(前回からの続き)
以上、2007年7月からの5年間の金(ゴールド)、円預貯金、外貨、株式(日経平均、米ダウ平均)の価格推移と投資対象としてのパフォーマンスを概観してきました。
この間、名だたるファンドマネージャーが難解な金融工学を駆使して?取り組んだはずの外貨や外債や株式の運用実績は、おそらく多くの場合、「買ったら忘れる」(金[ゴールド])とか「預けたら忘れる」(円預貯金)といった呑気な?投資スタイルを選んだ人の運用実績にまったく敵わなかったことでしょう。
さて、わたしたちの大事な資産運用に関して重要なのは、これらの価格が今後どうなっていくのか、ということ。
このあたりの鍵となりそうなのが主要中央銀行のこれからの金融政策だと思っています。中でもとりわけ大きな影響を世界経済や資産価格動向に与えそうなのが米連邦準備制度理事会(FRB:アメリカの中央銀行)のQE3(Quantitative Easing:量的緩和第3弾)。これが発動されればFRBは、米国債はいうに及ばずリスキーな?不動産担保証券(MBS)まで買い入れて大量のドルを市場に供給するといわれています。
そうなればどうなるのか。リスク資産、つまり金(ゴールド)や株式などの価格が上昇することでしょう。巨額の緩和マネーがこれらの価格を押し上げるとともに、QE3によって低金利政策の一層の延長が示されると考えられるためです。
ここで金をリスク資産に分類することには違和感がありますが、ユーロが売られてドルが買われている現在、金は金融マーケットからそのように位置付けられているようです。近い将来、ドルのほうがリスク資産に転化し、一方で金が究極の安全資産となって世界中のマネーを引き寄せるだろうと推測しているのですが・・・。
なお、そんな金価格の予想は先般「リスクオフ深刻化のプロセスと金(ゴールド)との関係① ② ③ ④ ⑤」に書きましたのでここでは省略し、次回以降は株価、外貨投資、預貯金に関する私的な見方を書いてみたいと思います。
(続く)