Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

103系にクローズアップ

2023-01-27 23:12:13 | 交通
東急8500系が遂に全車退役しました。永遠に残りそうな感じでしたが、本当に消えました。まあ大御所東武8000系がいますから、とはいえ、1975年から半世紀近く、よくぞ残っていました。その意味では大量生産の本家本元?103系もまだ残っていますが、いつの間にかJRWとJRQだけになり、約50両となりました。ちなみにJRQの103系は1500番台なので趣が違い、201系レベルのアコモを抵抗制御で新製した(筑肥線は本数の関係で回生車が入らない)ものであり、真の103系はJRWに残るものだけです。

そのJRWでも大多数が播但線と加古川線用に改造されたグループであり、貫通扉をつけた加古川線は103系とは思えない姿になっていますが、播但線は比較的オリジナルに近いです。その意味では和田岬線用の6連1編成が「最後の103系」というにふさわしいですが、そもそも検査時には207系が3+3の6連を組んで代走するわけで、いつでも置き換えが可能と言えば可能です。

さてNHKの関西ローカル「ウィークエンド関西」に鉄道での小旅行をテーマにした「ノッていこう」というコーナーがあるんですが、21日の放送では和田岬線を取り上げていました。いかにショートコーナーとはいえ和田岬線で話題が持つのか、という感じでしたが、兵庫駅の「乗る前に集札」の改札機に始まり、旋回橋に、引き込み線が昔はいっぱいあったという話題まで何とかつなぎました。川車にもつながっている部分、デビュー前の新人が走るという表現は言い得て妙でした。まあ日中は列車がありません、休日は2往復だけです、と言っても地下鉄海岸線で行けますから、ということには触れず仕舞いでしたが。103系に焦点が当たり、座席の大半が撤去されたキハ35やオハ64の時代は触れず仕舞いで、おそらく唯一「土曜ダイヤ」がある路線というのも触れませんでした。

結局このコーナーで「主役」となったのが103系でした。鉄っちゃん向けのコーナーとはいえ、ここまで103系をクローズアップするとは思いませんでしたね。
低運転台豚鼻ライトの関西でお馴染みの顔ですが(大半が京阪神緩行線に投入)、ライトを見てキャー、ドアの音を聞いてキャー、とここまで感心してもらえたら103系も本望でしょう。ただ「走る化石」「シーラカンス」とかひどい言われようでしたね。
もっとも乗客には見えない乗務員室の扇風機に未だ「JNRマーク」が残っているのはトリビアでしたが。1963年の山手線デビューの頃の映像も流れた後、京都や大宮などの博物館にいます、と走る化石ぶりを強調していましたが、博物館が弁天町時代にはトップナンバー車の模型が館内にあり、高架線を環状線で現役としてトップナンバー車の現物が走っている、というまさかの事態はさすがに出てきませんでしたが。



第三次大戦か第二次冷戦か

2023-01-27 23:11:18 | 時事
結局ドイツは最新鋭戦車のウクライナへの提供を自国及び運用中の各国に認めました。それを受けて米国も最新鋭戦車の供与を決めており、いよいよ「代理戦争」の様相を強めています。要は兵站を欧米が担っているわけで、兵站は参戦にあらずという理屈など通用しないでしょう。そうなれば欧米対ロシアの戦争ですからね。事実上の第三次世界大戦です。ちなみに開戦時に「じゃあこれ世界大戦ね」とは誰も言ってはおらず、あとから名づけるわけですから。

「世界大戦」となるとそこかしこが戦場という印象ですが、実際には「いま戦争なの?」というような空白も発生します。第二次大戦でも開戦発端となった1939年のドイツによるポーランド侵攻とそれに呼応したソ連によるポーランド東部の占領のあと、独ソ間は不可侵条約が発効しており、宣戦しているのは
英仏と独の間でしたが(ゆえに冬戦争は「別枠」になっていた)、実際には1940年の中立国ベルギーを経由した独軍のフランス侵攻まで宣戦した当事国間での陸戦はありませんでした。(海戦や通商破壊戦はあった)

いわゆる「奇妙な戦争」ですが、フランス降伏から独ソ戦開始、日米の参戦と一気にエスカレートしてもスタートは1939年9月のポーランド侵攻と見做されており、今回のウクライナ戦争も「終わってみれば」の話になるのでしょう。
我が国は欧米に追随しているわけで、森元首相がロシアとの関係を断つのはいかがなものか、と批判したら総すかんですが、今のところは後方支援すらしていないとはいえ、「世界大戦」の枠組みにどんどん組み込まれています。現代の「奇妙な戦争」が本当の戦争になるタイミングは来るのか。そしてその時我が国はどうなるのか。

第一次、第二次とも二正面作戦となったドイツと違い、現状は一つの正面しかないロシアはその国土の広さと資源もあり、「百年戦争」を覚悟するかもしれません。エネルギーというアキレス腱を擁する欧州がどこまでやせ我慢できるかでもあり、しかしながら石炭火力や原子力を容認すればロシア依存は劇的に下がると考えたら、とっとと方針変更に走るかもしれません。そもそも経済で目の上のたんこぶである日米の足を引っ張るためのロジックですから、お家大事の局面だと簡単に撤回するでしょう。

あるいは戦火がどこまで拡大するのか。ウクライナとクリミアだけで留まるのか。クリミア奪還を主張するウクライナを除き、休戦に至る条件を示せないだけに。最悪は欧米による兵站を問題視して戦争が拡大することでしょうね。ただ露軍はそこまでの積極攻勢をイメージしていないでしょうし、プーチン大統領もそこまでは考えていないはずです。しかしソ連が崩壊して資本主義国として、そして一応民主主義国家としての新生ロシアになっても欧米諸国の仮想敵国のままであったことを考えると、単純な休戦ではじり貧ですから、戦火を拡大しての焦土からのガラガラポンを狙うリスクはあります。あるいは同様に米国が仮想敵国視を隠さない中国と組んでの「百年冷戦」を覚悟するかもしれません。中国も「明日は我が身」と悟ったら単独で抗うよりも「同志」がいるうちに行動するでしょうし。

その時アジアはどうなるのか。中国の影響を考えたら、我が国が孤立する、という可能性もありますね。経済面で尻尾を振るしかない東南アジアはもちろん、既に折に触れて中国寄りの姿勢を隠さない韓国も怪しいですし。台湾も政権次第でしょうね。侵攻を受けるリスクが高いとはいえ、「冷戦」段階での断絶で国家が特に経済面で持続できるかがカギです。そうなると逆に米国との関係第一の我が国は必然的に孤立しますし、軍事的な「最前線」としての義務を果たすことになります。ロシアと中国にとって太平洋への「栓」ですから。