goo blog サービス終了のお知らせ 

なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

人物評価

2014年11月08日 | Weblog

 人事課から内科系医師の評価をするようにと言われた。副院長(内科系)になったので、前の副院長が行っていた仕事が回ってきたのだった。前回のそれぞれの先生方の評価が記載してあった。マイナスの評価にはしていなくて、劣っているところは平均値Cにして、いいところだけ高評価Aにしてあった。仕事ができて人柄のよい先生はオールAの評価で、2名がそうだった。ちょっと問題のある先生はCが多かった。まあ、正しい評価と言えるのだろう。前の副院長は、世事に疎い印象のある紳士だったが、見るべきところは正確に見ていた。まあ変えるところもないので、同じ評価にしておこうと思った。

 これには自分の評価は抜いてある。はたして自分はどんな評価を受けていたのだろうか。そして、副院長の評価は院長がするのだろうか。それとも評価の対象外になってしまうのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続けて3名が亡くなる

2014年11月07日 | Weblog

 午前中に誤嚥性肺炎で診ていた87歳女性が亡くなった。急性腎盂腎炎で入院したが、嘔吐を繰り返していたため、入院後の胸部X線再検で両側肺に誤嚥性肺炎の浸潤影を認めた。抗菌薬で軽快していたが、しだいに全身状態が低下して亡くなった。

 昼過ぎに、緩和ケアで転院してきていた77歳男性が亡くなった。県立がんセンターで肺癌と診断されたが、手術はもちろん放射線療法・抗がん剤治療の適応なしと判断されて、緩和ケアのみで経過を見られていた。食欲不振・倦怠感で入院を希望されたので当院に紹介された。印象では1か月持たないだろうというものだったが、3週間だった。

 夕方には今日の朝方に入院した75歳男性が亡くなった。心肺停止で救急搬入され、当直だった他院の先生(自治医大出身)が心肺蘇生術を行って、心拍は再開した。気管挿管・人工呼吸の状態で外来で検査をして、急性大動脈解離と診断された。両側肺に浸潤影様の陰影を認めた。大動脈破裂による出血なのかもしれない。昇圧剤を入れても血圧は維持できず、約半日持ったところでダメだった。年齢はそれほどでもないが、50歳代から脳梗塞を3回繰り返して寝たきり状態で介護を受けていた。

 1日に同じ主治医の患者さんが3名というのは珍しい。2名というのは時々あるが、3名はそうないでしょう。もっとも3人目の症例は循環器科医が週末から休みに入るので内科に押しつけられたといえる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

COPDの増悪

2014年11月06日 | Weblog

 87歳男性が内科クリニックから肺炎で紹介された。当院の糖尿病外来に通院していて、血糖コントロールが最近悪化していた。3-4日前から息切を自覚していたが受診していなかった。今日は滲出性中耳炎で通院している耳鼻咽喉科を受診して、息切れを指摘されて、内科クリニック(両クリニックは場所が近い)を受診するよう勧められた。酸素飽和度が室内気で70%台だったので、あわてて搬送となった。

 胸部X線・CTを見ると、両側肺にびまん性に気腫性変化があった。両肺の背側に浸潤影があったが、気腫性変化があるのでツブツブの浸潤影になっている。他の肺野にも淡い陰性が斑状に散布されていて、肺うっ血のようだ。80歳の時に禁煙するまで、長年喫煙していた。ただこれまでは肺炎で入院したことはない。酸素吸入3L/分でも酸素飽和度が80%後半で5Lまで上げた。血液ガスで高炭酸ガス血症はなく、むしろ頻呼吸のため呼吸性アルカローシスだった。ふだん寝たり起きたりの生活なので、下半身の背側に浮腫があった。

 COPDの肺炎による急性増悪で右心不全併発と判断した。点滴から抗菌薬を投与して、利尿剤も少量静注した。この方は搬入された時から良くしゃべる。付いてきた娘さんの話ではヘラヘラとしゃべるので、具合が悪いかどうかの判断がつかないという。

 大学病院から呼吸器科外来に来てもらっている先生から、肺癌の患者さんの相談を受けた。県立がんセンターで肺腺癌の化学療法を受けていたが、もう治療困難になってBSCの方針になっている45歳男性が、当院にも通院していたそうだ。今後またがんセンターの外来に行くが、おそらくもう地元の病院で最期まで診るいう方針になりそうだという。付いては、入院になった時の治療をお願いしたいというものだった。診るのはいっこうにかまわないが、40歳代という若い患者さんの終末期はあまり診ることはない。いつもの70~80歳代の患者さんのようにはいかないだろう。対応に関して、けっこうもめるのではないかと思われた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リウマチ性多発筋痛症?、男子の片頭痛

2014年11月05日 | Weblog

 86歳男性がうっ血性心不全の悪化で入院した。下腿浮腫と両側胸水の増加があったが、酸素飽和度の低下は軽度で、持続点滴の治療は行わずに、経口利尿剤の追加で経過をみた。入院後、しだいに改善して胸水は軽快した。今日の結果で退院にするつもりだった。

 BNPは1800が500弱に低下していた。ループ利尿剤による低カリウム血症もアルダクトンAの併用量増加で正常化していた。ところが、白血球数13000、CRPが6.8と炎症反応が上昇していた。感染症らしさはなかった。偽痛風などの関節炎ではないかと思ったが、特に関節痛はなかった。患者さんの話では2日前から両側大腿部近位の疼痛があって、動きにくいという。把握痛もあった。上肢は特に疼痛はなく、上肢を拳上できた。リウマチ性多発筋痛症が疑われた。プレドニン10mg/日内服で1週間経過をみることにした。

 午後に高校3年生男子が頭痛と嘔吐で母親に連れられて受診した。朝学校に行ってから、視野の一部が見えなくなり、その後から頭痛が出現した。拍動性かと、わかりやすく聞いたが違うという。まあ必ずしも拍動性ではない。高校1年生から年に1~2回同様の症状があった。昨年は学校の先生が、当地域の基幹病院に連れて行って、頭部CTは異常なしで、片頭痛かと言われたそうだ(母親の話)。頭部MRIが予定されたが、症状もないので行かなかったそうだ。神経内科医が診察したらしい。今年の7月にも同様の症状で時間外(夜間)に当院を受診していた。古典的片頭痛でいいのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

急性閉塞性化膿性胆管炎

2014年11月04日 | Weblog

 88歳男性が2日前の日曜日に上腹部痛で受診した。律儀に当番医を受診されて、すぐ当院へ紹介された。胆道系の拡張があり、総胆管結石と胆嚢結石があった。バイタルは安定していた。受診時には37℃台だったが、外来で検査しているうちに38℃を越えた。休日でも胆道ドレナージできる病院に電話してみたが、満床で無理だった。自分で車を運転して受診していて、話しぶりもしっかりしていた。当院入院で抗菌薬を投与して、連休明けに再度交渉することにした。

 入院後、腹痛は治まったが、発熱が続いていた。今朝は血圧が80mmHg台に低下してしまった。急性閉塞性化膿性胆管炎になっている。あわてて点滴を追加したが、早急に胆道ドレナージを要する状態だった。一番近い当地の基幹病院に電話すると、胆膵担当の先生(ひとりしかいない)が今週いっぱい休みと言われた。日曜日に連絡した病院に再度電話すると。満床は同じだが、何とかしましょうと受けてくれた。この病院は満床の時は、さらに簡易ベットを使って診療するという離れ業を行う(たぶん外来診療扱いで対処しているのだろう)。紹介状に感謝の言葉をふつうの2倍書いた。

 患者さんは当地で独り暮らしをしていた。息子さんは搬送した病院のある市内に住んでいる。今日の午前中当院に来てもらって相談することにしていた。電話すると当院に向かう途中だったという。電話で病状を説明して、搬送先の病院に直接向かうようにお願いした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安定剤過量・リストカット

2014年11月03日 | Weblog

 昨日日直で高校2年生女子が受診した。クリニックでもらったリーゼ(10mg)を8錠いっぺんに飲んで、ぼんやりしていた。救急車ではなく、母親が連れてきた。他にも誰か付いて来たのかもしれないが、他の患者さんのことで忙しく、直接そばについていた母親しか見かけなかった。

 昨年からリストカットをしていて、左前腕に4か所の傷があった。近くの精神科クリニック(高齢の精神科医、たぶん廃院も視野にある)に連れて行ったが、県立精神科病院に紹介になったそうだ。特に処方はなく、カウンセリング(母親の話)で経過をみることになったそうだ。近くの内科外科クリニックを受診してリーゼ朝夕内服が処方された。そこはもともと外科医なので、そこでリストカットの傷をみてもらったのかもしれない。

 ご本人は、ぼんやりとしているが、会話はできた。母親と言いあうと、死にたいと言ったりした。とりあえず、点滴を開始して血算・生化学検査をした。飲んで間がないので、当然異常なしだった。時間が経っても肝機能腎機能に異常をきたす量でもない。

 母親に、このまま入院して明日まで病院で経過をみてもいいが、家族が必ず付き添ってもらうことになると説明した。経過をみるだけなので、しばらく病院で様子を見て帰宅するのもあると伝えた。母親は今日は連れて帰るという。外来で500mlを2本点滴してからの予定だったが、1本目の終わりで自分で抜いてしまった。もう点滴はいやだという。今日明日は自宅で厳重に監視して、連休明けに以前受診した精神科病院を受診することとした。

 多少は精神科医の本を読んでいるので(春日武彦先生に特化しているので、かたよっているかも)、精神科診療が見当がつく。統合失調症のように効果のある処方があるわけもなく、精神療法的なこと(話をきくだけか)を続けるだけになるのだろう。ある程度大人になるまで、大きくアクティングアウト(自殺も含めて)しないように関わっていくだけらしい。母親によれば、朝に腹痛を訴えたりして遅刻が多いが、今のところ完全な登校拒否ではないという。卒業にたどりつけるのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

異常酩酊?

2014年11月02日 | Weblog

 首都圏から職場旅行で当地に来ていた50歳代男性が救急搬入された。朝に集合して、バスの中でけっこう飲んでいたそうだ(ビールと焼酎)。もともと毎日飲酒するそうだが、いつもの付き合い酒では特に問題なかったという(普通に酔うということ)。今日はしゃべらなくなり、じっとしていたかと思うと、急に動き出すようになった。ある程度抑えて、声をかけ続けないと勝手に動いてしまう。救急要請されて現場に着いた救急隊もじっとしていないので、バイタルもとれず困ってしまった。病気でないか診てほしいと受け入れ要請が入った。外来患者さんが切れ目なく受診して、外来で点滴しているうちの数人は入院になるという状況だった。異常酩酊というものかと思ったが、これまで診たことがあるような気もするが、よくわからない。とりあえず病院に連れてきて、おいて帰ればいい救急隊と違って、病院は対処しなければならない(心の中の悪態)。

 ある程度目途がつくまで、病院にいますからと救急隊が食い下がってくる。当院しか引き受けることができないのは分かっているので(実質的に当地域唯一の救急病院)、来てもらうことにした。家族に連絡して病歴を聴けるだけ聴くようにと伝えた(病院より救急隊からの方が答えてくれる)。

 病院に来ると、なるほど動き回ろうとする。発語はない。それでも、ひどかった時より少し勢いが治まったそうだ。家族に聴いた話では、高血圧症で通院している。酔うとおかしな状態になることが、これまでもあったそうだ。当院でも酔って救急搬入というのは時々あったが、いかにも酔っていると分かりやすい状態だった。今日の場合は、単に酔っているのではなくて何か病気なのではないか、と思わせる雰囲気が確かにある。ただ、家族の話を聞くと、異常酩酊の範疇なのかもしれない。この患者さんにずっとかかわっていられないので、職場の同僚に監視してもらって経過をみることにした。動き回るので点滴も採血もできなかった(5人で本気になって抑えればたぶん採血くらいはできるが)。

 そのうち、こちらの顔をみて話をするようになった。まだ動きまわろうとはするが。さらに経過をみて、普通の酩酊っぽくなった。少し頭が痛いというので、これ幸いと検査しましょうといって頭部CTをとった。異常なしだった。入院でみるのはむずかしいので、帰宅とした。同僚には迷惑だろうが、今日宿泊予定の温泉旅館で酒を飲まないように見張っていてもらおう。

 精神科救急をやるために精神科病棟を50床に増やしたS市立病院の新病院(525床の大病院)への引っ越しが無事終了した、という記事が新聞に載っていた。ただ、この病院は精神科救急を期待された2名の精神科医が次々にやめてしまっている。大学病院などからの赴任の当てはまったくないそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「肝炎の診かた、考え方」

2014年11月01日 | Weblog

 「肝炎の診かた、考え方」中外医学社を読んでいる。肝機能検査の読み方と肝炎の基本的な知識がコンパクトにまとまっていて、肝臓病を専門にしていない医師には十分な内容だ。肝機能障害の診かたを分かりやすく記載した本は意外にない。

 それにしても、急性肝炎を見ることはほとんどなくなった。肝炎ウイルスによる急性肝炎を最後に診たのは、10年前に仕事で中国に派遣された40歳代男性が、現地でA型急性肝炎になって日本に戻ってきたというものだった。入院を希望しなかったので、外来で経過をみて治癒した。ここ数年はEBウイルス感染による急性肝炎が数例あった。B型肝炎の無症候性キャリアで半年おきに経過をみている40歳代男性がひとりいるくらいだ。昔、消化器病棟といえば、数人のB型慢性肝炎の患者さんが強力ミノファーゲンンCの静注をして1ケ月入院していたものだ。当院消化器科の外来でも、B型肝炎で通院している患者さんはほとんどない。C型肝炎は何人かいるが、いずれもかつてインターフェロン治療を行ったが、ウイルスが消えなかった人たちだ。70歳以上になっていて、対症療法で経過をみるのみになっている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする