっている少年”が書いているのか?とさえ思えるのだ。最近の楽曲はあまり聴いていないけれど、僕は80年代の楽曲では The Perfect Kiss や Confusion が好きだった。社会人になる前、僕のモラトリアム期に触れた楽曲だったからかもしれないな。

 そしてもう1曲が、この映画のスコアも担当したドナルド・フェイゲンの Century's End だ。これが流れるラストシーンが僕は妙に気に入っている。様々なことにしくじったマイケル・J・フォックスが、夜明けの街である決心をする。今までの浮ついた生活を改めて前向きに生きていこうと決めたのだ。そして彼は、カッコつけるために欠かせないアイテムだったサングラスを、生きるために欠かせない糧である焼きたてのパンと交換する。そこに流れてくるのがこの Century's End で、そのままエンドクレジットへ。
世紀末の都会で/愛を探している
マイケル自身はこの映画で共演したトレイシー・ポランとこのあと結婚。彼女に電話で不安な思いを告白する場面の、マイケルの泣き顔は忘れられないな。愛を見つけたんだねっ!。




※Donald Fagen関連の曲が流れる主な映画
1981年・「ヘビー・メタル」 = True Companion
1988年・「ミスター・アーサー2」 = Reflections (Steve Kahn and Donald Fagen)
1988年・「再会の街 ブライト・ライツ・ビッグ・シティ」 = Bright Lights, Big City Century's End / 8NT Blues (Bobby Forester)
1989年・「セイ・エニシング」 = Rikki Don't Lose That Number (Steely Dan)
1992年・「ラブ・ポーションNo.9」 = Ruby Baby
1996年・「エディー 勝利の天使」 = Ain't No Love (40 Thevz)
2000年・「ふたりの男とひとりの女」 = Bodhisattva (Brian Setzer Orchestra) Bad Sneakers (Push Stars) Any Major Dude Will Tell You (Wilco) Reelin' In The Years (Marvelous 3) Razor Boy (Billy Goodrum) Do It Again (Smash Mouth) Midnight Cruiser (Nash Kato) Barrytown (Ben Folds Five)

※New Order関連の曲が流れる主な映画
1986年・「プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角」 = Thieves Like Us Shell-Shock
1986年・「サムシング・ワイルド」 = Temptation
1988年・「再会の街 ブライト・ライツ・ビッグ・シティ」 = True Faith
1994年・「リアリティ・バイツ」 = Confusion
1994年・「スリーサム」 = Bizarre Love Triangle
1996年・「トレインスポッティング」 = Temptation
1998年・「ウェディング・シンガー」 = Blue Monday
1998年・「ブレイド」 = Confusion (Pump Panel Recon Mix)
2000年・「アメリカン・サイコ」 = True Faith
2000年・「ザ・ビーチ」 = Brutal




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ダーティハリー5 - 80's Movie Hits ! -

2013-06-17 | 80's Movie Hits !

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■Welcome To The Jungle/Guns N' Roses
From「ダーティハリー5/The Dead Pool」(1988年・アメリカ)

監督=バディ・ヴァン・ホーン
主演=クリント・イーストウッド エヴァン・C・キム リーアム・ニースン パトリシア・クラークソン 

 「ダーティ・ハリー」といえば70年代から続くクリント・イーストウッド主演ポリス・アクションの名シリーズ。しかぁし、回を重ねる毎に作品的にもパワーダウン。80年代に製作された「4」は、やたらバイオレンスアクションくさいものだった。「5」では映画の撮影現場で事件が起こるってのが、ちと楽しい。またハリーとコンビを組むのが中国系というところも現代的で面白いじゃないか。

 MTVの撮影現場で殺人事件が発生。合わせて殺人予告の賭け事"Dead Pool"の存在が判明し、ハリーの名もそこに。"Dead Pool"に関係したとして疑惑をもたれる映画監督役は、ジェダイ・マスターのクワイ・ガン・ジンことリーアム・ニースン。おどろどろしいデザインのジャンパーを着て、髪を結んで、ハリーに悪態をつく姿は後に多くなった善人役からはほど遠い。今観るには価値があるかも。Dead Poolのメモには”何とかキャメロン”という文字も見える。これってもしやオスカー監督の?。ただやはりお年を召したハリー・キャラハンは昔のようなマグナム左右衛門ではなく、人間ドラマがお話の中心なんだなぁ。それはやはり残念。

 「ダーティ・ハリー」シリーズにはチャートを賑わすようなヒット曲が使われることは今までなかったが、この Welcome To The Jungle は例外中の例外。曲は始まってすぐMTV撮影場面で使われる。曲をバックに口パクやってるロック歌手役が今をときめくジム・キャリー!(クレジットはジェームズ・キャリーとなっている)。彼が最初の犠牲者となるのだ。またスラッシュやアクセルらガンズのメンバーも葬式の場面で顔を出す。映画撮影シーンでスラッシュのシルクハットを観た気がするのだが、どうでしょ?。思えばガンズって、シンセばかりが鳴り響き、ギターは脇でカッティングして、ベースはチョッパー流行りの80年代を、最後の最後に打ち壊してくれたバンドだったよな。あの破壊力は今聴いても色あせることはない。

Guns N' Roses - Welcome To The Jungle


※Guns N' Roses の歌が流れる主な映画
1988年・「ダーティーハリー5」 = Welcome To The Jungle
1990年・「デイズ・オブ・サンダー」 = Kockin' On Heaven's Door
1991年・「ターミネーター2」 = You Could Be Mine
1994年・「インタビュー・ウィズ・バンパイア」 = Sympathy For The Devil
1997年・「ポイント・ブランク」 = Live And Let Die
1998年・「待ちきれなくて・・・」 = Paradise City
1999年・「エンド・オブ・デイズ」
1999年・「ビッグ・ダディ」 = Sweet Child O'Mine





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「ロッキー3」 「ロッキー4 炎の友情」 - 80's Movie Hits ! -

2013-06-12 | 80's Movie Hits !

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■Burning Heart/Survivor
■The Eyes Of The Tiger/Survivor
from「ロッキー4 炎の友情/Rocky lV」(1985年・アメリカ)
from「ロッキー3/Rocky lll」(1982年・アメリカ)

監督=シルベスター・スタローン
主演=シルベスター・スタローン タリア・シャイア 

 「ロッキー3」に引き続き主題歌を担当したのはサバイバー。77年に、アイズ・オブ・マーチ、チェイスというブラスロックのバンドのメンバーを中心にシカゴで結成されたバンドだ。スタローンに気に入られて前作の主題歌に起用され、The Eyes Of The Tiger は大ヒット。グラミー賞(最優秀ロック・デュオ/グループ)を獲得するに至った。映画「ロッキー4」はいきなりこの The Eyes Of The Tiger で始まる。主題歌としてヒットしたのは Burning Heart で、ボーカリストは2代目のジミ・ジェイソンに交替しているが、僕はこの少し前のアルバム「Vital Signs」が愛聴盤だったので、こっちが好きかな。4分打ちのビートがズン、ズンと重く、思わず拳を握りたくなるような(?)曲だ。「4」のサントラには、他にケニー・ロギンス&グラディス・ナイト(Double Or Nothing)、ロバート・テッパー(No Easy Way Out)などが参加している。

 「3」も「4」もスタローン自身が監督を務めた映画だが、本当は「3」で終了するはずだった。ところが”ロッキー・バルボア”の知名度が驚異的だった(全米で75%、25歳以下では95%だとか)ので、製作会社がスタローンを口説き落とした。興収面でも大ヒットとなったが、一方でラズベリー賞4部門受賞(最低監督・最低主演男優・最低助演女優・最低音楽)という快挙?も残した。

 さて本編は、国旗柄のグローブがぶつかり合う冒頭から”東西緊張”を色濃く反映させた内容で、いかにもレーガン政権下らしい映画。ソビエトがプロボクシングに参戦し、米ソ親善試合が企画された。元チャンプ、アポロ・クリードが対戦相手に名乗りを挙げたが、相手のドラコは徹底した管理下で作り上げられたサイボーグのようなボクサー。ジェイムズ・ブラウンの Living In America (グラミー受賞)で華々しく登場したものの、アポロはドラコのパンチに沈められ死亡してしまう。友を失ったロッキーはモスクワでのリベンジマッチに挑むこととなる。ドラコと違った過酷な環境でトレーニングをするロッキーのバックに前出の Burning Heart が高らかに流れる。クライマックスのファイトはシリーズ屈指のド迫力で、しかも最初米国人に冷淡だったモスクワっ子が終いにはロッキーコールをする!という展開。ラストのスピーチで「俺たちは変われるんだ!」と叫んだロッキーの姿に、”米国人意識高揚”が露骨に見えてくる。

survivor-burning heart (rocky 4)


Survivor - Eye Of The Tiger


※Survivorの歌が流れる主な映画
1982年・「ロッキー3」 = The Eyes Of The Tiger
1984年・「ベスト・キッド」 = The Moment Of Truth
1985年・「ロッキー4 炎の友情」 = Burning Heart

ロッキー4ロッキー4
サントラ ヴィンス・ディコーラ サバイバー ジョン・キャファティー ケニー・ロギンス ジェームス・ブラウン ロバート・テッパー ゴー・ウエスト タッチ グラディス・ナイト

曲名リスト
1. バーニング・ハート(サバイバー)
2. ハーツ・オン・ファイヤー(炎の友情)(ジョン・キャファティー)
3. ダブル・オア・ナッシング(ケニー・ロギンス&グラディス・ナイト)
4. アイ・オブ・ザ・タイガー(サバイバー)
5. 戦い(ヴィンス・ディコーラ)
6. リヴィング・イン・アメリカ(ジェームス・ブラウン)
7. ノー・イージー・ウェイ・アウト(ロバート・テッパー)
8. ワン・ウェイ・ストリート(ゴー・ウエスト)
9. スウィーテスト・ヴィクトリー(タッチ)
10. トレイニング・モンタージュ(ヴィンス・ディコーラ)

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さよならジョージア - 80's Movie Hits ! -

2013-05-27 | 80's Movie Hits !
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■I Need You Strong For Me(涙を抱きしめて)/Kristy McNichol
from「さよならジョージア/The Night The Lights Went Out In Georgia」(1981年・アメリカ)
 
監督=ロナルド・F・マックスウェル
主演=クリスティ・マクニコル デニス・クエイド マーク・ハミル
 
80年代初め、テイタム・オニールと人気を二分したハリウッド若手女優と言えば、クリスティ・マクニコル。「リトル・ダーリング」(僕の出身地、大分市では何故か「スタートレック」と併映)で、テイタムと共演。ロスト・バージンを競うライバル役だった。お嬢様役のテイタムに対して、ちょっとツッパリ(死語?)のクリスティ。テイタムはアーマンド・アサンテを、クリスティはこちらもデビュー間もないマット・ディロンを相手に、いざひと夏の経験。この映画ですっかりテイタムを食ってしまったクリスティは、その後出演作が次々公開されることとなり、一方テイタムはリチャード・バートン共演作ですらお蔵入り、となってしまう。
 
82年の春に劇場公開された青春映画「さよならジョージア」は、カントリー歌手を目指すダメ兄貴トラビスを支えるしっかり者の妹アマンダが、ライブ、恋、挫折を経験しながら成長していく物語。兄貴役はデニス・クエイド。クエイド自身の歌もたっぷり流れる(妹に捧げたAmandaがよかった)が、クリスティも劇中歌っている。クリスティ自身、実の兄ジミーと78年に歌手デビュー済みなので別に映画のために初めて歌ったというわけではない。彼女が劇中歌うのは、デニス・クエイドとのデュエットナンバーHangin' Up The Gunと、日本ではサントラからシングルカットされたI Need You Strong For Me(涙を抱きしめて) だ。後者はメロディの美しいバラードで、兄貴が酔いつぶれてすっぽかしたステージを埋めるために歌う場面で流れる。ここで兄は妹の歌の才能を認めるのだった。
 
そんな女のコと大人の境目であるティーンエイジャー、アマンダが恋をする。お相手はルーク・スカイウォーカー、もといマーク・ハミル扮する警察官コンラッド。映画のラスト、ダメ兄貴は手を出した女をめぐる恋敵(TV「ミセス・コロンボ」のレギュラーだった甥っ子役ドン・ストラウド)に撃たれて死んでしまう。コンラッドは警察官を辞め、アマンダと共にナッシュビルをめざす・・・。いやぁ高校生だったけど夢中になりました、この映画。同じクラスにクリスティファンの男のコがいて、彼からサントラも借りた。他にはタニア・タッカーのタイトルソングと語りかけるようなバラードRodeo Girl、グレン・キャンベル(I Love My Truck)らの曲が収められている。
 
さて、その後のクリスティはニール・サイモンの人情ドラマ「泣かないで」(名作!)でゴールデングローブ賞助演賞にノミネート。興行的に失敗した「パイレーツ・ムービー」や、「白いロマンス」(何故か「2010年」と併映)などがある。しばらくして「ナイン・ハーフ」のスタッフが撮ったセクシー・ムービー「トゥー・ムーン」にちらっと顔を見せたのは実に嬉しかった。

The Night the Lights Went Out in Georgia (1981) - Trailer
 

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超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか - 80's Movie Hits ! -

2013-05-24 | 80's Movie Hits !

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■愛・おぼえていますか/飯島真理
from「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」(1984年・日本)

監督=石黒昇・河森正治
声の出演=飯島真理 長谷有洋 土井美加 羽佐間道夫

 今さらながら。「マクロス」はリアルタイム世代なんだが、この劇場版を初めて観たのは恥ずかしながら30代になってから。思えばこの「マクロス」シリーズを僕は冷ややかにみていた。この作品以来、"メカメカしい"とかいうアニメ用語(?)を使い、アニメのヒロインに恋する男子が出現し、一部のファンにしか受け入れられないようなアニメ作品がこの世に次々と現れたような気がするのだ。それがこのシリーズに対する僕のイメージ。そんな冷めた視線でこの劇場版を観はじめた僕だったが、映画が終わる頃には、あれーっ、思いがけず感動させられてしまったのだ(恥)。

 80年代半ば、女性の社会進出がすすんだことは、男と女の巨人が戦うこの物語の背景となっているのかな。スクリーンのこっち側では、女とムキになって張り合う男子がいたり、意地張って頑張る女子がいたり、会社もうまくサバききれなかったり・・・。そんな世情に、肩肘張らずに男と女からやり直しましょう、とその関係修復を叫んでいるようにも感じられた。リン・ミンメイが歌うラブソング(もちろん 名曲 愛・おぼえていますか)をバックにしたクライマックスの戦闘場面。当たり前のラブソングが、忘れていたものを思い起こしてくれる・・・いい話じゃあないですか。しかし、前半は全くもってミンメイのアイドル映画だね。

 そんな僕、実は飯島真理ファン。でも「マクロス」のリン・ミンメイからファンになったのとは違うのだ。純粋に楽曲から入った。きっかけはもちろんこの 愛・おぼえていますか の大ヒット。これが収録されたアルバム「バリエ」を友達に借りたのがそもそもの始まりだった。真理たんの歌が流れるアニメで見ていたのは、「マクロス」ではなく、NHK教育の「スプーンおばさん」の方だったなぁ(笑)。こっちもいい曲でしたよね。

 当時の真理たんの一般的イメージは”歌えて曲もかける声優”というだったと思う。でも本来のシンガーソングライターであることは、なかなか定着しなかった。「私はミンメイじゃありません」発言も、そんな時期の出来事だった。おまけに「マクロス」は一部マニア向けアニメーションの先駆け。だから真理たんのファンである僕を、おそらく周囲の人々は、声優さんのコンサートに行く人々と同列に見ていたと思うのね。2010年代の今だからこそ、声優さんが歌うことは市民権を得たし、紅白歌合戦にも1席設けられる時代だが。

 さて、気を取り直して。劇場版で流れるミンメイのナンバーは数々あるけれど、代表作とも言える 小白竜(シャオパイロン) は映画の最初ステージシーンで流れる。中国風のイントロから始まる元気のいいこの曲はミンメイのどの持ち歌よりも印象的だ。私の彼はパイロット もミンメイの代表曲。♪キューン キューン という出だしがなーんともアイドルポップスなんだけど、マクロス20周年を記念して2002年にリリ-スされた「MARI IIJIMA sings LYNN MINMAY」では、大人っぽいダンスチューンに衣替えされている。こっちもなかなかかっこいい。同作で同じくダンサブルにリメイクされた 0-GLove も途中で流れる。 ヒカルとミサがマクロスに帰還した後、街角で流れるのは シルバームーン・レッドムーン。自作の シンデレラ はヒカルとミサの絆が深まる切ない場面で流れる。そして何と言ってもクライマックス、当たり前のラブソングが愛を目覚めさせ悪を浄化する感動的な場面で流れるのが、愛・おぼえていますか だ。戦闘シーンのバックにラブソングが流れる、普通なら考えられない取り合わせだが、それが違和感なく受け入れられるのはこの物語の力。清水信之氏のアレンジは素晴らしく、感動を高めてくれる。エンドクレジットは真理たん作の名曲 天使の絵の具。見終わったらあなたもきっとミンメイの虜、いやいや真理たんの虜(アイドル視してるって?・笑)。

リン・ミンメイ/飯島真理 マクロス劇場版 愛・おぼえていますか ~


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エンドレス・ラブ - 80's Movie Hits ! -

2013-05-21 | 80's Movie Hits !

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■Endless Love/Diana Ross & Lionel Richie
from「エンドレス・ラブ/Endless Love」(1981年・アメリカ)

監督=フランコ・ゼフィレッリ
主演=ブルック・シールズ マーティン・ヒューイット 

 ブルック・シールズ主演で、フランコ・ゼフィレッリ監督作。「ロミオとジュリエット」の現代版という触れ込みで宣伝されていたのを思い出すなぁ。恋に身をゆだねる若い二人。暖炉の前でのラブシーンは印象的だった。ところが二人が裸でいるところを彼女の親が見つけ、男の子は父親の怒りを買うことに。また夜ごとの逢い引きで睡眠不足の彼女が父親の書斎から睡眠薬を持ち出そうとして見つかり、結局交際を禁じられてしまう。彼女の家の火事を見つけたことで信頼を回復しようとする彼だったが、彼がつけた火はまたたく間に燃え広がって彼女の家は全焼。放火の現行犯として逮捕されてしまう。彼女はそれでも彼を愛し続けるのだが・・・。今観るときっと親世代に感情移入してしまうのだろうか。

オーディションでブルッキーの相手に選ばれたのは、マーティン・ヒューイット。この映画だけで記憶されたような人だけど、88年の「トゥー・ムーン」で久々に姿を見た。バチェラー・パーティで鼻の下のばした新郎役。この頃の相手役の男優は、みんな今どうしているのだろう?。一方で後に活躍することとなる男優たちの姿も。ブルッキーの兄貴役はジェームズ・スペイダー(パンフのクレジットはジミー・スペイダー)だし、脇役にトム・クルーズ(これがデビュー作)はいるし今観ると違った楽しみがあるかもね。映画自体はヒットしたけれど、81年のラジー賞で主要部門を含む5部門でノミネートされた。

 主題歌 Endless Love はダイアナ・ロスとライオネル・リッチーのデュエット曲。11週に渡って全米No.1を記録する大ヒットとなり、アカデミー賞主題歌賞にもノミネートされている。80年代にはこの曲を始めとして、映画主題歌にデュエット曲が使われることが多かった。それはこの曲のヒットがきっかけなのだ。当時ライオネル・リッチーはコモドアーズ在籍中で、ソロ活動を始めたばかり。この大物との共演は彼の知名度をあげるのに大きく貢献したのは間違いない。コモドアーズのバラード曲は彼の手によるもので、この頃ケニー・ロジャースの Lady をプロデュースしてヒットを記録している。Endless Love は、94年にはルーサー・ヴァンドロスとマライア・キャリーがカヴァーしているが、そっちはお世辞にもいい出来とは言えなかったなぁ。サントラには、もう1曲ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーのデュエット Dreaming Of You も収録されている。またクリフ・リチャード(Dreamin')、ブロンディー(Heart Of Glass)それにキッス(I Was Made For Loving You Baby)が使用されていた。

エンドレス・ラブ - ダイアナ・ロス&ライオネル・リッチー Endless Love


※Diana Ross の曲が聴ける80年代の主な映画
1975年・「マホガニー物語」 = Theme from Mahogany (Do You Know Where You're Going To)
1978年・「ウィズ」 = Ease On Down The Road (Diana Ross and Michael Jackson)
1981年・「エンドレス・ラブ」 = Endless Love Dreaming Of You (Diana Ross and Lionel Richie)
1982年・「フライング・ハイ2 危険がいっぱい月への旅」 = Baby Love (Diana Ross & The Supremes)
1986年・「栄光のエンブレム」 = Get Ready (Diana Ross & The Supremes)
1988年・「この命尽きるまで」 = Chain Reaction
1988年・「リトルフットの大冒険 謎の恐竜大陸」 = If We Hold On Together
1988年・「運転免許証」 = Make Some Noise (Diana Ross & The Supremes)



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メトロポリス - 80's Movie Hits ! -

2013-05-11 | 80's Movie Hits !

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■Love Kills/Freddie Mercury
From「メトロポリス/Metropolice」(1926年・独 1984年)

監督=フリッツ・ラング
主演=ブリギッテ・ヘルム アルフレッド・アベル グスタフ・フレーリッヒ

 SF映画の古典とされるサイレントの傑作「メトロポリス」。膨大な製作費と3万6千人ものエキストラを使った大作にして、多くのフォロアーに影響を与えたカリスマ的魅力のこのフィルムは、今観ても造形・演出の斬新さは見応えがある。「ブレードランナー」のタイレル社にも似た地下工場の強烈なイメージ、C-3POの原型とされるロボット=マリアの造形など、ビジュアル面で語られることが多い映画だが、30年代ドイツの不穏な空気や階級社会、労働問題なども描かれている。完成時のオリジナルは210分とも言われているのだが、後述するモロダー再編集版(84年)は83分、他にも様々なヴァージョンが存在する。

 ピアノ伴奏が付いているオーソドックスなヴァージョンや、難波弘之氏が劇伴を付けたヴァージョン(今入手できないだろうか?)のビデオがリリースされている。2002年にはフランスのロックバンド、アール・ゾイドが生で演奏する上映会が開催されたりもした(このときのヴァージョンは2001年にドイツで修復・編集された「最終完全版」だったとか)。

 僕ら80年代青春組は幸運にもこの伝説の映画を劇場で観ることができた。それが84年のジョルジオ・モロダー再編集版だ。自宅でこのビデオを鑑賞中、ロックを流していたとき、これが意外にマッチする!とひらめいたスーパープロデューサー、ヒゲ親父!。そして自作の80年代エレクトロポップ/ロックをBGMに、画像に色彩処理を施しリバイバル公開するに及んだ。その楽曲でやはり特筆すべきは、フレディ・マーキュリーの実質的ソロ第1作となった Love Kills だろう。クィーン活動休止中の83年、ミュンヘンを訪れていたフレディにモロダーがサントラ制作の協力を依頼し、このコラボレーションが実現した。モロダーと言えば、タンス型ムーグシンセを使用した16分音符のベースラインが特徴の”ミュンヘン・ディスコ”の開祖。シーケンスピコピコにピアノがバーン!と鳴るサウンドと、力強いフレディの歌声!。クィーンとはまるで異なるサウンドと重なるこの曲は、僕には強いインパクトがあった。PVは「メトロポリス」の映像ばかりで歌う場面はなかったと記憶している。

 サントラには、他にパット・ベネター(Heart Gets Fire)やボニー・タイラー(Here She Comes)らが参加した。だが古き良きサイレントに電子音楽というミスマッチが、やはり許せなかった人々も多かったのは事実。そのせいか(?)85年のゴールデン・ラズベリー賞では、ワースト音楽賞を受賞しているのだった。


※Freddie Mercury の歌が流れる主な映画(ソロ名義)
1984年・「メトロポリス」 = Love Kills
1984年・「りんご白書」 = Foolin' Around
1992年・「ナイト・アンド・ザ・シティ」 = The Great Pretender
1993年・「ローデット・ウェポン」 = Love Kills

※Giorgio Moroder 関連の曲が流れる主な映画
1978年・「ミッドナイト・エクスプレス」
1980年・「アメリカン・ジゴロ」 = Call Me (Blondi)
1980年・「フォクシー・レディ」 = Fly Too High (Janis Ian) Foxes (Donna Summer) On The Radio (Donna Summer) 他
1982年・「キャット・ピープル」 = Putting Out The Fire : The Theme From Cat People (David Bowie)
1983年・「D.C.キャブ」 = The Dream (Irene Cara) Single Heart (DeBarge) 他
1983年・「フラッシュダンス」 = Flashdance ~ What A Feeling (Irene Cara) Lady Lady Lady (Joe Bean Esposito) 他
1983年・「スカーフェイス」 = Scarface (Push It to the Limit) (Paul Engemann) Rush Rush (Debbie Harry) 他
1984年・「メトロポリス」 =Love Kills (Freddie Mercury) Here She Comes (Bonnie Tyler) 他
1984年・「ネバーエンディング・ストーリー」 = The Never Ending Story (Limahl)
1984年・「エレクトリック・ドリームス」 = Together In The Electric Dreams (Georgio Moroder & Philip Oakey)

1986年・「トップガン」 = Danger Zone (Kenny Loggins) Take My Breath Away (Berlin) 他
1986年・「私立ガードマン 全員無責任」 = She's My Man (Sigue Sigue Sputnik)
1986年・「マネーピット」 = Rush Rush (Debbie Harry)
1986年・「クイックシルバー」 = Quicksilver Lightning (Roger Daltrey)
1987年・「オーバー・ザ・トップ」
1988年・「フェアー・ゲーム」
1988年・「ランボー3 怒りのアフガン」 = ♪He Ain't Heavy ...He's My Brother (Bill Medley)
1989年・「のるかそるか」



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スケバン刑事 - 80's Movie Hits ! -

2013-05-07 | 80's Movie Hits !

- 80's Movie Hits! - 目次はこちら

■楽園のDoor/南野陽子
from「スケバン刑事」(1987年・日)

監督=田中秀夫
主演=南野陽子 相楽ハル子 吉沢秋絵 伊武雅刀

 ナンノ(この呼称が通ずるのは世代高め?)は80年代後半に大活躍したアイドルの代表格。富士フィルムやグリコのCMでの笑顔は誰よりも輝いていた。あれで惚れた男子諸君もいたことだろう。ブレイクした頃、アイドルとしてはやや遅咲きだの何だの言われたけど、あの笑顔を見ればそんな声もどこへやら。85年のミス・マガジンに選ばれ、同年「恥ずかしすぎて」で歌手デビュー。そんな美少女がまさかアクションに出演するなど誰が考えていただろう。

 「スケバン刑事」は80年代にフジテレビ系で放送されていたアイドルアクションドラマ。つーかアクションと呼べる代物ではなかったが。和田慎二の原作は子供の頃に読んでいて、あのハードな雰囲気が何となく好きだったのだが、ドラマの方は原作とは全くかけ離れた内容で、シリーズが進むにつれてどんどん荒唐無稽になっていく。不良っぽさからは縁遠いイメージの斉藤由貴が、学生捜査官の主人公麻宮サキを演じたファーストシリーズは、どことなく悲壮感が漂って面白かったものだ。我らがナンノが二代目を襲名するセカンドシリーズは「スケバン刑事ll 少女鉄仮面伝説」。幼い頃から鉄仮面を付けられて育った高知県出身の少女・・・という設定が既に無理があるのだが、それでも強引に物語は進行するから、笑っちゃいながらも毎週見ていたなぁ。ビー玉お京(相良晴子)や矢島雪乃(吉沢秋絵)と共に戦う姿、素敵でした。ナンノの決め台詞は、当時「鬼龍院花子の生涯」で流行となった高知弁で、「おまんらゆるさんぜよ!」。桜の代紋がついたヨーヨーを武器に悪に立ち向かう。「頬に風が当たっちゅう・・・」や「何の因果かマッポの手先・・・」という台詞も最高。

 TV人気もあって製作された劇場版「スケバン刑事」。伊武雅刀(怪演!)扮する悪党は、不良男子学生を殺人マシーンに育てクーデターを企むという役柄。そこから逃げてきた杉本哲太を助けたサキは、「地獄城」で戦いを挑む。仲間二人や三代目サキ(浅香唯)と共に戦うクライマックス、ヨーヨーでヘリコプターを撃墜するという名場面?も楽しい。TV版とは違うおどろおどろしさが全編を包む。監督の田中秀夫氏は東映戦隊ものから監督のキャリアが始まった人。操られる男子学生たちの動きは、まるで怪人、はたまたゾンビ。エンディングで生還を果たしたナンノに観客が安心した後、主題歌「楽園のDoor」が聞こえてくる。来生たかお作、ミディアムテンポの哀愁漂うメロディー。後に来生氏によるセルフカバーもリリースされている。僕はナンノのシングル曲の中でもかなり好きな一曲。ナンノのサキにはもう会えないんだな、と残念に思った輩も多かったことだろう。

 ナンノは東映の看板女優の一人として銀幕を飾ることとなる。大和亜紀原作の「はいからさんが通る」「リンデンバウム 菩提樹」と主演作が87・88年と続いた。その後数本を経て92年、ファンには衝撃だった「寒椿」へ。僕は当時試写会のハガキを手にしたが、結局行けなかった。ファンとしては見てはいけないのでは・・・そんな思いがあったのだろうか(ウソウソ)。さて、東映に是非やって欲しいのは、「極道の妻たち」にナンノを出演させて「おまんらゆるさんぜよ!」を再びやってもらうことだな(笑)。それにしても「千年の恋 ひかる源氏物語」の朧月夜はよかった。

映画『スケバン刑事』 予告編


※南野陽子の歌が流れる主な映画
1987年・「スケバン刑事」 = 楽園のDoor 夜の東側
1987年・「はいからさんが通る」 = はいからさんが通る 雨のむこうがわ
1988年・「リンデンバウム 菩提樹」 = あなたを愛したい 天使のアーチェリー

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フットルース - 80's Movie Hits ! -(その4)

2013-04-28 | 80's Movie Hits !

- 80's Movie Hits! - 目次はこちら

「フットルース」の第4回(第1回第2回第3回)。今回はボニー・タイラー。

■Holding Out For The Hero/Bonnie Tyler
from「フットルース/Footloose」(1984年・米)

 ボニー・タイラーといえば”女ロッド・スチュワート”という表現がやたらとつきまとう。確かにハスキーな女性ヴォーカリストではあるが、初期はロック色はさほど強くなかった。80年代に彼女が成功したのは、孤高の名プロデューサー、ジム・スタインマンとの出会いによるものであろう。アルバム Faster Than The Speed Of The Light は、スタインマンの手による収録曲の数々が実にクオリティが高い。その中から大ヒットとなった Total Eclipse Of The Heart(愛の翳り) はドラマティックなバラードで、コーラスをまるで楽器の一つとして扱うスタインマンのアプローチが実に見事。かくいう僕も、この曲との出会いによってスタインマンの大ファンとなった。
Faster Than the Speed...

Bonnie Tyler - Total Eclipse of the Heart


 ボニー・タイラーはその後もスタインマンのプロデュースでアルバムを製作、また Making Love Out Of Nothing At All(渚の誓い) を始め、他のアーティストにスタインマンが提供した曲を歌い継ぐこととなる。

 そんなスタインマン作品でもあり、80年代のボニー・タイラーを代表するヒット曲が、この Holding Out For The Hero(ヒーロー) である。映画「フットルース」では主人公が不良たちとチキンレースをする場面に使われて、強い印象を残す。デジタルビートにシモンズのタムが重なり、スタインマン作品には欠かせない力強いピアノがそのリズムの上で弦を唸らせる。さらにぶ厚いコーラスワークが加わり、いかにも”らしい”アレンジである。

 しかし日本では「フットルース」の収録曲としてよりも、ドラマ「スクールウォーズ」の主題歌として朝倉未希がカヴァーしたことでお馴染みであろう。この曲を聴くと山下真司の顔とラグビー場面を思い出す方も多いと思う。2004年にその映画化「スクールウォーズ HERO」が製作されたが、ここでももちろんこの曲は使われている。こちらは大黒麻季がパワフルに歌う。

 ところでこの曲は「フットルース」公開当時に全米トップ10ヒットとなったのだけど、86年に全英チャートで2位の大ヒットとなっている。これはイギリスのテレビ番組でこの曲が使われた為で、アメリカン・フットボール番組のテーマ曲だったとか。なんか日本人にはうなずける話だが(笑)。

 実はこの曲には元ネタがある。ジム・スタインマンの唯一のソロアルバム Bad For Good の一曲 Stark Raving Love がそれだ。イントロに全く同じピアノのリフが流れる。この焼き直しが Holding Out For The Hero だったのだ。このアルバムはミートローフのアルバムとして製作される予定だったのが、彼との決別によってソロアルバムとして発表されたものである。その後90年代に再びミートローフとタッグを組んだ為、収録曲の多くが広く世に知られることとなったのだった。興味ある方は是非お聴きを。


名盤です。

Bonnie Tyler - Holding Out For A Hero (Official HD Video)


※Bonnie Tylerの歌が流れる80年代の主な映画
1984年・「フットルース」 = Holding Out For The Hero
1984年・「メトロポリス」 = Here She Comes
1986年・「処刑ライダー」 = Matter Of The Heart
1988年・「ショート・サーキット2 がんばれジョニー5」 = Holding Out For The Hero


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