なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

気管支に落ち込んだ歯

2018年01月05日 | Weblog

 木曜日の夜間に85歳男性が喘息発作で入院した。喫煙による肺気腫があり、明らかな肺炎がなくても喘息発作をきたす。4年前と昨年に計3回の入院歴があった。入院中にステロイドを漸減中止してすぐに喘息発作を起こしたり、慢性閉塞性肺疾患の急性増悪というよりは、喘息発作とした方がしっくりくる。

 昨年春に内科を退院した後は、かかりつけの近くの内科医院に通院していた。その後夏に、動きが悪くなって当院の救急外来に搬入された。頭部CTで小脳出血を認めて、地域の基幹病院脳神経外科に搬送となった。急性期の治療(保存的)の後、当院の回復期リハビリ病棟(神経内科)に転院してきた。この経緯は把握していたが、その間にこんなエピソードが起こっていた。

 転院後に、また喘鳴・呼吸困難となった。これまでの既往があるので、酸素吸入などが行われたが、胸部X線で異常な陰影が写っていた。胸腹部CTで確認すると、右気管支内に歯が落ち込んでいた。(上行結腸内にもあるが、こちらは自然に排出される) 基幹病院呼吸器内科に転院して、気管支鏡で無事に摘出された。5日後に当院に戻って、リハビリを1か月行って退院になった。

 確かに数本の歯が残っていて、柔らかい食事にしかとれなかった。グラグラしていた歯が断続的に抜けたのだろう。抜けたことにご本人は気づいていたはずだが、抜けたことと呼吸困難になったことはむすびつかなかったようだ。

 

コメント (1)
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