なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血糖コントロールの請負い

2018年02月08日 | Weblog

 当院は糖尿病専門医はいないので、内科で手分けして担当している。外科系他科に入院している糖尿病の患者さんの血糖コントロールも依頼される。現在は、外科3名・整形外科1名・皮膚科1名の計5名の血糖コントロールを請け負っている。

 そのうち外科に入院している66歳男性は糖尿病性神経障害で歩行障害があり、神経因性膀胱尿閉)もある。自宅内ではつかまって会歩いたり這ったりで動いていたらしい。独身で兄弟と二人暮らしだが、地元の町役場で介入したところ、家の中はゴミ屋敷状態だという。定年まで普通に仕事をされていて、会話するとまったく理解力には問題がない。性格的なもののようで、こちらの言うことに反抗的でもなく、飄々としている。

 30歳代で糖尿病を指摘されていたという。父親は糖尿病だったが、80歳代で脳血管障害になって亡くなった。胃潰瘍で近くの医院(有床)に2回入院したことがあり、入院中と退院後の1か月くらい糖尿病の治療を受けたが、その後は面倒になってやめてしまった。

 今回は両足の熱傷で入院している。一見糖尿病壊疽かと思われるが、両側の足背動脈は良好に触知された。随時血糖424mg/dl、HbA1c9.4%だった。

 DPP4阻害薬を開始して、外科医の指示していたヒューマリンRのスケールで少し経過をみていた。外注の結果が帰ってきて抗GAD抗体は陰性だが、Cペプチドは0.6ng/mlとインスリン依存状態に相当した。インスリン強化療法に切り替えることにした。

 痩せていて浮腫はほとんどない。血清クレアチニンは0.52mg/dlだが、低蛋白血症・尿蛋白陽性(14g/gCr)でネフローゼだった。

 整形外科で膝関節の手術目的で入院した79歳女性は、糖尿病の血糖コントロールのため術前2週間前に入院した。整形外科手術では厳格な血糖コントロールが要求される。地元の町の診療所からDPP4阻害薬・SU薬最低量・SGLt2阻害薬が処方されていて、1か月前の結果は空腹時血糖124mg/dl・HbA1c6.4%と良好な値だった。入院すると毎食前血糖が130~150mg/dl台で、インスリンを少量使用することになりそうだ。

 当院に糖尿病専門医が赴任する可能性はゼロではないが、5~10年先かもしれない。

 

 

 

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