(前回からの続き)
多くの自国民に「ヘル朝鮮」(「ヘル(hell:地獄)のように生きづらい」国の意)と自嘲気味に表現されてしまう国・韓国ですが・・・その経済状況はいま、どんな具合なのでしょうか。
上のグラフは2012年、つまりアベノミクス開始前年から昨年2018年までの日本と韓国の一人当たりGDPの推移を見たものです(2018年値は想定値、出典「世界経済のネタ帳」)。これによれば韓国は2015、16年こそ前年比でわずかながら減少しましたが、この間、GDPはおおむねプラスで推移し、2018年(32,046ドル)までの通算の経済成長率は32%ほどと、この点に限れば良好だったとはいえそうです。
これに対してアベノミクス日本は・・・上記、韓国とは真逆で、この6年間で17%もの「マイナス」成長(2012年:48,169ドル→2018年40,106ドル)を達成(?)しました、本ブログで何度もシツコク指摘しているように過度の円安誘導のせいで。韓国との差も接近しており、このままアベノミクスが続けばあと数年で日本は同国に抜かれるでしょう(?)。個人的にはこの一人当たりのGDP値、アベノミクス日本は韓国に追い越された方がよい、とすら思っています。そうなればさすがに、アベノミクスって何かヘンじゃない?って感じる日本人がちょっとは(?)増えるんじゃないかな、と期待するためです(って、これだけ日本中で円安万歳三唱しているから、自信はありませんが)・・・
ちなみに、安倍政権が「最悪」と評する(?)旧民主党が政権党であった2012年が、わが国のGDPが史上最高値をつけた年になっています。このことは世界が認めるしかありません・・・って、当たり前ですが皆さんは各国GDPをドル換算額で比較するから。で、もし2012年値が「最悪」で、そこから2割もGDPが転落したアベノミクス下のいまが「最高」(?)というのならば、やはりアベノミクス各位、そしてこれを支持するメディアや経済学会は「異次元」感覚、正確には数の大小の感覚が逆―――プラス成長がNGでマイナス成長がOK―――なのだろうな、と解釈してしまうわけですが・・・
・・・って、アベノミクスのそんな異次元ぶりに言及するとついつい話がそれてしまいます。韓国に話を戻すと・・・同国マクロ経済はこのように、アベノミクス日本と違って順調そうに見えるわけです。ではどうしてそれでも「ヘル朝鮮」なのでしょうか。このあたり、いろいろな理由が考えられると思いますが、韓国の経済成長の方向性、ようするに「開発独裁の下、輸出振興で経済を発展させよう」といったあたりに根本的な原因があるような気がしています。