羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

七夕のなみだ

2012年07月05日 | Weblog
「風待文庫」店主kazeさんが七夕に来ませんか?と言ってくれた。
七夕、、、わたしは決まって思い出す光景がある。
それは長女のつらく長い闘病のスタートの頃だった。
今から20年くらい前。わたしは泣いてばかりいる母親だったけれど
娘の前ではけして泣かないと決めていた。
K医大病院から帰る夜道、自転車をこぎながら橋を渡った。
二人の兄妹がお腹をすかせて待っている。
滲んだ涙も初夏の風が乾かしてくれた。

小児病棟の七夕はそれはそれは切ない願いに満ちていた。

それでも「短冊を書いてね」と色紙を渡された日、
長男は「ドラゴンボール(のまんが?)が欲しい」と現実的。
ようやく字を覚え始めた幼い次女はひとこと大きな字で
「りんご」と書いてみんなを笑わせてくれた。
かんじんの長女が何を書いたのか覚えていない。


そしていま、
グループホームには笹の葉が飾ってあった。
お年寄りたちは何を願うのか。。。
再び切ない七夕飾りをわたしは見るのだろうか。
でもほとんどベッド上で過ごしていた母が車椅子に乗っている。
車椅子を押してくれるスタッフの笑顔に救われた。