4月12日に記載した多発性肝転移の患者さんのその後。
4月9日に右側腹部~背部痛で受診して、多発性肝転移を認めた。原発は消化器癌が疑われたが、はっきりせず、放射線科の読影レポートで(原発とするには疑問な)膀胱癌疑いのみ指摘されていた。
消化管内視鏡検査は希望せず、尿細胞診を提出して、鎮痛薬で結果待ちにしていた。鎮痛薬はアセトアミノフェンにトラマドールを追加した。
4月15日に同じ痛みで体動困難として救急要請して搬入された。救急担当の内科医がそのまま地域の基幹病院消化器内科に搬送していた。
翌16日に当院の地域医療連携室に連絡が入り、BSC(緩和ケア)のみとなったので、当院に転院させたいという。その日の午前中に当院に搬送となった。
15日に当院搬入時に胸腹部CT(単純)が行われていた。当院の放射線科読影は遠隔診断になっているが、その日は放射線科医が直接当院に来て読影する日だった(週1回)。
担当はがんセンターの放射線科医で、当院に放射線科常勤医がいた時から手伝いに来ている。その先生の読影レポートでは、「多発性肝転移、食道癌」となっていた。前の週に行った造影CTも参考にして読影したのかもしれない。その目で見ると、確かに食道下部に腫瘤がある。
基幹病院でもCTで食道癌が疑われて、上部消化管内視鏡検査が行われた。食道下部(ECJ直上)に計3cmの黒色の1型腫瘤があり、胃内にも黒色斑点が散在していた。両者から生検が行われている。(内視鏡の検査結果用紙も含まれていた。病理の結果は後日報告とある。)
胸腰椎に骨転移もあると指摘されていた。CTでわかりにくいので、胸腰椎のMRIも行うことにした。頸椎も含めて撮ってくれたが、全体に骨転移を認める。
鎮痛薬としてアセトアミノフェン・トラマドールにロキソプロフェンが追加されていたが、それでは痛みは治まらない。家族とも相談して医療用麻薬を使用することになる。
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