Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

夏場所が終わり

2018-05-28 22:08:00 | ノンジャンル
夏場所が終わりました。正直言ってまさかの大関獲りだった栃ノ心が13番という見事な成績で直近3場所37勝と堂々の昇進を確実にしました。過去25戦負け続けという北の湖に対する栃光のような白鵬戦での勝ち星も、なかなかお目にかかることが出来なくなった力相撲の末の決着であり、内容も見事です。

しかし優勝は鶴竜でした。白鵬戦のように一気の出足と引き付けで持っていく実力がありながら、ややもすると手を抜いてしまう取り口が無用の批判を招いており、今場所も琴奨菊戦での変化はその象徴ですが、追う立場としては負けられない、勝つ義務があることも配慮すべきでしょう。
その意味で関脇の優勝を許さなかったことは綱の意地と言えますが、白鵬の衰えがはっきりしている中、大関不在、稀勢の里の休場という「ライバル不在」で圧涛I強さを感じないのに優勝というのは、全体のレベルが相当下がっているのでしょう。

「上位不在」で栃ノ心以外の三役が物足りないですね。平幕上位も勝ち越しはしましたが目立つものがなく、2桁勝利は西11枚目の千代の国までいないというのもどうでしょう。この手の「どんぐり」は十両でよくあるのですが、幕内で低レベルなフラット化でしょうか。
御嶽海があと1番勝っていれば、というところですが、現状では「上」を狙えるとは到底言えませんし、「次」が見えません。栃ノ心も古傷を抱えており、短命大関の懸念が強いので、「次」が見えてこないのが問題です。

怪我で十両に落ちていた阿武咲が格の違いを見せつけた十両優勝で来場所は平幕中位まで来そうですが、どこまで暴れるか。十両優勝を競った琴恵光も新入幕が確実ですが、こちらは26歳とちょっとトウが立っているのが懸念材料です。

あとは遠藤。せっかくの小結が怪我で期待に応えられませんでした。途中出場で下落幅を下げようとしたんでしょうが、中途半端な出場で悪化させる(完治しない)先例があるのにこの無理はどうか。再出場後の勝利はなく、疑問が残ります。

そして照ノ富士。元大関が幕下陥落を確実にしてしまいました。
怪我をだましだまし相撲を取っていたのが破綻した格好で、大関で連続2桁を上げた後、角番になる、陥落する、そして、と出場したがやっぱりダメで途中休場が実に4場所続き、大関陥落後は白星も上げられずに関脇1場所、平幕1場所で十両へのスピード陥落。陥落後も皆勤はしたが負け越しで、今場所も途中休場で再出場はしたものの勝ち星なしで幕下陥落となります。

まだ若いから、と師匠は言いますが、膝の故障に加え内臓疾患まで抱えている今の状況で相撲を続けられる状況にないわけで、まさか1年くらい休んで序ノ口からのやり直しともいかないでしょう。幕内経験者で序ノ口まで陥落して相撲を取ったのは史上1人しかいません。(今は幕下まで盛り返して現役です)

昔大受が年寄株の手当てが出来ずに十両で1場所取って引退した時に「元大関たるものが」と批判されましたが、その後番付だけ残した把瑠都は別として、十両で相撲を取ったのは雅山だけで、それも1場所、幕下陥落が確実になってその場所限りで引退しており、元大関が幕下で相撲を取るということは、横綱のように地位の失陥=引退という明確なルールがないとはいえ、あってはならない空前絶後の事態です。
さらに言えば、幕内最高優勝者がその後幕下で相撲を取ったこともまた無いわけで、まさに「出処進退」が問われます。