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Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

汚れた英雄

2017-03-20 | 映画(や行)

■「汚れた英雄」(1982年・日本)

監督=角川春樹
主演=草刈正雄 レベッカ・ホールデン 木の実ナナ 浅野温子 勝野洋

角川映画はリアルタイム世代だし、
ローズマリー・バトラーの主題歌Riding Highは中学時代に吹奏楽で演奏したこともある。
だけど映画「汚れた英雄」は観たことなかった…。
公開からウン十年経って初めて観ました。

レース映画は難しい。
ヘルメットで顔は見えないし、車やバイクの動きだけでストーリーを語るのは困難。
角川春樹氏は監督にも挑み、いろいろやりたい放題。
ゼッケン見せないと順位がわかりにくい中まあ頑張ってるとは思うが、
ロン・ハワード監督の「ラッシュ プライドと友情」がいかに手堅く巧い撮り方してるかよくわかる。

でもねぇ…サーキットの興奮が伝わらない。
伊武雅刀のMCもっと聴きたいし、誰も腕も振り上げず声援も飛ばさない観衆には興ざめ。
ただバイク乗りには、うなづけるポイントはきっといっぱいあるんでしょうね。

主人公はインディペンデントのチームでレースに挑んでいる。
有名バイクメーカーのチームとは違って、とにかく金がない。
スポンサーを募るだけでなく、裕福な女性達をパトロンにしてレース資金を出資してもらっているのだ。
身体を売って金を得るレーサーだから、"汚れた"英雄なのですな。
しかし、角川監督の演出が1982年当時にカッコいいと思えるあらゆることを、
これでもかっ!と詰め込んだだけに、
今観ると歯が浮きそうな台詞や吹き出しそうな女性へのアプローチ、
それに草刈正雄の鍛え上げられた背中と尻が満載。
だから単なるプレイボーイにしか見えないのが残念なところ。

大ヒットした主題歌は全部で3、4回流れるけど、
あのアドレナリン分泌を促しそうな曲が、
コンクリート打ちっ放しのおサレな部屋でペリエにライムを絞るだけの場面に使うのはいかがなものか(笑)。

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誘惑のアフロディーテ

2015-04-06 | 映画(や行)

■「誘惑のアフロディーテ/Mighty Aphrodite」(1995年・アメリカ)

●1995年・アカデミー賞 助演女優賞
●1995年・ゴールデングローブ賞 助演女優賞
●1995年・NY批評家協会賞 助演女優賞

監督=ウディ・アレン
主演=ウディ・アレン ミラ・ソルビーノ ヘレナ・ボナム・カーター マイケル・ラパポート

 世の中、知りたくてしかたないこともある。知らなくていいこともある。でもその好奇心が思いがけない出会いをもたらし、人生にいたずらをもたらしてくれる。時におもしろ可笑しく、時にシリアスに、時に皮肉たっぷりに男と女について考えさせてくれるウディ・アレン先生。この「誘惑のアフロディーテ」は、そのバランスが実に見事。妻が養子をとりたい、と言い出したことに最初は渋っていた主人公レニー。だが養子にした息子がとても優秀だと感じ、その母親がどんな人物だか興味が日に日に高まっていった。いろいろ探っていくうちに、母親たる人物は元ポルノ女優の娼婦リンダだと知ることになる。レニーは彼女がまっとうな人生を送れるように世話を焼き初め、一方で妻との間では離婚の危機が・・・。

 アレン作品では、舞台劇風な演出で物語の語り部が登場したり、主人公にアドバイスをする不思議な存在がよく登場する。最近なら「ローマでアモーレ」のアレック・ボールドウィン、古くは「ボギー、俺も男だ!」のハンフリー・ボガード風な人物。「誘惑のアフロディーテ」ではギリシア悲劇オディプス王の物語を演ずる人々(F・マーリー・エイブラハムが怪演)が、リンダに深入りするなと何度も忠告する。この客観的な視点が加わることで、観ている僕らには事態が悪くならないのか?この先いったいどうなるのか?という不安と期待が高まってくる。主人公レニーがリンダを娼婦をやめさせてまっとうな暮らしを送れるように奔走する姿は、まさにギリシア神話に出てくるピグマリオン。「マイ・フェア・レディ」や「プリティ・ウーマン」に形を変えて今も語り継がれる物語が、ここでもしっかりと継承されている楽しさ。ギリシア悲劇という高尚な題材を加えつつも、映画の中で飛び交うのは極めつけのエロ話。このギャップがたまらなく面白い。そしてオスカーを受賞したミラ・ソルビーノの強烈なキャラクター。アレン先生の女優を輝かせる手管はどの作品でも素晴らしい。そしてラストシーンの何とも言えない切なさ。この結末が、クライマックスまで暴走気味だったこの映画のストーリー見事に着地させてしんみりさせてくれる。

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許されざる者

2013-10-21 | 映画(や行)

■「許されざる者」(2013年・日本)

●2013年日本アカデミー賞 最優秀撮影賞・最優秀照明賞

監督=李相日(イ・サンイル)
主演=渡辺謙 柄本明 柳楽優弥 忽那汐里 佐藤浩市

 「悪人」「フラガール」の李相日監督が、クリント・イーストウッドのオスカー受賞作を同じ年の日本に舞台を移して翻案したリメイク作品。正直言うと、イーストウッドの「許されざる者」はそれ程好きな映画ではない。廃れゆく西部劇の伝統を守った作品であることはよしとしても、登場人物の描かれ方にどうも他のイーストウッド作品と違って説得力を感じなかったからだ。若造の言い出した儲け話に、経験も知恵もある年寄りガンマンが加わる流れに納得がいかなかった。娼婦に悪いことをしたヤツと悪徳保安官はやっつけられました・・・星条旗はためく下で成し遂げられた勧善懲悪。"許されざる者"はやっつけられた人たちだったのだ、と言うにはなんかすっきりしない幕切れにどうも納得いかずにいたのだ。それを日本を舞台にリメイク。正直どうなるのだろう・・・と思いながら鑑賞した。

 善と悪の境目は実は非常に曖昧だったりする。悪人にだって善人の顔がある。でも2時間という映画の世界では善悪はっきり境界線を引いて描かれるのが常だ。李監督は開拓時代の北海道に舞台を移しただけでなく、登場人物の設定やストーリーの運び方についても巧みな改変を加えている。そして役者たちの見事な演技で完成された映画。オリジナル版で感じられなかった説得力が僕には感じられた。ちょうどこの「許されざる者」を観る直前に、僕は今村昌平監督の「復讐するは我にあり」を観ていた。映画序盤の殺人は千枚通しでメッタ刺しにする場面だ。緒方拳が農地の隅で何度も何度も鋭い先端を振り下ろす。「許されざる者」の冒頭は、渡辺謙演じる十兵衛が追っ手を木の枝で刺し殺す。同じような場面のはずなのに印象がまったく違う。十兵衛のそれは過去を断ち切り、生きるための決死の行為。もちろん決して肯定されるべきものではないが、倒幕の混乱の中で多くの人を殺めてしまい、人から恐れられた"十兵衛"から逃れることである。冒頭のこの緊迫感で一気に心がつかまれた。十兵衛が賞金稼ぎに再び刀を手にするまでの流れは、オリジナル版で最も合点がいかなかった部分。旧知の仲である金吾からの誘いとして、若い賞金稼ぎをアイヌの血を引く若者にしたことは、物語を一層深いものにしている。

 緊張感に満ちた2時間。この映画には誰も善人と呼べる人がいないことに気付く。町を牛耳る警察署長、娼婦の顔に傷を付けた男たち、命を奪われるまでではなかったが賞金で彼らを殺させようとする娼婦たち、それに群がる賞金稼ぎ、強き側の腰巾着となる小説家、アイヌの人々を虐げる和人たち。主人公十兵衛もすべてを成し遂げた後、誰に感謝されるでもなく「地獄で待ってろ」と言い残して町を去る。オリジナル版とは違って、彼の行く先に平穏はない。雪と氷が積もった荒野があるだけ。生きていくことは厳しいこと。何が善で何が悪なのか、何が許されて何が許されないことなのか。

 決して明るい気持にさせてくれる映画ではない。しかし、僕らが普段考えている正義ってなんだろう、と心にひっかかるものを残す映画であることは間違いない。それは僕らが日々を生きていく中で忘れがちなこと。一歩引いたところから他人の人生を見つめることができる、映画鑑賞という時間だからこそなせること。こういう映画を敬遠せずに観ることは大切なことだ。それは人生をより深くする。・・・ここまで書いて僕はふと気付いた。この感想って、昨今のイーストウッド監督作品を観て思う感慨そのものではないか。あの頃納得がいかなかったオリジナルの「許されざる者」、今観ると昔とは違った味わいを感じるのかもしれない。

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欲望のあいまいな対象

2013-05-15 | 映画(や行)

■「欲望のあいまいな対象/Cet Odscur Objet Du Desir」(1977年・フランス=スペイン)

監督=ルイス・ブニュエル
主演=フェルナンド・レイ キャロル・ブーケ アンヘラ・モリーナ

 男にとって不可解な生き物である女性。しかし、男は女に惹かれずにはいられない。メイドとして務めていた若い女にのめり込んでしまったフェルナンド・レイ扮する初老男が、彼女に振り回される様を描く。ルイス・ブニュエル監督の遺作となったフィルム。「ブルジョアジーの密かな愉しみ」では頭を抱えてしまった僕だが、これは快作!気に入った。コンパートメントで主人公によって語られるお話は、同じ事を繰り返しているだけなのだけど、ブニュエルの魔法でこれが不思議な魅力が出てくるんだよね。これに財産目当ての殺しが絡んでくると、「暗くなるまでこの恋を」的な男女の腐れ縁話になるのだろうけど。

 年取って女に狂うと大変とはよく言うけれど、やはりそうなのかなぁ。主人公の狂気じみた愛情はとどまるところを知らず、ヨーロッパ各地へ彼女を追いかける。じらしにじらされる彼の苦悩はおかしくもあり、あわれでもあり、男としては同情したり(笑)。征服欲、所有欲・・・やはり男は情けないくらいに煩悩の固まりだ。されど、そんな男たちの姿を銀幕で眺め、我が身を振り返るのことができるのも映画のおかげ。ありがたや、ありがたや。

 ピエール・ルイスの原作はマレーネ・ディートリッヒやブリジッド・バルドー主演で、今まで何度も映画化されたものらしい。昔の歌謡曲に 追いかければ逃ーげていく あなたは罪な人ーね~(♪射手座の女) ってのがあったけど(失礼)、誘ったかと思えば離れていく、”あいまいな”女性の二面性を表現するために、ブニュエルは映画史上例のない二人一役という手法を用いた。”処女性”を演ずるのはこれがデビュー作となったキャロル・ブーケ。スレンダーでクールな側面を演ずる。一方”娼婦性”を演ずるのが、肉感的なスペイン女優アンヘラ・モリーナ。どちらも好演。そもそもはマリア・シュナイダー一人で演ずる予定だったらしいんだけど、この手法に変更したそうな。これには賛否あるところだろうけど、僕は納得します。

(2002年筆)



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ヤコブへの手紙

2012-01-03 | 映画(や行)

■「ヤコブへの手紙/Postia Pappi Jaakobille」(2009年・フィンランド)

監督=クラウス・ハロ
主演=カーリナ・ハザード ヘイッキ・ノウシアイネン ユッカ・ケイノネン

北九州映画サークル協議会の例会で鑑賞。北欧の映画を映画館で観る機会って、北九州じゃなかなかないからありがたい。75分という短い上映時間、実質的な登場人物は盲目のヤコブ牧師と元女囚レイラ、それに郵便配達人のほぼ3人だけ。予算もあってのことかもしれないが、このシンプルさが余計なエピソードを挟まないだけテーマを貫く上ではよかったと思われる。

殺人で刑期を務めていたレイラは、恩赦の申請があったことで釈放されることになった。牧師ヤコブの助手を住み込みでする仕事を勧められる。ヤコブ牧師は盲目の老人で、彼宛に届く手紙を音読するのが彼女の役割だった。単調な日々と盲人の相手に嫌気がさした彼女だが、手紙が途切れてしまったことで落ち込む牧師の姿に次第に心に変化が起きる・・・。

自分の役割とは何なのか。誰かの役に立っているのか。牧師は手紙で依頼のあった誰かの為に祈るというだけの役割。だが、その手紙が途切れたことで自己存在が自分の中で危うくなってくる。つまり、自分自身も誰かに役に立つことで救われていたことに気づかされる。そして手紙、と称してレイラが自分について語り始める。そして牧師から彼女が耳にする真実。その結末が描かれるクライマックスは、お互いにとってまさに魂の救済とも言える静かな場面。現実世界をしばしの間忘れさせてくれ、見終わった後は少し優しく人を見ることができるような気がする。そんな映画。



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40歳の童貞男

2008-06-06 | 映画(や行)
The 40 Years-old Virgin 2005年・アメリカ
監督=ジャド・アパトゥ
主演=スティーブ・カレル キャスリン・キーナー ポール・ラッド

 高校時代に「グローイングアップ」とかロストバージン”性春映画”に友達とキャアキャア言ってたもんだ。だが、あれから20数年経って中年男のロストバージン映画を観るなんて・・・想像もしなかった。

 男しかわからんやろ!とツッコミ入れたくなるようなギャグの連発…。オープニングのトイレの場面(経験あるよね)やら避妊具装着がうまくいかない場面…家で深夜に観たのも忘れて声に出して笑ってしまった。職場の同僚が生々しい話をする場面は、純情な僕にはよくわかんないでぇーす(カマトト)。それにしても、男を動かす(行動させる)原動力は、やはり性なのだ…。

 お上品な映画ではないけれど、根底には人を愛する気持ちがあふれていて好感。それも主人公のお人好しなキャラが印象をよくしている。場面によっては¨したい¨ばかりの目が血走ていそうな行動もとるが、基本的に女性に優しいし。フィギュアのコレクションで喧嘩したり子供っぽいところも、笑わせてくれる。日本の「電車男」もそうだけど、どちらも設定は特殊な人々の物語なんだけど、実はピュアな恋愛を描いている。そこが受入れられている理由なんだろうな。

 部屋に張ってあるポスターがエイジアだったりするのだが、アメリカにおいてもプログレ系バンド好きってヲタ的要素があるのかな(偏見?)。クライマックスで Heat of the moment が流れたのは嬉しかったぁ。

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善き人のためのソナタ

2007-08-31 | 映画(や行)


 大学4年の冬。熊本市立図書館で未公開のドイツ映画を上映するイベントがあった。東西分断を題材にした悲劇をシリアスに扱ったもの、国が優先で国民は後回しである社会主義国の対応を皮肉ったもの。僕は見知らぬ国の現実に、それまで閉じていた目を開かされたような気がした。その後にヴィム・ヴェンダースを観ることもあり、ドイツ映画を含めたヨーロッパ映画にただならぬ興味を抱いていた。だから同じ東ドイツが舞台である「グッバイ、レーニン」も、チェコの現実を描いた「ダーク・ブルー」も大好き。

 「善き人のためのソナタ」は、1984年の東ドイツが舞台。ある舞台作家を監視することを命じられた国家保安省シュタージに属する主人公ヴィースラー大尉。冒頭に彼が尋問のノウハウを学生に講義する場面。彼が使命の全うする為に冷酷になれる人物だと観客に印象づける。尋問される人の座席に敷いた布で犬用の匂いを採取する。非人道的な尋問の手順。そんな彼が命じられるのが、ある劇作家の監視。だがヘッドフォン越しに聴いた音楽や芸術の会話が彼を変えていく・・・。その劇的な変化がこの冒頭によって増幅されていく。

 僕はこの映画を、もっと政治色の強い、暗くて小難しい映画だと思っていた。だが、この映画は人間をしっかりと見据えた心に響く人間ドラマ。主人公の心情が変化していく様や劇作家の葛藤を、この映画は台詞にまったく頼らずに描いていく。「映画は映像で語るもの」とは淀川長治センセイのお言葉だが、久しぶりにそう思える映画に巡り会えた。まだ30代の若い監督だと聞いたが、実に緻密に描写された映画。監視している側のヴィースラー大尉が、わざと玄関のベルを鳴らして、恋人の裏切りを知らせようとしたり、劇作家の部屋から本を持ち去ったり。そんないたずらのような行動は、やがて監視していた劇作家を、いや”芸術を愛する自由”を守ろうとする行動へと変わっていく。

 国家が芸術家たちの活動を支える社会主義国故の苦しみ。劇作家は自由な表現を封じられ、女優は大臣に関係を強要される。彼らを見張る国家権力の恐さ。舞台を1984年にしているのは、監視社会の恐さを描いたオーウェルの「1984」が念頭にあるのだろうか。

 観てから数日経つというのに、僕はまだ余韻に浸っている。本当にいい映画は、素敵なラストシーンをもつ。言葉少ないこの映画のラストも、きっと観た人の心に永く残ることだろう。


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誘惑の恋人たち

2006-07-24 | 映画(や行)


◼️「誘惑の恋人たち/FaHarbor」(1996年・アメリカ)

監督=ジョン・ハドルス
主演=ジム・トゥルー・フロスト ジェニファー・コネリー エドワード・アタートン

別荘で一緒に過ごそうと集まった8人の男女をめぐる群像劇。この映画以外に目立った作品がないジョン・ハドルス監督は、製作・脚本も手がけている。8人以外に登場人物はなく、舞台劇のような雰囲気の映画である。そのためか私小説のようにも感じられる。

登場人物の一人に落ち込み気味の映画監督が出てくるが、もしかしたら自分自身の投影なのかなと思ってみたりする。もしかしたら、実在の誰かへのラブレターなのかもしれない。ジェニファー・コネリー演ずるエリーと映画監督君との会話や展開・・・おそらく監督自身はたいへんな思い入れを持った物語なんだろうけど、観ているこっち側にはどうも響かない。エリーが、その映画監督のために自分のシナリオを書き換えるラスト。自分への愛情を知った彼女の行動なんだろうけど、どうも観ていてしっくりこない。ジェニファーのファンでも最後まで観るのには気力がいる映画ですな。

「いちげんさん」で鈴木保奈美の相手役を演じたエドワード・アタートン、「スペース・カウボーイ」でNASAの女性職員を演じたマーシャ・ゲイ・ハーデンも出演。それにしても・・何じゃ、この邦題。


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夢のチョコレート工場

2005-11-07 | 映画(や行)


◼️「夢のチョコレート工場/Willy Wonka & the Chocolate Factory」(1971年・アメリカ)

監督=メル・スチュワート
主演=ジーン・ワイルダー ピーター・オストラム ジャック・アルバートソン

チャーリーとチョコレート工場」の原作、最初の映画化がこちら。おもちゃ箱をひっくり返したようなティム・バートン版と比べると、どことなくダークな雰囲気が漂う本作。ウィリー・ウォンカ氏はマッド・サイエンティストのように描かれているのが特徴だろう。おまけにウォンカの工場は「誰も入れないし、誰も出られない」と言われるなんて・・・まるで怪奇の館だ。

ウンパ・ルンパもティ・バートン版の底抜けの明るさとは違い、ちと不気味。そうだな、例えて言うならば、鼻の折れた天狗の面を被った子供達。こっちのウンパ・ルンパは夢に出たらうなされそう。あんまり比較してはいけないけれど、ティム・バートン版が現代SFXの技術があってこその作品だということも再認識させられる。クルミを割るリスは、金の卵を産むニワトリに変えられているし、どピンク色のキャンディーの船も出てはこない。

この映画が面白いのは、ミュージカル仕立てになっているところ。お母さんが歌うなんて、お菓子屋さんが歌うなんて思いもしなかった。ウンパ・ルンパの歌は1パターンのみだけど、その独特の暗さは一度みたら忘れられないはず。何もかもが増幅されたティム・バートン版を観た後だと、やや物足りなさも感ずるが、この映画のなんだか怖い雰囲気はきっとあなたの記憶に残るはず。是非ご覧を。






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