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リスクオフ深刻化のプロセスと金(ゴールド)との関係④

2012-07-25 00:02:02 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 リスクオフ最終形:「金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」に至るプロセスを「第一、二、三段階」として、それぞれの段階ごとに各通貨の強さの序列がどのように変化していくのかなどについて、私見を述べて行きます。そしていよいよ第三段階へ。

○第三段階【リスクオフ最終形】:金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨
 欧米諸国が金融恐慌と激しい景気後退に見舞われるとともに、ユーロ瓦解やドル危機などを契機に、もしかしたら新しい通貨管理システム(?)が模索されるようなステージです。

 わが国では円独歩高(外貨全面安)のなかで円高悪玉論が一層高まり、「円高阻止!」の大合唱のもと、政府・日銀によるさらなる量的緩和や円売り外貨買い為替介入などの金融政策が立て続けに実施されるでしょう。一部政治家などが主張する日銀による外債購入などの策も実行されるかもしれません。

 この時点になると、日銀のインフレ目標も現行の1%から2%よりも高いところに上方修正され、日銀のさらなるマネー増刷で実質的なマイナス金利状態がもたらされる可能性もあります。そうなれば世界最強の通貨・円すらも、他の通貨と同じように、受け取ったその瞬間から価値を喪失していく通貨に堕ちてしまいます。そして金融緩和をし過ぎた欧米諸国や新興国と同様、わが国でも物価高がジワジワと進行するでしょう(欧米諸国や新興国に比べればずっとマシな水準だとは思いますが・・・)。

 その結果、わが国でもインフレヘッジの必要性が高まり、新興国や欧米諸国に若干遅れて本格的な金ブームが到来するものと考えています。そして「第二段階」では1グラム4000円台のレンジを上下していた円建て金価格は「金>円」へと、明らかな上昇軌道を描くようになるとみています。この「第三段階」でのいずれかの時点で、円建ての金価格は1980年1月に記録した史上最高額1グラム6495円を超えていく可能性もあり得ると予想しています。

 この間、アメリカおよび欧州諸国は、金融システムの機能不全がもたらす金融恐慌と通貨大増刷にともなう激しい物価高、一方では低迷する不動産価格に代表される深刻な資産デフレ、さらには緊縮財政等がもたらす厳しい景気後退にあえぐことでしょう。一方、上昇が止まらない失業率や拡大するばかりの資産・所得格差に対する市民の不満感がますます高まり、「ウォール街占拠運動」のようなデモやスト、暴動や騒乱の嵐が吹き荒れ、市民生活の安定が脅かされます。

 これらに加えてユーロ圏では、一部諸国のユーロ離脱などを受けて、ユーロ解体が現実味を帯びることになります。さらに各国の他国に対する感情も悪化し、経済的な繁栄とともに統一欧州の理念までもが失われていくのではないでしょうか。

(続く)

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