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【大銀行移転見込みで反対派優位?】スコットランド独立!?であぶり出された大銀行の危険な政府依存体質②

2014-09-17 00:04:09 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 一時は世論調査で独立支持派の割合が反対派のそれを上回り、ひょっとしたら本当に?と思われたスコットランドの独立ですが、ここへきてどうやらその後の「英国」サイドの巻き返しが功を奏し?僅差ではあるものの独立反対派がリードしているような感じです。まあ明日、実際に投開票をしてみないと結果はどうなるかは分かりませんが・・・。

 で、この独立反対派に力を与えたことのひとつがスコットランドに本拠を置く金融機関の動向です。先述のように、スコットランド最大手で同地生まれのロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)と、これまた英国大手行のロイズ・バンキング・グループ(ロイズ)の両行はスコットランドが独立したらエディンバラ(スコットランドの「首都」)から英国への移転を検討していると報じられています。これによって多くの人々は、現実的に考えるとやっぱり独立はリスキーだ・・・と感じ始めたでしょう。もっとも独立派の旗手・スコットランド国民党のサモンド党首は、このような銀行の動きは政治的な策略であり、営業や雇用には影響はないと述べたそうですが・・・。

 個人的には、かりにスコットランドが独立を選んだ場合、これらの銀行が「国外」に去ることは、スコットランドにとってはけっして悪いことではないと考えています。理由は前回書いたように、RBSそしてロイズから英国に移れば、スコットランドは両行に対する財政資金によるサポートの義務から解放されるからです(ちなみにRBSもロイズも「Too Big to Fail」[大きすぎてつぶせない銀行]です)。

 RBSとロイズ―――両行ともども多額の不良債権を抱え、「英国」政府の支援のもと、経営再建に取り組んでいるところですが、そのプロセスは順調とは言えません。先日のブルームバーグの報道によれば、両行が欧州中央銀行(ECB)の資産査定の対象となればともに不合格になりそうだ、とのこと。とりわけRBSの財務内容はよろしくないらしく、このECB審査の結果、欧州の銀行で160億ユーロ(2.2兆円あまり)の資本不足が判明する可能性があるが、その大半がRBS(!)に集中しているとのことです・・・。これらの情報から判断すると、やはり独立スコットランドにとってはRBS等に「英国」に行っていただいた方が―――すがりつく先を英国政府にしていただいた方が望ましいのではないかと・・・。

 一方、両行を迎え入れる立場の英国・・・。スコットランドが独立しようがしまいが、どのみち両行を支援しなければならないわけですが・・・。

続く

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