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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腰椎転移

2023年05月11日 | Weblog

 内科外来に糖尿病・高血圧症で通院している82歳男性は、2018年に肝細胞癌の手術を受けていた。術後のフォローで外科外来に通院していた。

 2021年12月に大腿部の痛みから骨盤転移(右恥骨)と判明した。外来で診ていた外科医が、がんセンターの消化器内科に紹介した。抗癌剤治療は希望しないということで、放射線治療科に回されて、緩和的な放射線治療を受けた。

 その後、疼痛に対してNSAIDs(ロキソプロフェン)使用で胃潰瘍ができて、神経障害性疼痛治療薬が処方されていた。昨年外科常勤医が不在となり、肝細胞癌のフォローも内科で診てほしいと外科からいわれた。

 

 5月2日に内科外来を受診した時に、4月から右大腿部から下腿の近位にかけて(背側)の疼痛が続くと訴えた。予約日まで我慢していたそうだ。

 放射線治療を受けた転移巣が再燃したかと思われたが、造影MRIで検査すると第5腰椎からその右側にかけて腫瘍を認めた。肝細胞癌の転移巣なのだろう。治療した部位の腫瘍は縮小したままだった。

 結果をお話すると、患者さんから「がんセンターですか」と言われた。また紹介します、と伝えた。今回は直接放射線治療科宛に診療情報提供書を出して、外来予約をとった。

 

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感染性腸炎

2023年05月10日 | Weblog

 5月7日日曜日の朝に当直だった外科医(大学病院からバイト)から入院の連絡がきた。

 6日夜に、発熱と消化器症状(腹痛・下痢・嘔吐)の19歳男性が救急搬入されていた。腹部は圧痛が軽度にあるが腹膜刺激症状はない。腹部CTでは小腸内に消化液貯留を認めるが、炎症像はない。急性胃腸炎として入院させたという報告だった。

 下痢は数えきれないほどの回数(本人の話)の水様便で、腸炎で間違いないようだ。点滴の指示を出してくれていた。

 その日の午後6時ごろに病棟の看護師さん(病院赴任時からの10数年の馴染み)から、高熱が続いているが、どうしましょうかと連絡がきた。血液検査の結果は、白血球16500・CRP9.0と炎症反応の上昇が目立つ。

 抗菌薬を入れた方がいいと判断して、ホスミシン(FOM)を点滴静注してもらうことにした。腹痛は午後0時にアセリオ注を入れて、今のところは自制可という。

 

 8日月曜日に病棟に行くと、病棟の男性看護師さんから「熱が下がったのは抗菌薬の効果?」と言われた。朝の体温が37℃になっていたが、1日経過をみないと何ともいえない。

 5月5日夜から発熱があり、頭痛もあった。消化器症状はなかった。翌6日になって当番医を受診して、コロナの検査を受けたが陰性だったという(呼吸器症状はない)。その後から、腹痛、嘔気・嘔吐(1回だけ)、下痢が始まった。

 発熱が40℃になり、(本人の話では)救急車で行った方がちゃんと診てくれるだろう、ということで救急要請した。腹部症状と検査結果は上記の通りで入院となった。

 

 腹部は平坦・軟で上腹部に圧痛が軽度にあった。食事のこと(鶏肉など)を訊くと、症状が出る前に鶏のささ身を蒸してタレを書けたもの(棒棒鶏?)を家族で食べたが、他の人はなんともないという。

 点滴と抗菌薬(ホスミシン注)を継続することにした。食事はと訊くと、嘔気は治まって食べてみたいというので、昼から出すことにした。その日の夕方に38℃の発熱があったが、その後は解熱した。食事も完食だった。

 

 高熱が先行してから消化器症状(腹痛・下痢・嘔吐)が出現したところは、カンピロバクター腸炎が疑わしい。8日に便培養(綿棒での直採)を提出したが、菌は出ないかもしれない(綿棒がうっすら黄色になったくらいの量しかとれない)。

 この患者さんはアトピー性皮膚炎があり、また食物アレルギーがあるそうで、卵・ピーナッツ・甲殻類など食べれられないものが多く、特別に工夫した食事を出すことになった。

 

 感染性腸炎で最も多いのはカンピロバクターで、抗菌薬はレボフロキサシンなどのキノロン耐性の問題があり、アジスロマイシン(かクラリスロマイシン)になる。ただマクロライドはそれ自体が副作用として消化器症状が多い。

 カンピロバクター・病原性性大腸菌・サルモネラをカバーするホスミシン(FOM)が使いやすく、愛用している。(ホスミシンを使うのは古い医者だけだろう(日本固有の薬だし)。

 10年くらい前に消化器病学会で、珍しく感染性腸炎のセッションがあった。内視鏡所見などで興味深い発表があったが、さすがに感染症に関心がない消化器科医の集まりらしく、抗菌薬の話はほとんど出なかった。

 最後の最後に、「抗菌薬は何を使われますか」「レボフロキサシンかホスミシンです」「うちもそうです」と1分くらいの発言があって終了となった。

 

(後日記)5月19日

 便培養の結果は、Yersinia enterocolicaだった。回腸末端に感染して、腸間膜リンパ節炎を来して右下腹部痛を呈する。虫垂炎様症状で鑑別に上がる。使用したFOMは感受性があった。

 

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脳梗塞

2023年05月09日 | Weblog

 5月6日に84歳男性が右半身不全麻痺と構語障害で救急搬入された。日当直で来ていた外科医(大学病院から)が対応してくれた。

 これまで何度か左右の大脳にラクナ梗塞が発症していた。左ラクナ梗塞で左不全麻痺で他県の病院に入院した既往もあるが、日常生活にはさほど困らない。認知症の妻と二人暮らしで、妻の介護をしていた。

 今回はその日午前10時ごろに遅い朝食を食べている時に右上肢の脱力が生じて、様子をみているうちに右下肢の脱力も出現していた。構語障害(呂律が回りにくい)も出てきた。 

 

 頭部MRIの拡散強調画像で左放線冠に淡く高信号域が写っていた。もともと多発性ラクナ梗塞で抗血小板薬を内服していた。それは継続として、エダラボンの点滴静注を開始していた。構語障害があると嚥下障害もあるはずだが、食事は摂取できる。

 認知症の妻は一人では過ごせないので、東京から息子さんが来たそうだ。本人の希望としては妻の介護のために早く退院したいが、まず自分の治療をしないと退院はできない。

 当院の脳神経内科の外来に通院していた。担当医は近々退職するので、診療情報提供書を近くの病院宛に書いて持たせていた。

 脳神経内科医は、7日の当直だったので患者さんを診て、抗血小板薬を2剤に変更していた。確かに内服していて新規梗塞が発症すると、同じ薬で継続とはしにくい。

 

 これまでのラクナ梗塞は症状としてはそれほど問題にならなかったが、今回は場所が悪い。老々介護は難しくなりそうだ。

 

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COPD・肺炎の急変

2023年05月08日 | Weblog

 5月4日は日直で病院に出ていた。外科当番医になっていたので、半分近くは軽度の外傷などの外科疾患だが、始まりから終わりはでずっと受診が続いた。(5月3日から7日まで当院が外科当番医だったが、3日は消化器科医、4日と5日が内科医、6日と7日が大学病院からバイトの外科医だった)

 午後になってやっと入院患者のチェックに病棟に行ったが、5月1日に入院して別の先生が診ていた75歳男性が、早朝に急変して死亡していた。

 

 4月30日の夜間に地域の基幹病院の救急外来を受診していた。もともと慢性閉塞性肺疾患(COPD)があり、肺炎併発による増悪を呈していた。

 呼吸器内科医と相談して、抗菌薬(セフトリアキソン)とステロイド(デキサメサゾン)を投与して帰宅とされていた。診療情報提供書には「外来治療可能と考えられました」と記載されていた。

 先方の検査では、酸素飽和度が88~90%(室内気)で、血液ガスはPaO2が55.9mmHg、PaCO2が68.4mmHgと逆転している。胸部CTでは右下肺野に浸潤影があり、確かに肺炎の画像陰影としては軽度だが、何しろCOPDでそれも高二酸化炭素血症がある。

 

 5月1日に当院の外来を受診して、普通に入院となった。入院後は横ばいの経過だったが、4日目の4日午前7時に急に血圧が低下して、酸素飽和度が低下した。

 3日の当直は腎臓内科の若い先生だった。DNARの患者さんではないので、気管挿管をして人工呼吸を行って、昇圧薬を投与した。(担当医は自宅のある東京に戻っていた)

 家族と相談して、「治療を継続するが、心停止になった際には心臓マッサージはしない」ということになった。午前10時前には心停止となっていた。

 気管挿管の時に喀痰がかなり引けたそうで、それも(が?)影響したのかもしれない。心電図では有意な虚血性心疾患の所見はなかった。

 

 最後まで3日当直の腎臓内科医が対応してくれた。午前中は救急外来受診が続いて、代わりに診るのは難しかったが、本来は交代して当方が診なければならなかった。

 

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腰椎圧迫骨折

2023年05月07日 | Weblog

 4月30日は内科の先生が日直だった。土曜日だが祝日なので市内のクリニックは休診だった。さらに当院が外科当番医に当たっていた。受診数が多く、半分は外科系(外傷、筋骨格系の痛み)だった。

 ずっと以前は休日は内科と外科がいたが、医師数が減少してからは1名体制になっている。そもそも現在は外科医自体がいないのだが、休日当番医の外科に当院が入っている。

 

 作業中(脚立に乗っていた)に転倒した67歳女性が腰痛で動けなくなって、救急搬入されていた。CTの骨条件で診ていたが、はっきりはしない。症状から腰椎圧迫骨折疑いとして入院治療とした。

 4月から整形外科医が赴任しているが、時間外オンコールにはなっていない。月曜に相談する予定としていた。月曜日は整形外科医がMRIを撮影して、腰椎(L1)圧迫骨折と確定していた。

 

 骨折は単純X線で見えずCTで描出される場合、CTでも描出されずMRIで描出される場合がある。圧迫骨折はCTだと新旧の鑑別がつきにくい。脊椎脊髄疾患はMRIがないと診療できない。 

 

 当院の時間外のMRI検査は、基本的には頭部だけ行うことになっている。他の部位に関しては、その時担当の放射線技師さんとの交渉になる。

 あまり忙しくなければ、腰椎MRIはたぶん撮影してもらえる。MRCPはその時の担当しだいだったりするが。ただ、時間外に様々な部位のMRIを撮影すると、科長さんに原則無視で注意される可能性がある。

 

 

 

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腸重積?

2023年05月06日 | Weblog

 5月3日は消化器科医が日直をしていた。前日(5月2日)も嘔吐・腹痛で受診した38歳女性が再受診していた。

 発達障害とあるが、精神遅滞なのかもしれない。抗精神薬がかなりの量処方されていた(クエチアピン、リスペリドン、リチウム、ジアゼパムなど)。6年前に子宮癌の手術歴もあった。

 腹部CTで読影が難しいが、消化器科医は「小腸を先進部とする腸重積がS状結腸に至っている」と見ていた。外科手術を要するとして、地域の基幹病院外科に搬送していた。

 前日に受診した時は、担当医が腹部X線だけ撮影していた。腸閉塞はなく、胃腸炎?として処方して帰宅としていた。(下痢ははなく、むしろ出にくい状態だが。)腹部単純X線は情報量は少なく、せいぜい明らかなニボー(air-fluidの鏡面像)と遊離ガスくらいしかわからない。

 

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肺癌の浸潤

2023年05月05日 | Weblog

 5月2日火曜日に、自宅で動けなくなっていた62歳男性が救急搬入された。救急隊から酸素飽和度が85%(室内気)で酸素吸入5L/分を開始したと報告があった。

 患者さんは一人暮らしで、近くの姉が連絡をとっていた。2週間ほど連絡が来なくなり、前々日に連絡しても返事(電話とメール)がないので姉は自宅を訪問した。

 しゃべり方も何を言っているかわからない様子だった。食事もとっていないらしかった。その日は様子をみたが、翌日に訪問した時も同じだったので、そこで救急要請した。

 高血圧症で内科クリニックに通院していたが、1年以上は通院していない。血圧が110台で、普段より低下しているのかもしれない。

 開眼はしているが、また閉眼してしまう。名前は小声で言っていたが、聞き取りにくい。あるとしたら構語障害?。四肢に左右差はないように見える。

 もともと慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)があり、2010年に右肺、2015年に左肺の気胸を来して、当院外科(当時)に入院していた。いずれも胸腔ドレナージで軽快治癒していた。今回は左肺の呼吸音が弱い。

 点滴を血液検査を提出して、画像を撮った。気胸はなかった。左肺に肺炎?と思われる陰影があり、右肺にも少しあるようだ。

 放射線技師さんから左肺の肋骨(の一部が)がなくなっていると言われた。確かになくなっている、というか溶けている?。

 胸部CTで確認すると左肺に腫瘍があり、肋骨は溶骨しているようで、胸腔外へも浸潤している。肺炎も伴っているようだ。肺癌だろう。

 血液検査では炎症反応の上昇、電解質異常(高ナトリウム、低カリウム、高カルシウム)があり、尿酸値も著しく上昇していた。糖尿病もある(以前からあった)。

 頭部CTでは転移巣はなく、年齢の割に脳委縮があるが、脳血管障害はなかった。点滴、肺炎の治療、電解質異常の補正を行うが、病状は厳しいです、と姉に伝えた。

 

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肺炎+子宮留膿腫

2023年05月04日 | Weblog

 2日に施設に入所中の95歳女性が胸痛を訴えたということで救急搬入された。胸骨部に圧痛があるという救急隊からの連絡だったが、どこを触っても痛いという。

 酸素飽和度が91~92%(室内気)と低下していた。搬入時は体温36.6℃でふだんよりは微熱なのかもしれない。

 4月中旬から通院している内科クリニックで尿路感染症として治療をしていたそうだ。内服の抗菌薬が2種類処方されていた(ファロム→レボフロキサシン)。

 心電図は異常がなかった。胸部X線で両側肺野に浸潤影を認めた。胸部CTで確認すると両側肺野全体、特に背側に浸潤影があり、胸水(肺炎随伴性だろう)も伴っていた。胸膜痛なのかもしれない。

 尿路感染症として治療していたが、胸部X線は診ていなかったらしい。そこから肺炎が始まっていたのだろう。抗菌薬2種が処方された後なので、治りにくい可能性がある。 

 胸腹部CTとして撮影したので腹部~骨盤まで描出されている。子宮内に液体貯留があり腫脹していた(10×7cm)。

 看護師さんが尿検査をしようとして、導尿のカテーテルが膣に入ってしまったそうだ。悪臭のある膿汁が引けて来て、それを尿カップに入れて見せてくれた。ということは、子宮内に膿汁が充満していて、子宮留膿腫になっている。

 

 当院婦人科は昨年閉科となっている。子宮留膿腫で経膣エコーで診てドレナージしてくれた産婦人科医はもういない。

 地域の基幹病院の婦人科医に連絡した。肺炎があると婦人科では診られないので、呼吸器内科が肺炎を診てくれるなら診ますという。もし呼吸器内科で(ベット事情で)診られない時は外来で処置をしてもいいとも言ってくれた。

 もちろん呼吸器内科と婦人科両者で診てもらうに越したことはない。呼吸器内科医に連絡すると、空きベットを確認して判事します、と言われた。

 その後、地域医療連携室に連絡が入り、入院受け入れOKとなって、ありがたく搬送した。

(後日記)

 呼吸器内科から返事がきていた。婦人科で子宮留膿腫のドレナージをして膿汁が排出したそうだ。その後誤嚥性肺炎の治療を行ったが、悪化して亡くなっていた。

 

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後壁梗塞

2023年05月03日 | Weblog

 3月まで当院に在籍した内科の若い先生は、内科専門医研修中だった。当院で経験した症例の指導医は当方になる。

 4月から体制が変わって忘れていたが、先週思い出して内科学会のJ-Oslerを開いた。12症例が評価待ちとなっていて、とりあえず全部評価を入れた。

 その中に急性心筋梗塞で後壁梗塞の症例があった。後壁梗塞は珍しい。どんな経過だったのか、またどんな心電図変化だったか興味があったので確認した。

 

 受診したのは、昨年10月11日だった。患者さんは75歳男性で、受診3日前から上背部痛を感じていた。その日の午前3時から胸痛もあった。救急要請ではなく、普通に内科新患を受診して、内科の若い先生が診た。

 高血圧症・糖尿病・心房細動で近医に通院している。DOAC(エリキュース)を内服していた。

 普段140程度の血圧が、受診時は100になっていて、おそらく発症後に低下していたのだろう。酸素飽和度の低下はなかった。

 心電図でⅢ・aVFでST上昇があり、普通は下壁梗塞と判断されるが、V1-5でSTが著明に低下(最大8mm)して異様な雰囲気を出している。V1ではないが、V2からはR波増高ともとれる?。

 「即循環器内科へ」という心電図変化なので、急性心筋梗塞として地域の基幹病院循環器内科へ搬送していた。胸部誘導のST低下は下壁梗塞の鏡面像と解釈していたようだ。

 

 循環器内科からの診療情報提供書によれば、回旋枝の閉塞による後壁梗塞と記載されていた。「心電図をプリントして、裏返して見ると前壁のST上昇の形(=後壁梗塞)になります」と親切に?指摘していた。プリントしてやってみると、確かにそうだった。

 

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重症肺炎

2023年05月02日 | Weblog

 木曜日の午後に、発熱(微熱)・咳・食欲不振の94歳女性が外来を受診した。酸素飽和度が70%台で、急遽救急室に移動させることになった。

 酸素吸入5L/分で飽和度は92~93%程度になってきた。内科クリニックに高血圧症・糖尿病・慢性腎臓病・甲状腺機能低下症で通院していた。両側下腿に浮腫がある。

 胸部X線・CTで両側肺野に浸潤影があり、特に右肺は広範な陰影を認めた。心電図は四肢誘導は低電位を呈して、Ⅲ・aVFでQSパターンの様にも見えるが、低電位過ぎてよく分からない。

 この年齢だと一般的には高次医療機関搬送の適応はないので、当院でできるだけの治療ということになる。

 4月から来た先生が診ていて、治療内容の取り決めや病状悪化時の対応の記載がなかった。どうなっているのかわからなかったが、家族に話はしていたようだ。

 2日後の土曜日に亡くなられて、その日の日直だった前からいる先生が看取っていた。DNARの書類は作成しないままになったが、問題はないようだ。

 

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