goo blog サービス終了のお知らせ 

なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

慢性呼吸不全の急性増悪

2013年09月19日 | Weblog

 内科クリニックからチアノーゼの78歳女性を救急搬送したいと連絡が入った。救急隊が酸素3L/分としてきたが、酸素分圧は70だが、炭酸ガス分圧は88と上昇していた。もともと左肺は小児期からの結核後遺症でつぶれていた(destroyed lung)。右肺も正常とはいえず、背側に軽度の肺炎をきたしていた。慢性呼吸不全の急性増悪だった。廃用性萎縮で3年前から寝たきり状態になっていた。理解力も低下していた。 酸素0.5~1L/分で調整して酸素飽和度が80%大後半ならばよしとするしかない。幸いに1L/分でぎりぎりに保たれるようだ。やるとすればNPPVだが、この方ではなじまないと思われる。

 別の内科医院から紹介された82歳女性は、2日前から元気がなくなり、ほんやりしているという。肺炎もないし、原因となる感染症を指摘できないと紹介状に記載していた。確かに胸部X線・CTで明らかな肺炎はない。尿路感染症とも言い難い。胆嚢に結石が2個あったが、胆嚢炎の症状や所見はない。関節痛や筋肉痛もなかった。心雑音や敗血症性血栓もなかった。項部硬直もなかった。元気がないが話はできる。何だかわからないが、入院で経過をみることにした。血液培養提出後に抗菌薬を開始したが、根拠のない投与ということになる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日は余裕

2013年09月18日 | Weblog

 今日は外来患者数が少なく、珍しく12時前に終わった。時間があったので、パーキンソン病の夫の介護をしている妻の愚痴(夫へあるいは介護施設への)を聞いたりしていた。ご本人も両側膝関節症があり、名前を呼んでも診察室に入ってくるまで時間がかかる。

 午後は医局で連休中に読み切れなかった「腎疾患診療のポイント」を読んでいた。15年前に南江堂から出版された本の改訂版で、前の本も4回読んでいるが、あまり覚えていない。実際は外来にネフローゼ症候群やRPGN疑いの患者さんが初診で来ると、腎臓内科医に相談に行くので、継続して診ることはない。当院は腎臓内科医が1名で毎日大学病院から透析の応援医師に来てもらっている。したがって、緊急に腎生検が必要な腎疾患は腎センターのある専門病院に送っている。入院精査後に、治療方針が定まって病状が落ち着いたところで、当院に戻してもらい、腎臓外来で診たり、透析を継続したりしている。

 化学療法学会から「抗菌薬適正使用生涯教育テキスト改訂版」が送られてきた。装丁が地味で読みづらそうだ。10月末に化学療法学会に行くので、その前に感染症の本を読み返す予定だが、読みやすい矢野先生の本か本郷先生の本にしよう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

急性腎盂腎炎

2013年09月17日 | Weblog

 昨日の内科日直で急性腎盂腎炎の高齢女性2名入院した。今日1名は解熱してきたが、もう1名はまだ38℃の発熱がある。急性腎盂腎炎はmicroabscessなので3日は治療しないと解熱しないと最近よく聞く。尿路閉塞はなく、免疫不全もないので、何とか治ると思う。昨日救急搬入された頭位変換性めまいの高齢女性は症状消失して今日退院した。BPPVはNHKのためしてガッテンで特集していた。耳石が溶けるところを初めて見た。BPPVの慣れの現象といわれていたものも、頭を左右に動かしているうちに溶けるということなのかもしれない。今後に出版されるBPPVの説明も変わってくるのだろう。

 内科の若い先生が当直の時に急性腎盂腎炎の20歳台女性が内科クリニックから紹介されて入院していた。今日画像を見せてもらうと、左腎臓上極にけっこう大きな嚢胞があり、造影CTで被膜が少し造影されていた。隔壁が1か所だけあった。膿瘍とは言えないようだが、嚢胞内に感染を起こしていると抗菌薬だけで治るかどうかと悩んでいた。泌尿器科医に相談して、泌尿器科的な処置が必要かどうか検討してもらうことになった。入院4日目で解熱傾向にはあるようだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

非結核性抗酸菌症

2013年09月16日 | Weblog

 基幹病院の呼吸器科に通院している77歳女性は肺炎の進行で発熱が続いていた。もともとは膠原病(SLEということになっている)で退職した内科副院長先生の外来に通院していた。その先生が退職した後は、私の外来に通院していた。膠原病に伴う間質性陰性があり、昨年咳・発熱で胸部X線をとると、左下肺を中心に陰影が増加していた。膠原病肺ということで、呼吸器科に紹介したが、細菌性肺炎として治療して改善したという。しかし検査で非結核性抗酸菌症があることがわかり。それはじわじわと進行した。抗j結核薬は副作用で使えず、中断せざるを得なかったそうだ。

 先月から発熱が続いて、呼吸器科で外来治療をしていた。入院しても良くならないといわれたそうだ。確かに抗結核薬を含めて多剤併用ができなければ、治療の見込みはないのだろう。食欲がなくて点滴を希望する時は、当院を受診するようにということだった。先週から外来で点滴をしていたが、発熱は続いていた。今日は日直で出ていたが、家族の希望を聞いて入院とした。細菌性肺炎が併発していれば、そこには抗菌薬が効くかもしれないが、元の病気は経過観察のみとなる。3日後に呼吸器科の外来予約があるので、今後治療について問い合わる紹介状を家族に持たせて、返事をもらうことにした。点滴と細菌性肺炎の治療で経過を診て下さいという返事がくるとは思うが、家族に今後の見通し(予後不良)を説明してもらえれば、あとはこちらで最期までみてもいい。補中益気湯で体力が少し改善しないかな(無理だろうなあ)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まだ高血糖

2013年09月15日 | Weblog

 急性腎盂腎炎から敗血症になった51歳女性は感染症は改善したものの、元々糖尿病のコントロールが悪く、まだ高血糖が続いている。アマリール6mg/日にジャヌビア・メトホルミン・ベイスンが処方され、ランタスを40単位/日の打っていた。肥満があり、食事は好きなように食べていた。血中Cペプチドは高い値を示していた。糖尿病食1200Kcal/日と減量のために厳しい食事療法にした。今は腎障害を併発して回復中なので、メトホルミンは使えないが、普段の血清クレアチニン値は正常域なので、もとに戻れば1500mg/日は使いたいところだ。ランタスは、おそらくBOTとして開始して、最終的にここまで増やしてしまったものと思われる。3か月くらい入院できれば、何とかできるかもしれないが、そうもいかないだろう。食事療法を守れない肥満の糖尿病患者は難しい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若手医師セミナー・林寛之先生

2013年09月14日 | Weblog

 昨日はファイザーの若手医師セミナーを見に行った(中継)。今回は林寛之先生のERで見逃しやすい疾患の話だった。なんだか寺沢先生に似てきたような気がする。後半はあぶない患者さんの話になった。当院でも893の方の話があって、消化器科に肝硬変で入院したのが、その筋でえらい人だったらしく、子分のみなさんがソロソロと病室に付いてきた。特に診療上は問題にはならなかったそうだが、担当の消化器科医がお見舞いに来るのは家族に限るようにお願いしたと言っていた。婦人科外来でおそらく境界性の若い女性が暴れて、婦人科医が軽いけがをした。その後、病院の安全委員会で話し合われて、林先生も言っていたサスマタを購入した。警察を呼ぶタイミングも難しいらしいが、私が来てから8年経つが、その間にはなかった。

 「ケースアプローチ腎疾患診療のポイント」を購入して、この連休はこの本を読み切るのが目標。以前に同じ著者が、文光堂で出した本の改訂版に相当する。腎疾患30症例を覚えれば、非専門医としては充分だと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

顔の蜂窩織炎?

2013年09月13日 | Weblog

 関節リウマチで外科に糖尿病で内科に通院している73歳男性が3日前からの発熱で受診した。発熱以外の症状はない。胸部X線で肺炎はなかった。尿混濁があるが、この方は糖尿病外来で行っている定期検査でいつも尿が混濁しているので、今回の発熱の原因と確定できない。頻尿・排尿困難などの前立腺肥大の症状はなかった。尿培養と血液培養2セットを提出した。顔面が赤く見える。境界は不明瞭だった。単に発熱で赤いだけではなくて、発赤していると判断された。顔の皮膚が痒くてひっかいるらしい。普段の顔は知らないが、蜂窩織炎でいいような気がする。一人暮らしで妻は精神科病院に20年以上入院しているという(統合失調症?)。娘二人は近くにいないので、妹夫婦が連れてきていた。一人暮らしではもちろん入院になる。

 糖尿病はインスリンを朝夕注射しているが、最近の血糖コントロールは悪く、HbA1cが8.9%だった。インスリンにDPPⅣ阻害剤を加えるといいと思うが、まずは感染症の治療だ。蜂窩織炎の場合はセファゾリンを使用するが、顔面の場合はインフルエンザ菌のことがあると岩田先生がDVDで言っていたので、抗菌薬はセフトリキソンにした。リウマチの治療でプレドニン10mg/日が処方されているのもよくないと思うが、この年齢でどう変えるかというとまた難しい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肺癌緩和ケア中ー心室頻拍

2013年09月12日 | Weblog

 肺癌で緩和ケア中の80歳台男性が急にけいれん様の動きをして意識が低下した。病室に行ってみると、頻拍になっていて脈は触れるものの、血圧は測定できない。心電図モニターには心室頻拍の波形があった。リドカインを静注すると、多少心拍が遅くなったが、あまり効かなかった。もうだめかもしれないと思っていると、そのうちに100ちょっとの心拍数に戻った。循環器科医に聞くと、それは自然に治ったのだろうという。使うならアンカロンということだが、この状況で使うのは怖い気がする。とりあえず洞調律が続いている。

 ここ数日は会話もできなくなっていて、週末までかなと予想された。食欲不振・全身倦怠感で入院して、ステロイド(デカドロン)を使用したが、食欲が戻ることはなかった。点滴と奥さんがいるときに数口アイスを食べたり、水分をとるくらいだった。ステロイドで一時的には食欲が出る癌終末期患者さんが多く、今回も一時的には良くなると思っていたが、ほとんど効いていなかった。癌性疼痛がない方で、このまま静かに看取るはずが、一時的にせよバタバタした展開になってしまった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肺アスペルギルス症・嚥下障害

2013年09月10日 | Weblog

 肺炎・肺膿瘍の82歳男性が基幹病院の呼吸器科から転院してきた。嚥下障害があるが、家族は経口摂取させていと希望しているという話だった。今日来てみると、前医の主治医は電話で連絡してきた先生とは違っていて、紹介状の内容も違っていた。

 直接穿刺して出た菌名1種類と使った抗菌薬が書いてあるだけだったが、実際は3種類の菌名があり、アスペルギルスも証明されたとあった。抗真菌剤も投与されていた。それも昨日まで使用していて、それで終了していいのか、継続投与なのかも書いていない。

 経口摂取すると確実に誤嚥性肺炎を起こして亡くなりますと説明して、家族は納得されていますとあったが、家族は経口摂取できるものと思っていた。昨年脳梗塞で入院していた。多発性ラクナ梗塞だが、脳室が拡大していた(正常圧水頭症というほどではない?)。見たところ、経口摂取はむりだなあと思われたので、ゼリー食から試してみるが、嚥下できない時は経管栄養を考えますと伝えておいた。ゼリー食や、その上のソフト食(ムース状)くらいなかまだいいが、全粥刻み食の段階で誤嚥すると両側肺炎で一気に呼吸困難となる可能性がある。

 いろいろと問題があって、対応が難しそうだ。肺癌の緩和ケアで紹介される方がましかもしれない。まず、できる範囲でやってみるしかない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

週末に誤嚥性肺炎

2013年09月09日 | Weblog

 この週末、癌の緩和ケアをしている入院患者さんは、それほど変わりなかった。びまん性肺胞出血で基幹病院呼吸器科から転院してきた82歳男性が土曜日に誤嚥性肺炎となって、酸素吸入・抗菌薬投与が開始された。もともとの肺疾患はプレドニンを30mg/日まで減量したところで、当院に来た。脳梗塞の既往があるところに廃用症候群が加わって、動くのが困難になっていた。リハビリでつかまり歩行ができるようになったばかりだった。飲み込みが悪そうで、痰がからむとは思っていたが、やはりという感じで誤嚥性肺炎発症となった。

 今日は解熱して酸素濃度も減量できてきた。ただし、肺炎は軽快しても経口摂取ができるかどうかはわからない。この方は妻子がかなり前に死亡していて、内縁の妻といっていいのか、同年輩の女性と20年暮らしていた。責任者は甥になっているが、なにしろ遠方に住んでいるので、すぐに来れるわけではない。そもそも数年間行き来がなかったのが、基幹病院入院時に呼ばれて1回来ただけだった。

 その女性に来てもらって、誤嚥性肺炎の治療中であること、肺炎自体が治るかどうかは経過をみないとわからないこと(治っては来ているようだが)、肺炎が治ってもうまく経口摂取できるかどうかはわからないこと(再発の可能性が高い)をお話しした。病院にお任せしますということになった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする