木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

軍隊の本質をあからさまにした橋下「慰安婦必要だった」発言

2013年05月17日 | Weblog

極右を競う安倍と橋下。
安倍が「侵略の定義は定まっているわけではない」と妄言を吐けば、橋下は「軍隊に慰安婦は必要だった」と暴言。
野党の「維新の会」の代表でもある橋下は、安倍の上を行く反動的な発言をしないと「維新の会」は持たないという危機感があるのだろう。
誰もがあきれて「なぜ今そんな発言をする必要があるのか」と真意をいぶかり、しかし海外、特に朝鮮・韓国、中国からの非難は折込済みで、それで人々をさらに右傾・内向きな心理に追い込むことに利用する意図を持って発言したのではと思う。
ところで図らずも彼が言ったことは、「人殺しを組織的に実行し、そのための訓練を日常的に行なっている非人間的集団である軍隊」というものは、人権を蹂躙する所だという本質を突きつけてもいる。

朝鮮人慰安婦のたどる運命を描いた小説。「めぐりくる春」
「血と骨」という在日朝鮮人家族の物語の作者でもある在日朝鮮人のヤン・ソギル氏が「週刊金曜日」に連載した。
主人公の女性は日本の植民地下の朝鮮南部の貧しい農村に生まれる。子供の頃に母が亡くなり、父は再婚する。
女性は早くに家を出て行くべく運命づけられていた。そんな時に「いい働き口がある」と誘われ、中国へ連れて行かれる。
そこは朝鮮人が経営する日本軍御用達の妓楼=売春宿であった。
そうした売春宿には行動の自由はない。勝手に外出することは許されない。
一日に何十人もの兵士の相手をしなくてはならない。体調なんか関係ないのだ。
そういう生活の中で、妊娠させられたり、その結果生まれた子供に対面することも許されず、子供は運がよければ里子に出されるが、ひそかに始末されたりする。
そして最終的に主人公はビルマ国境に近い雲南省の山奥までまさに従軍慰安婦として連れて行かれる。
ここで運命はまた逆巻く濁流の如く彼女たちを翻弄する。全滅を覚悟し、途中で女性達を解放する指揮官と、足手まといになった慰安婦達を先に死に追いやる命令を下す指揮官と。
主人公は生き延び、日本の敗戦、祖国の解放を受け、故郷を目指すが、そこが彼女たちを温かく迎え入れる場所ではなかったことは歴史の事実である。
ヤン氏は、元慰安婦の女性の証言や史料に基づき、典型的な例を小説という形で表現した。

安倍に石原に橋下に、そしてアメリカで銃規制に反対するような連中も、自分が犠牲になる立場に立つことはこれっぽちも想像していない。
これらに追随する人々もそうだ。
橋下は在日アメリカ軍幹部に「兵士の性犯罪防止のために風俗産業の利用を勧めた」というが、そんなことを勧めなければならない米軍などいらない。

コメント
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