社民党福島党首、「普天間移設」政府方針署名拒否で罷免。
社民党の方針を貫いて、署名しなかったのはまずは正しい選択だったと思う。
評論家の中には、元々「平和・護憲」を掲げる社民党が、そのへんをあいまいにしたまま、連立に加わったことを批判する人もいるが、もし、社民党が野党のままで、閣僚も送らず、正しい主張を叫んでいても、これほどのニュースにはならなかっただろう。
米軍基地のあり方に関してはほぼ同主張の共産党が、この間マスコミに登場してその主張を展開する機会が殆どなかったのに比べて、福島さんの姿は毎日ニュースの絵になっていた。
自民党の弱肉強食型の政策から「人を大切にする、国民大多数の生活を守る」を掲げたからこそ民主党は大勝したのだ。
政権と鋭く対立してきた共産党でさえ「政策に関しては是々非々でのぞむ」と言っていた。
社民党が政権に入って、民主党の政策を社会民主主義側に引っ張る意義はあるはずだと思う。
だから最初から今度の新政権に社民党が入ったのは間違いだったとは思わない。
またもっと早く福島氏はアクションを起こすべきだったという批判もあるが、それは弱小政党社民党の限界であり、社民党の人材不足でもある。
来る参議院選挙では社民党は「米軍普天間移設問題」の不当性をただ一つの争点にして戦えばいい。
「普天間問題」は単に米軍基地の問題ではなく、日米のあらゆる関係、軍事・経済を中心にしたそのあり方を考え直すキーワードだ。
社民党がぶれずにこの問題を主張し続ければ、今まで民主党に行っていた票はかなり社民党に流れるはずだ。
そのことは寄せ集めの党である民主党の姿・形をはっきりさせることになるだろう。それこそ望むべきあり方だ。
寄せ集め・選挙互助会政党である民主党に最もふさわしい党首が鳩山由紀夫という、自分が何を言っているのか、何をしているのか、さだかでないような「浮遊人」だった。
そしてそのような「浮遊人」を助けるというか、足を引っ張る脇役は平野博文というわけのわからない、「政治的無能者」しかいなかった。
だいたい鳩山首相がこの「日米安全保障」に関する諸問題を解決していくにあたって、前政権で指南役を務めた外務官僚OBを起用するというところからボタンが掛け違っている。そういう人脈しか持っていないということだ。
グローバル化がもたらした口蹄疫。
コストダウンを求めて輸入食品が増えた、そしてウィルスがともに持ち込まれた。
それが口蹄疫に先んずる鳥インフルエンザ、豚インフルエンザの流行だった。
安い物を求め、その結果、インフルエンザや口蹄疫が流行し、その後始末のコストは膨大となり、私達は税金でそのツケを払うことになる。
「地産地消」、肉ばかり食べたがる傾向を「食い改める」ことがいっそう求められているのだ。
(「週刊金曜日5月28日号/天笠啓祐氏の文より)