節分、立春と、どんどん春に向かって動き出していくことを感じる季節。恵方巻きは商戦に乗り、年々豪華なものが登場する。普通の太巻きなら自分で作るが、マグロやうなぎその他贅沢な魚が入ると、買った方が安くつくかもしれない。
そういえば、小さい頃、遠足に太巻きを作ってもらった。おにぎりより嬉しくて、豪華な気がした。いなり寿司とセットになると、それはもう嬉しかったものだ。しかし、今は、太巻きといなり寿司のセットは「助六寿司」と、言われて販売されている。ごちそうだったものが、今ではコンビニでも売られている普通の食となった。
この太巻きといなり寿司のセットを「助六寿司」と、なぜ呼ぶかというと、歌舞伎十八番「助六由縁江戸桜」の主人公、助六の愛人の名前が揚巻であることから、油揚げと巻き寿司の洒落からつけられたそうだ。助六と言えば市川團十郎さん。
今朝のニュースで知った、市川團十郎さんが亡くなったことは残念だ。勘三郎さんに引き続き、歌舞伎界は訃報が続いた。いつか歌舞伎を観に行きたいと思っていたので、まだまだ活躍してほしい方々の死は残念だ。が、なんとしても、その芸を引き継いでもらいたい。TVでは團十郎さんの助六が観られなくなったことを嘆く人が多い。寿司と一緒にしてはいけないが、それだけ皆に愛されていたのだと思う。