司法当局による危険運転罪適用のハードルが高く立法趣旨と乖離しているという批判を常々していますが、危険運転罪でもまだ生温い、というようなケースがあるわけです。特に重大な結果に直結するケースが多いのに危険運転の定義に該当しないとされることが多い飲酒運転は「罪と罰」のバランスが悪いとしか言いようがないわけで、しかも一向に無くならないという問題もあります。
こういった「運転」に対して危険運転だけではなく、結果を重んじて「殺人」「傷害」で問えないのか。
もちろん刑法では「故意」がなくて殺人や傷害は問えず、過失致死や過失傷害になるわけで、自動車運転に関してはいわゆる自動車運転処罰法が出来るまでは業務上過失致死、致傷として加重するにとどまっており、現行法規でも過失として扱っています。
故意性を問う時に刑法の講義で出てくるのが「未必の故意」と「認識ある過失」であり、「死んでも構わない」という意識であれば「未必の故意」で故意性があるとされます。一方で「死ぬかもしれないが大丈夫だと思った」であれば「認識ある過失」とされます。
で、これを逆手に取れないものか。危険運転が争われる極端な速度違反や、飲酒運転については、「死んでも構わない」という意識で運転したとするのです。この場合は死なずに済んでも「殺人未遂」に問えます。
「大丈夫だと思った」という意識を否定する。ここがハードルですが、運転者は免許取得時、あるいは更新時に必ず講習を受講しています。(実態はいい加減なケースもありますが)
ここで、赤切符レベルの速度違反、飲酒運転(薬物運転)については、それを実行した時点で特定の相手に対する故意性はないが、事故れば「未必の故意」となる意識がある、とするのです。赤切符レベルの速度違反で事故れば相手は死ぬ、飲酒運転(薬物運転)で事故れば相手は死ぬ、という認識を持って運転する前提でライセンスが交付されている、という前提であれば、「大丈夫」は例えば「首を切断しても死なないと思った」と言うが如き個人の身勝手な発想として「認識ある過失」で逃げられないとすることは可能でしょう。事故が起きれば重大な結果となるという認識があってその行動を自らの意思で実行する(速度違反、飲酒運転とも他人に強制されて行うものではない)、という時点で、殺人(殺人未遂)と定義するのです。
何もない状態で殺人罪の適用はさすがにハードルが高く、罪刑法定主義の大原則から「殺人」の定義は厳格に問われますが、自動車運転処罰法の体系下においては、定義をある程度自由に設定できます。刑法の殺人罪との比較は必要ですが、例えば故意性の定義が若干緩い代わりに殺人罪本来の「死刑又は無期及び・・・」の「死刑又は無期」を省き、5年以上の有期懲役とすればいいでしょう。(危険運転罪だと12年以下の有期懲役。有期懲役は単独で20年以下、加重で30年以下なのでこの定義だと明確に差が付く)
こういった「運転」に対して危険運転だけではなく、結果を重んじて「殺人」「傷害」で問えないのか。
もちろん刑法では「故意」がなくて殺人や傷害は問えず、過失致死や過失傷害になるわけで、自動車運転に関してはいわゆる自動車運転処罰法が出来るまでは業務上過失致死、致傷として加重するにとどまっており、現行法規でも過失として扱っています。
故意性を問う時に刑法の講義で出てくるのが「未必の故意」と「認識ある過失」であり、「死んでも構わない」という意識であれば「未必の故意」で故意性があるとされます。一方で「死ぬかもしれないが大丈夫だと思った」であれば「認識ある過失」とされます。
で、これを逆手に取れないものか。危険運転が争われる極端な速度違反や、飲酒運転については、「死んでも構わない」という意識で運転したとするのです。この場合は死なずに済んでも「殺人未遂」に問えます。
「大丈夫だと思った」という意識を否定する。ここがハードルですが、運転者は免許取得時、あるいは更新時に必ず講習を受講しています。(実態はいい加減なケースもありますが)
ここで、赤切符レベルの速度違反、飲酒運転(薬物運転)については、それを実行した時点で特定の相手に対する故意性はないが、事故れば「未必の故意」となる意識がある、とするのです。赤切符レベルの速度違反で事故れば相手は死ぬ、飲酒運転(薬物運転)で事故れば相手は死ぬ、という認識を持って運転する前提でライセンスが交付されている、という前提であれば、「大丈夫」は例えば「首を切断しても死なないと思った」と言うが如き個人の身勝手な発想として「認識ある過失」で逃げられないとすることは可能でしょう。事故が起きれば重大な結果となるという認識があってその行動を自らの意思で実行する(速度違反、飲酒運転とも他人に強制されて行うものではない)、という時点で、殺人(殺人未遂)と定義するのです。
何もない状態で殺人罪の適用はさすがにハードルが高く、罪刑法定主義の大原則から「殺人」の定義は厳格に問われますが、自動車運転処罰法の体系下においては、定義をある程度自由に設定できます。刑法の殺人罪との比較は必要ですが、例えば故意性の定義が若干緩い代わりに殺人罪本来の「死刑又は無期及び・・・」の「死刑又は無期」を省き、5年以上の有期懲役とすればいいでしょう。(危険運転罪だと12年以下の有期懲役。有期懲役は単独で20年以下、加重で30年以下なのでこの定義だと明確に差が付く)