木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

政治指導者の条件は無私であること

2016年12月04日 | Weblog

カストロ死去。
11月25日「奇跡の指導者カストロ」が死んだ。90才。
1959年親米独裁政権を倒して以来600件以上の暗殺計画をくぐり抜けたと言われる。CIA主導の政府転覆や暗殺をくぐり抜けた理由はまず強運だったということ、そして「赤い貴族」にならず、個人崇拝を避け、自身も含め存命中の政府幹部の銅像建立などは許さなかった無私の姿勢が大多数の国民の信頼を得ていたことが大きい。
しかしその反面、独裁者として、反対勢力を「米帝国の手先」として弾圧したと新聞の解説は中立性を装う。
しかし少しでもすきを見せていれば、このアメリカの目の前の社会主義国はとうに転覆させられていただろう。
その後キューバ革命に勇気を得て誕生したチリのアジェンデ政権は流血の転覆、そしてブラジルのルセフ大統領も弾劾されその権力を失った。
カストロの盟友ベネズエラのチャベスはガンにより50代ではるか年上のカストロより先に亡くなってしまったが、そのあとを継いだ政権は原油安を仕掛けられてその政権を失う危機に立たされている。
アメリカやその同盟国の経済制裁により苦しい状況が続いたキューバだが、「教育と医療」の平等を重点政策にして、それは他国が学ぶべき模範になっている。
アメリカも日本も軍事予算を増やして削るのは教育費と医療費で、国民の幸福とは真逆の政治をやっている。
アメリカは何かというと「人権」、「人権」とキューバや中国を批判するが、他国へ出かけて行って戦争ばかりして来た国にそんな批判をする資格はない。
以前、私はツアーでキューバへ行ったことがあって、その時、革命記念館で、秘かにキューバ再上陸を果たした時のヨット・グランマ号の展示を見たが、「この小さな船で?」と驚いた記憶がある。これでは上陸をするどころか定員オーバーで転覆してしまうのではと思った。80名以上の革命の戦士たちが乗船したが、上陸した途端の銃撃戦で生き残ったのは10名あまり。そこから進撃が始まるのだが、孤立するどころか民衆が後押しし、バチスタ政権を倒したのだから、小さな島国とはいえ、その期は熟していたのだ。
アメリカは大統領にトランプを選んだ。不毛の選択だがこうせざるを得ない国民の絶望が根底にある。2大政党制が不毛を加速させているのだが。
韓国では朴大統領の政治の私物化に国民の怒りは収まらない。富裕層は肥え太るが国民は窮乏している。それが限界に来ているのだが、なぜか日本だけが同じようなことをしている安倍政権を支持する人が多い。
「受け皿がない」とか「野党がだらしない」だとか「野党連合は支持されていないから」と言われるがどうも納得がいかない。
野党がどうあれ、安倍政権を支持しないと意思表示することはできるはずだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする