忘却への扉

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にがい薬に

2009-03-13 | 追憶
 薬はにがくて当然だ。子供の頃そう思っていた。よほどなければ病院には行かず、切り傷はヨモギなど野草の汁やクチナシの花粉。打ち身や捻挫は小麦粉を練り布か紙に塗り、太く腫れたところに貼っていた。シップ薬の代わりにだろうか。
 ガマの油か赤チンも塗った。その時擦ると、傷などに薬がしみるが、傷の痛さに比べると大したことはない。
 風邪とか頭痛や腹痛は、ひどい咳や熱で顔が真っ赤になったり我慢できず「痛い」と言えば越中富山の置き薬を飲んだ。にがい薬がほとんどで、しかも粉薬。「飲んだら治るから」祖母や母の言葉を信じて自分で飲んだ。注射は痛いが、針を刺し薬液が注入するのを黙って見ていた。
 小3の孫は最近まで注射の時に、「嫌だ嫌だ」と大暴れして泣いた。5歳下の従兄弟が病院が好きで泣かないと知り、やっと諦めた。
 だが病院嫌いは治らない。粉薬はもっとイヤ。どうせ飲むのに「にがい、苦い」で大騒ぎと時間稼ぎを繰り返す知能犯。
 今朝は学校を欠席し昨日の病院に行く予定で、朝食を済ませた薬の時間。「にがいから嫌だ~」ジュースにお菓子を条件に粘る。
 飲ませ役をやっと果たした私、まだ「にがい、苦い」と言う孫を見て疑問に思い残った薬を舐めてみた。甘い!砂糖に近い味‥やっぱり。