なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腹壁膿瘍

2017年06月15日 | Weblog

 今日の午後は救急当番をしていた。内科医院から、60歳代初めの女性が腹痛で救急搬送されてきた。FAXされてきた紹介状には、左上腹部痛とあった。搬入されて、さて何だろうかと腹部をみると、左上腹部に腫瘤があった。皮膚表面がまだらに発赤して熱をもっている。

 食事はとれるそうで、どうも腹壁内の問題らしい。縦13cm横15cmの円形の腫瘤だった。臥位から上半身を起こそうとすると余計に痛いという。ここまで大きいと、Carnett徴候といっていいのかわからなくなる。

 先々月から痛みがあり、先月から腫瘤をh触知するようになったという。受診はせずに様子をみていたが、今日は痛みが悪化して受診したそうだ。医院の先生(女性)もびっくりしただろう。発熱もあって、頻脈気味だが、それほど緊急性はないようだ。どうして、ここまで受診しなかったのか不思議だが、特に認知力に問題はない。

 CTをとると、左上腹部の皮下組織から筋層にかけて、膿瘍と思われる陰影がある。炎症反応は白血球数は正常域でCRPが12だった。健診で指摘されたことはないと言っていたが、ありそうだと思っていた糖尿病があった。HbA1c8.7%。

 外科にお願いして、入院になった。血液培養2セットを出したが、菌は出ないような気がする。皮膚表面には傷がないことから、外科医は明日心エコー検査を予約していた。明らかな心雑音はないが、感染性心内膜炎疑いになる。齲歯はないようだが、まあ歯磨きをしても一瞬菌血症になるらしいから。

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