(前回からの続き)
以上をまとめて、私が個人的にベストと考えるリスクオフの今後数年間の資産ポートフォリオは下記のようなものです(保険等は除く)。投資等のご判断は自己責任でお願いいたします。
【円の預貯金】:50%
これからも円は主要通貨のなかで価値保全力が最も高い通貨であり続けるでしょう。見た目の金利は低いですが、わが国では今後もきわめて低い物価上昇率(あるいは緩やかなデフレ)が継続すると考えられるので、円預貯金の実質の利回りはプラスとなるものと予想しています。日ごろの資金繰りなども考慮に入れれば、円の預貯金の全金融資産に占める割合は50%程度がよろしいかと思います(参考までに日本の家計の現金預金の同割合は56.5%[2011年末時点:日銀データ]となっています)。
【金(ゴールド)】:30~40%
金融危機が本番を迎えるこれからの時代のポートフォリオに金(ゴールド)は欠かせないと考えています。この瞬間にも(ユーロやドルの崩落を見越して?)中国やインド、ロシアなどの新興国が金準備を着々と積み増しているものと推測されます。個人投資家にとっても、欧米諸国の金融緩和の副作用=金利急騰・インフレ等に備える意味で、世界共通通貨としての金の所有が推奨されると思っています。
【日本株式】:10~20%
株価はここしばらく停滞すると思いますが、政府による大規模な内需振興政策のもとで各企業の業績が向上し、建設・土木などの内需関連株を中心に株価が上昇していくものと期待しています。そもそもわが国は不動産バブル時代の不良債権処理をほぼ終えており、各企業の財務は相当に筋肉質になっています。手元資金も豊富です。そのため、ひとたび内需主導の景気回復が確認されれば、わが国企業が本来持っている高い技術力や創造力などが市場から正当に評価されるときが来るものと信じています。
【外貨預金・外債・外国株式】:0%
リスクオフのこの時期に限れば、日本人が敢えてこれらをポートフォリオに組み入れる必要は無いと感じます。外貨の見た目の利回りの高さなどに惑わされないようにすべきと思います。円のリスクヘッジとして外貨保有を考えるのであれば、円よりも強い外貨を選択しなければ意味がありません。リスクオフ不等式「金>円>ドル>ユーロ」のとおり、つまりドルでもユーロでもなく、金(ゴールド)を持てばそれでいいということになります。
(続く)