goo blog サービス終了のお知らせ 

なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

上腸間膜動脈閉塞

2018年03月11日 | Weblog

 木曜日に、外科の先生が画面を見て、「う~ん」とため息をついていた。患者さんは82歳男性で、昨年腸閉塞の手術をして、それ自体はうまくいった。その後食事摂取が進まず、肺炎の治療や偽膜性腸炎の治療をしたり、すっきりと改善せずに入院継続になっていた。

 今回、上腸間膜動脈閉塞を来したのだった。血栓塞栓症ではなく、動脈硬化からの閉塞も可能性もあると言っていた。家族に来てもらって病状を説明した後に手術をするという。CTで左胸水貯留も見えたが、肺炎・胸膜炎がくすぶっているのか、瘢痕様なのかわからない。

 なんでも、上腸間膜動脈を人工血管で直接バイパスすると、大動脈の拍動をもろに受けてしまうため、他の動脈から末梢側でバイパスを作成するらしい。閉塞した部位に直接アプローチできるかどうかも、やってみるという。

 この時はお昼だったので、夜間に診断がついて緊急手術になるよりはいいと思うしかない。外科医が急いで昼食をとりにいった。

 

  

 今日は、今から江部康二先生の糖質制限のセミナー(東京)に行く。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

COPDだけではなかった

2018年03月10日 | Weblog

 金曜日に、山間部の診療所から87歳男性が紹介されてきた。高血圧症で治療していたが、浮腫・息切れがあり、BNP1400と高値だったとある。利尿薬(フロセミドとスピロノラクトン)を処方して、体重が2Kg減少したが、食欲低下・倦怠感が出た。引き過ぎて脱水症をきたしたようですと記載されていた。

 両側下腿浮腫はまだある。家族は、病院嫌いなのに息切れで入院したいと言っているのでひどいんでしょう、と言う。現在も喫煙していて、症状が出てから30本/日を20本/日に減らしたそうだ。ポケットにはちゃんとタバコが入っていた。COPD・肺性心かと思って検査を行った。

 胸部X線・CTでは両側肺に著明な気腫性変化があり、胸水貯留もあった。右肺中葉に軽度の浸潤影?(うっ血?)。心エコーも入れていたので、生理検査室に見に行った。担当の検査技師さんから「ASがあります」と言われた。「5mくらい吹いてます」と。大動脈弁の石灰化・肥厚を認めた。

 酸素飽和度は97%(室内気)と良好で、1秒率は70%と思ったよりは保たれていた。BNP1500。確かに胸骨右縁第2肋間に収縮期雑音はある。心肺合わせ技ということか。

 先月赴任したばかりの循環器科医に相談して、循環器科の入院で診てもらうことになった。患者さんに、「入院したら絶対にタバコは吸えないよ」と言うと、しぶしぶポケットからタバコを出して家族に渡した。

 循環器科が入って少し診療が楽になるかなとは思っていたが、実感した日だった。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

総胆管結石

2018年03月09日 | Weblog

 3月1日に眼科に入院して、2日に緑内障の手術を受けた88歳男性。3日に脳梗塞(左内包後脚のラクナ梗塞)が発症して内科転科となった。朝に右半身不全が目立ったが、幸いに麻痺は軽減した。開業医で処方されているSU薬による遷延性低血糖もからも約2日で離脱した。

 一人暮らしで、家族(息子は東京、娘は県内)は介護保険を申請して施設入所を考えていた。こうなると、このまま急性期の治療後にリハビリをして、回復期リハビリ病棟で施設入所待ちでもいい。

 順調な経過を思っていたら転科4日目の朝に2回嘔吐した。腹痛というのではないが、腹部がやや膨満していた。ざっと見当を付けるのに腹部単純CT検査をしてみた。胆嚢結石と総胆管結石があった。血液検査で入院時から炎症反応上昇と肝機能障害があった。肝機能障害といっても胆道系酵素のみ上昇して、トランスアミナーゼやビリルビンの上昇はなかった。

 ただ入院後から下痢もしていた。これは胆石の症状ではなく、嘔吐と下痢でなんらかの急性胃腸炎の症状であり、胆嚢結石・急性胆管炎ではないかも。その後MRCPで確認してみたが、確総胆管結石はあるが、幸いに陥頓はしていない。発熱もないので、炎症反応と肝機能を再検して、経過をみていいのかもしれない。

 

 家族の話では、これまでも急に嘔吐することがあったというので、結石が悪さをして幸いに大事に至らず経過していた可能性もある。以前からあったはずの総胆管結石だが、わかってしまえば、気持ちが悪い。

 麻痺はごく軽いので、今週いっぱい脳梗塞急性期の治療をして、地域の基幹病院消化器内科で総胆管結石の内視鏡治療をしてもらえないかと思った。電話で訊いてみたが、とてもベットがいっぱいですぐには受けられないという。症状が落ち着いているなら、家族に外来に来てもらって、治療予約にしてほしいということだった。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こんなうつ病って

2018年03月08日 | Weblog

 糖尿病外来に通院している67歳女性が興奮状態で救急搬入された。昨年同様の症状で1か月半ほど内科に入院して、若い内科の先生が対応した。饒舌にしゃべり続ける内容は理解しがたいが、いったいこれは何だろうか。

 精神医療センターにうつ病で通院してSNRIが処方されていた。昨年は器質的な疾患疑いで当院(救急外来で対応)に紹介されている。頭部CT検査や血液検査は異常ありませんという返事を提出している。糖尿病の治療を中断して高血糖になったこともあり、結局当院に入院して、インスリン治療と精神薬処方が行われて、何とか落ち着いたようだ。その後、精神薬は中止されている。

 夫は昨年に続き2回目なので落ち着いたものだった。個室でいいので入院させてもらって、体幹抑制を行ってもけっこうですから、とにかく家には置けません、という感じで話された。

 糖尿病の外来処方は、DPP4阻害薬とSU薬少量(グリメピリド0.5mg/日)だった。入院時は、HbA1c7.6%でそれほど悪くはなかったが、随時血糖は403mg/dlと上昇していた。数日だけ点滴(ソルアセト)をして、インスリン強化慮法を行うと、血糖は安定した。食欲も良好だ。

 あとは精神症状になる。普通に考えれば躁うつ病の躁病期かと思うが、精神科では昨年の症状を、そのようには判断していないのだろうか。今回は初期量くらいの精神薬(リスパダール2mg/日)で開始したので、今のところ効き目は若干というところだ。数日おきに漸増して経過をみることにした。

 気分安定薬はどうしようか。リーマスは院内にないし、使用したことはない。デパケンは院内にあるので使用できる。精神薬+気分安定薬でやってみるのかいいか。内科の仕事ではないと思うが。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さすがDr.CT~肺炎

2018年03月07日 | Weblog

 内科新患を診ていた若い先生(大学病院からのバイト)から、発熱が続いて酸素飽和度が低下した63歳女性のことで相談があった。当院の糖尿病外来に通院している。DPP4阻害薬、メトホルミン・SU薬でHbA1cが6.7%と良好だった。華奢な患者さんで、メトホルミン1500mg/日は多過ぎるかなという印象を受けた。

 2週間前に当院の新患外来を受診した。1週間前から咳と微熱が続いていて、軽度に喘鳴もあったようだ。新患担当医(大学病院からのバイト)は胸部X線で肺炎像がなかったので、PL顆粒とムコダイン(のジェネリック)を処方した。

 症状が続いて、高熱となって食欲も低下して今日の再受診になった。今日の新患担当の先生は胸部X線(正面と側面)を撮影したが、肺炎像はなかった(指摘できなかった)。血液検査で白血球数11300、CRP18.3と炎症反応が上昇している。血液ガスもとってくれていて、酸素分圧が52.4Torr(室内気)と低下していた。

 胸部X線で肺炎はないようですが、と言われたが、これは肺炎に違いない。患者さんを診察すると、軽度に喘鳴が聴取された。気管支喘息の既往はない。気になってRSウイルス迅速試験(ついでに余計かもしれないがインフルエンザも)を出してみたが、陰性だった。肺炎球菌尿中抗原は陰性だった。新患の先生がネブライザーもしてくれたが、喀痰はどうしても出なかった。

 後は、Dr. CTにお任せだ。胸部CTで左下肺野に粒状~斑状影が散布していた。非区域性のようにみえる。斑状影が区域性だとインフルエンザ菌(区域性でも肺炎球菌はあるが)だが、起炎菌は何だろうか。

 気道症状があって、経過が長い時や炎症反応が上昇している時は、あっさり胸部CTを検査している。とにかくDr.CTは優秀で頼りになる。胸部X線は肺炎があるものとわかって見ても、肺炎像は指摘できない。見る人が見ればわかるのかもしれないが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

車で徘徊?

2018年03月06日 | Weblog

 昨日の午後に、路上で倒れていたという83歳男性が救急搬入された。通行人が発見して救急要請した。救急隊到着時は意識清明で、会話可能だったが、話の内容がよくわからなかった。とくに麻痺はない。当院搬入時も同様だった。

 午前9時半ごろに自宅を車で出たそうだ(住所は当市から3つ隣の町)。当初は、病院に行こうとしたと言っていたが、受診なのかお見舞いなのか要領を得ない。何度か聞くと、病院に行こうとしたのではなかった。

 木材加工の仕事をしているが、当市内の電力会社に料金に関する手続きをしに行ったらしい(実際はそういう手続きは不要)。その後は展示をやっているかと思って以前行ったことのある展示会場に行ったらしい(たぶん毎年5月の連休中に開催される展示)。(それぞれの場所にちゃんとたどり着けたかどうかは不明)

 その辺から車を止めたところがわかなくなり、あてどなく数Km歩いていた。少し後ろに反った歩き方で、ふだんはあまり長くは歩いていない。疲れ切って倒れたということらしい。

 血液検査では異常がなく、頭部CT・MRIを検査したが、脳萎縮はあるが(年齢相当かそれより目立つかというところ)、新規の脳血管障害はなかった。

 名前・住所・電話番号は言えて、現在の年月日も言えた。少なくとも重度の認知症ではない、そのうち娘さんが職場から来てくれた。家族構成は夫婦と娘の3人だった。最近物忘れが目立つようになっていたそうだ。

 住んでいるところは狭い地域なので、散歩に出てもたぶん戻って来れなくはない。そもそも歩いての散歩はあまりしていないようだ。車で出かけた用事そのものが、思い込みによるもので、的外れなものだった。どうも、「車を使用した徘徊」ということになりそうだ。それにしても車を運転して、よく交通事故を起こさなかったと感心する。少し前に、高齢者の免許証返納の記事が新聞に載っていた。

 どこに車を止めたかわからないので、探しようがない。誰か不審な車が長く停まっていることに気づいて警察に通報するのを待つしかないか。今回の事情を診療情報提供書(高血圧症で通院している診療所宛て)に記載して、頭部MRIの画像を入れたCDといっしょに娘さんに持たせた。診療所近くの基幹病院に認知症・高次脳機能障害が専門医がいるので、精査はそこに紹介されるかと思う。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

転院また転院~間質性肺炎の増悪

2018年03月05日 | Weblog

 先週の半ばに地域の基幹病院呼吸器内科の先生から間質性肺炎の67歳女性の転院依頼があり、今日が転院日だった。

 5年前から特発性間質性肺炎で通院していた。治療はプレドニン10mg/日。今回は1月末にインフルエンザB型に罹患したのをきっかけに急性増悪した。気管挿管・人工呼吸器装着となり、ステロイドパルス療法が行われた。何とか抜菅できて、ステロイドを漸減して現在はプレドニン15mg/日だった(ちょっと早くないかな)。すっかり廃用症候群となり、リハビリ目的の転院だった。酸素吸入は中止されていた。

 午前10時に介護タクシーで当院着の予定だった。内科外来を診ていたので、外来が終わって昼前に、今後の見通しなどを家族にお話しようと思っていた。ところが、担当の病棟看護師さんから連絡がきた。身長体重を測定しようと車いすから立ち上がった時に、突然呼吸困難になって、酸素飽和度が60%台に低下したという。

 急いでベット上安静(半坐位)にして酸素吸入を開始してもらった。酸素3L/分で酸素飽和度92%(その後96%)になった。心電図・胸部X線・胸部CTのオーダーを入れた。外来の検査結果が出て待っている患者さんを手早く診て、病棟に上がった。

 酸素吸入して患者さんは落ち着いていた。ポータブル心電図は洞性頻脈のみで、虚血性変化などはない。診療情報提供書の記載は、先週FAXで送られてきた内容と同じだった。ただ先週金曜日の検査結果では、それまで下がっていた炎症反応が上昇して、LDHも上昇していた。深部静脈血栓症からの肺血栓塞栓症というよりは、原疾患の悪化が疑われた。画像検査待ちとして、いったん外来に戻った。

 胸部X線・CTの結果は、間質性陰影が先方の病院の最新の画像と比較して、明らか増悪していた。もやっとした柔らかい印象のスリガラス様陰影が肺野全体に広がっている。

 呼吸器内科の先生にすぐに電話で連絡した。ベットを確認して折り返し電話しますと言われた。すぐには返事が来なかったので、病棟師長さんと、「ベット事情が厳しい病院なので、今日すぐは無理かも」という話をしていた。酸素3L/分くらいなので、今日の転院が無理なら、当院でステロイドパルス療法をして1~2日待つくらいはできると見込んだ。幸いすぐに転送して下さいと連絡が来て、救急搬送できた。患者さんの当院滞在時間は約3時間。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脳梗塞

2018年03月04日 | Weblog

 昨日の土曜日は日直で病院に出ていた。眼科の先生から連絡が来て、眼科で入院中の88歳男性が脳梗塞を起こしたという。

 2日前に緑内障手術目的で入院していた。脳梗塞(小脳と後頭葉にラクナ梗塞)の既往があり、当院の神経内科に通院している。プラビックスが処方されていた。

 頭部MRIで確かに左内包に脳梗塞があった。朝に右半身不全麻痺が目立ったが、診察した時には症状は軽減していた。神経細胞が壊死に陥るか助かるかの境目なのだろう。悪化して完全麻痺になってもおかしくない。

 脳梗塞として内科で治療を開始したが、問題がもうひとつあった。内科クリニックで糖尿病の処方を受けている。処方はDPP阻害薬、メトホルミン、SU薬(グリメピリド2mg/日)だった。HbA1cが6.7%と良すぎる。

 朝の血糖が49mg/dlだったが、低血糖としての症状に乏しかった、ふだんから低血糖にさらされているのだろう。眼科医の指示でグルコース混合の点滴とグルコース静注が開始されていたが、またすぐに低血糖になった。グリメピリドの低血糖は遷延する。点滴を5%グルコースから10%グルコースに切り替えて、50%グルコース静注を繰り返した。夕方には血糖90mg/dlくらいにはなって落ち着いたかと思われたが、また血糖20mg/dl台に下がった。

 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標によれば、この患者さん(SU薬あり、75歳以上)では、HbA1c8%未満で良く、下限が7.0%になっている。SU薬を中止して、メトホルミンも漸減中止して、可能ならばDPP4阻害薬だけで7%台になれば充分だ。この目標は、下限値を設定しているところが優れている。

 この患者さんを含めて4名内科入院になり、担当患者数は42名となった。もはや慢性期の精神科病棟と同じくらいになっている。

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リンパ節腫脹

2018年03月03日 | Weblog

 金曜日に他の内科の先生から、相談されたリンパ節腫脹の34歳男性。2月初め(1か月前)から発熱(微熱)が出始めて、頸部リンパ節腫脹もあった。約2週間前からは38℃台の発熱になり、内科クリニックを受診した。

 抗菌薬(ニューキノロン)を処方されたが、症状が続いた。1週間前に当院内科に紹介された。症状としては横ばいで食欲はあった。白血球数10300、CRP6.8と炎症反応が上昇していた。白血球分画は好中球増加で、異形リンパ球・芽球はない。肝機能は正常域。溶連菌迅速試験は陰性。

 外注検査を提出して1週間経過をみたが、症状は継続していた。外注検査の結果はEBVは既感染で、CMVのIgGとIgMが陽性だった。年齢的にもCMVによる伝染性単核球症は合っている。ただ画像に驚いた。頸部もあるが、鎖骨上窩のリンパ節が一塊になっている。気管周囲のリンパ節も腫脹していた。

 これは、1)CMVによる伝染性単核球症として経過を見る、2)リンパ節腫脹が異常なので、当院でリンパ節生検をする、3)高次医療機関に紹介相談する、のどれを選ぶべきか。

 4月から内科専門研修の専攻医が1名当院に来ることになった。昨日は院長先生と一緒に、ホスト病院である医療センターに行って、研修担当の副院長先生に面会してきた。

 昔々当院で初期研修をされた先生で、懐かしそうに当時当院におられた先生方の話をされた。その後当院は新築移転している。もう1名の専攻医も夏に短期間だが当院で研修されるので、その前にでも一度当院を訪問して研修の様子を見たいと言われた。

 これまで面識はなかったが、人望のある(好かれるタイプの)先生で有名なので、経歴は存じ上げていた。にこやかに応対されて、なるほどこういう感じなのかと納得して帰ってきた。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絞扼性腸閉塞

2018年03月02日 | Weblog

 昨日整形外科の病棟で、肝機能障害で内科にコンサルトされた88歳女性の指示を出していた。外注検査に出していたANA・AMAが陰性で、原因は不明だった。治療として、強ミノC(のジェネリック)の静注とウルソ内服を開始したが、その後肝機能障害はほぼ正常化していた。その日無事に大腿骨頸部骨折の手術が行われていた。

 強ミノCの静注をグリチロン内服に切り替えて、ウルソと併用で経過をみることにした。そのうちウルソだけにして継続する予定だ。肝臓の薬(肝機能自体を改善する薬)はあまり進歩してないものだと思う。ウルソはまさに「魔法の薬」だ。

 血小板減少も改善して、15万になっている。画像で肝表面が軽度に凹凸があることと脾腫から、何らかの原因による肝硬変と判断していた。ただ、こんなに改善すると、いったいこの肝機能障害は何だったのかと迷ってしまう。専門医受診の適応もなさそうで、退院後は地元の病院でウルソだけ継続してもらえばいいかと思う。

 隣で消化器科医が画像を見ていた。整形外科に大腿骨頸部骨折で入院して2週間前に手術を受けた89歳女性だった・早朝から腹痛を訴えていて、診察を頼まれたそうだ。腹部CTでは小腸が拡張して消化液貯留が目立った。腹水もある。これは腸閉塞だ。既往に胆嚢切除術がある。腸管の虚血がないかどうか、造影CTを追加するという。

 造影CTでは小腸の一部で造影されない部位があり、絞扼されて血流が低下している。すぐに外科コンサルトされて緊急手術になった。小腸のその部位は壊死に陥っていて切除されたそうだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする