花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

中国黄山の旅(3)

2011年05月08日 | 海外旅行「中国Ⅱ」江南・黄山・香港、マカオ

2日目は5時半に目が覚めた。昨夜とは違う静寂さが烏鎮を包んでいた。

 

黄山にいる2泊3日の生活に必要な荷物をリュックサック1つにまとめて入れた。スーツケースは山に持って行けないので下に置いて行くのだ。
民宿のお父さんが作ってくれた麺の簡単な朝食を食べてから7:50に集合し、バスで4時間かかる安徽省の黄山山麓の町「屯渓市」に向かった。
屯渓市に着いたのは昼だったが、そこは大きな町だった。古くから茶葉の交易路にあって、優秀な商人を多く輩出した町でもある。
立ち並ぶ集合住宅の屋根には、太陽光を利用する温水器が並べて設置されていた。
また建築中の集合住宅も沢山あった。ガイドに聞くと、農村から都市に出稼ぎに来た多くの人達が住むために、建てているのだそうである。
何でも今年、政府は労働者の賃金を20%アップすることを打ち出しているそうだ。
(今回のガイドは、中国がGNPで日本を抜いて世界第2位になった事を1度も言わなかった。その代り、中国人は5%は金持ちになったが、95%は未だに日本の1/15の収入で貧しい暮らしをしていて、自分もその一人だと言っていた)

  

屯渓のレストランで美味しく昼食を食べた後、「老街」という古い町を散策した。
手が混んだ木彫の装飾が目を引く宋代から明代に建てられた古い江南建築の商店街が立ち並んでいた。また、「ウダツ」を上げた白壁と黒瓦の伝統的な家の作りも特徴的で、特産のお茶や乾物を売る店、名産の硯を売る店などが軒を連ねていた。
自由時間が30分あったので、お茶屋でガイドに勧められたゴマの菓子を買った。

   

いよいよバスは山間地に入り、曲がりくねった道を進んで行った。外には平地だけでなく斜面にも至る所にお茶畑が作られていた。このあたりの山地は、平均気温が低い上に霧が多いので、良質のお茶ができるのだろう。

途中の町でバスを降り、入山専用のクリーンバスに乗り換えた。そのバスは電気で走るバスのようだった。
曲がりくねった山道をバスがかなりのスピードで走って来たので、私は気分が悪くなり、クリーンバスでは前の空席に座らせてもらった。ここからは山岳ガイドが1名加わった。この方は、私たちが山を下りるまで一緒にいて、何かとサポートしてくれた。

黄山は標高1000mを超す高い山が72もあり、その峰々が連なる名峰で、中国十大風景名勝地の1つであるばかりでなく1990年にユネスコの世界遺産に登録された広大な山地なのだ。
ガイドの話では、1億2000万年前に海中で爆発した火山が隆起してできた地形なのだという。
登るには4基のゴンドラがあるのだが、私たちは最も東側の「雲谷寺」から上がって上の「白鵝峰」まで行く新しい「雲谷二索」のゴンドラに4人ずつ乗った。標高差773m、距離2.8kmを10分間位で登るのである。丁度、霧が漂っていて視界は悪かったが、ゴンドラから見る景色は素晴らしかった。
安徽省出身の江沢民は黄山が好きで、彼が登ってから高速道、高速鉄道、黄山の山道が整備されたのだそうだ。到着した「白鵝峰」の駅からは整備された石の階段がどこまでも続いていた。
ガイドに言われて良く見ると、歩いている石段は山の斜面から突き出して作られていて、私達は空中に浮いている有様の場所もあった。世界遺産とはいえ、登山道を作るだけで難工事だったことだろう。

   

           

景色が素晴らしく、かつ、高度差を実感できる幾つかの場所で写真を撮りながら歩いて行った。強風のために片側にしか枝葉が出ていない松が多かった。やがて山中にある「北海賓館」ホテルが見えて来た。ほとんど下りのコースだったので、楽しんでいる内にホテルに着いた。(その代り帰りは登りが続くことになるのだ)
このホテルは、黄山に数か所あるホテルの中で4つ星のホテルだ。ホテルの営業と生活に関わる物資は、何から何まで下の町から調達しているのだが、ゴンドラの駅からは階段道しかなくて車を使えないため、運搬は全てを人力に頼っているのだ。「強力さん」と呼ばれる男性が、天秤棒の前後に85kg以上の荷物を下げて、休み休み階段を上下する姿は痛々しかった。

ホテル前のテニスコートに、カラフルなテントが沢山張ってあった。ガイドに聞くと、ホテルが満室なので、止まれない人達は4000円でテントを借りてここで泊まるのだそうだ。山の天気は変わりやすくその夜も雨が降った。テントで寝た家族たちは、さぞ寒かっただろうと想像した。
このホテルに2泊したが、夕食は美味しかった。
(テーブルにある陶器の壺には岩竹のスープが入っていた。岩竹は黄山の断崖絶壁に貼りつくようにして生えているきくらげに似た黒いキノコだ。その収穫作業は危険なため、非常に珍重され、高価なものである.手前の料理はその岩竹と卵の炒め物)

  

 

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2 コメント

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Unknown (Pione)
2011-05-09 08:58:06
岩山の写真や「強力」のこと、テレビでみたことがあります。ハイビジョンでも絶景でしたから実際はもっと素晴らしいでしょうね。
テントがたくさんあるということは、ここにもたくさんの人が来ているんですね。
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Unknown (ソナタ)
2011-05-10 07:23:22
Pioneさん、こんにちは。
本当にすごい絶景が広がっていました。
強力さんが沢山いました。ペットボトルの水も食材も調味料も、全部下からホテルに運ぶんです。体力だけで働く彼らの人生は実に厳しいですね。
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