東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
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消えた応接間

2014-05-20 | 雑談
昔は、普通の家でも応接間というものがありました。もちろん、今でも一部屋を来客専門の応接間にしておられる家もありますが、非常に減ってきたというのが私の実感です。ことマンションにいたっては、極端に言えばベッドルームとキッチンとリビングルームだけでして、応接間などというものは殆どありません。

これはどうしたことなのでしょうか。来客がないのか、減ったのか、お客を招くことが少なくなったのか、少し気になります。自宅に人を招くというのは、よほどプライベートな、親密な関係の人だけになったのでしょう。それと、「ハレ」(非日常的な行事ごと)が極端に減少し、「ケ」(日常的なこと)の部分のみが、住宅そのものにも現れてきたと考えられます。

このような暮らし方の変化が、同時に住宅の機能の一部である応接間という部分を必要としなくなったのでしょう。人を迎えるためにお茶席では庭を掃き清め、水を打ち、花を活け、軸を選び、香を焚き、茶席を設え(しつらえ)ます。これは、「ハレ」の行事です。こうした、日本に昔からある伝統文化も現代の家で行われることが減ってきました。

リビングルームで寝転がってやるテレビゲームや、散乱するスナック菓子は、やはりその部屋の使い方を考えさせられます。もはや家の中は、「ハレ」の場はなくなり「ケ」の場所ばかりになったのかもしれません。ちょっと寂しいですね。

ちなみに、我が家では、1階の事務所のバー空間と2階の客間が、応接間的役割を果たしています。私にとって「ハレ」は貴重な存在ですから。