(前回からの続き)
ということで、現在の基軸通貨(国際決済通貨つまり「石油交換券」)であるドル、およびドルにペッグ(裏打ち)させている人民元などの(おもに新興国の)通貨がインフレで信認を落とすことで、これに代わって金(ゴールド)の現物・・・とか仮想通貨「ビットコイン」などが各種の決済で使われる機会や額が飛躍的に増えるでしょう・・・が、その扱いづらさなどから、やはりそれらとの両替が可能な既存の通貨の併用等をしていくしかなさそうです・・・
・・・などと考えると、いつもの結論ですが、何気なく使っている、わたしたちの通貨「円」が、金やビットコインなどに対しても相当程度、強い通貨(減価率が小さい通貨)であることがいかに重要か、ということが分かってきます。おそらく上記のような世界になったら、金塊とか仮想通貨を多く持っている国、たとえば中国(?)が、突如、巨大なマネー力を持った国家として立ち上がるおそれ(?)が出てきます。もちろんアメリカだって、真偽のほどは別にしても公的な金準備を8千トン以上も保有しているわけです。これに対して日本は金もビットコインもたいして持っていません。そのままだと、上記のように金を持つ量がモノをいう世界に移行したとき、わが国は「金大国」に何もかも奪われて(買い取られて)しまうおそれが・・・
・・・って、大丈夫です、円は強いから。つまり・・・金やビットコインの価格上昇に、既存の通貨のなかでは、ほとんど円のみがこれについていけるくらいに価値を維持するため、日本はたとえ金を持っていなくてもやっていける、といったこと。こうして円は信認と使い勝手の良さを保って国際通貨としての地位をいっそう高めるとともに、日本の円建て資産(日本国債や優良企業の社債や株式など)の価値も金などと平行して上昇するから、そうやすやすと外資ごときにM&Aされることはない・・・どころか、そのときこそ逆にわたしたちが強い円の購買力で世界中の優良資産を手にするべきチャンスのはずです(・・・っても、日本国債以上に実質利回りの大きな外国の企業等は、ホントごくわずかでしょうが・・・)。
細かなところはともかく、いまのマネーの世界は、だいたい上記のとおり、過去と同様(?)、インフレ制御に失敗するコースをたどっているように思われます(?)。なので、これには、これまた歴史が教えるように金、それも実物の金で備えることが望ましい・・・のでしょうが、上記のように自分たちの通貨(円)の価値を高めるほうがよほど大切で、それには、これを損ねる金以外の外貨全般への投資を手控えることが、とくにいまの局面では重要な気がします。