goo blog サービス終了のお知らせ 

なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

経管栄養か中心静脈栄養か

2013年12月23日 | Weblog

 85歳男性が脳梗塞で入院している。高血圧症・心房細動で通院していたが、めまいを訴えて頭部MRI検査をすると、右傍側脳室に梗塞巣を認めたが、それよりも両側の内頚動脈が閉塞していて驚いた。左は外頸動脈からのバイパスが形成されていたが、右はバイパスもなく、脳梗塞がラクナ梗塞程度で済んでいるのが不思議なくらいだった。MRAで右中大脳動脈領域に脳血管が見られない。入院して経過をみていると、予想されたように、次第に中大脳動脈領域の梗塞巣が広がってきた。MCA領域全体ではないので、右側にも周囲から細いバイパスがあるか、動脈綸から回ってきていると推測された(もやもや病ではない)。脳外科医の判断では、どうしようもないということだった。よく今まで自力歩行していものだと感心するくらいだ。4年前の頭部MRI検査では、脳血管全体に動脈硬化はあるが両側内頸動脈はちゃんと写っているので、その後に動脈硬化がゆっくり進行したものと思われる。

 会話は何とかできるが、嚥下障害で食事摂取がうまくできない。左半身麻痺については、あきらめるしかない。嚥下だけ残ってほしいと思っていたが、難しくなった。経過中に末梢からの点滴でも意外に血清蛋白は下がらなかったが、このまま経口摂取がゼリー食少量のみでは、次第に下がってくる。経管栄養に持っていきたいが、この方は数十年前に胃切除術を受けていて、残胃として1/3残っているだけだ。通常は内視鏡的胃瘻造設は困難だ。内視鏡で胃を拡張させてみないと正確にはわからないが、だぶん穿刺はできない。

 連休明けに、経鼻チューブによる経管栄養にするか、中心静脈栄養にもっていくか決めることにしている。家族(息子さん)に電話で方針を伝えたところ、お任せしますと言われた。どっちにするか、まだ迷っている。

 内科学会雑誌2013年12月号が届いた。来年の内科学会での実践的障害教育プログラムの予定が記載してあった。今回も申し込むが、応募が殺到するので、受け付け開始になったら、即手続きをしないといけない。あとは地方会教育講演会の日程を確認して終了だ。内科学会雑誌って、ほとんど読んでない。今はテーマ別の特集になっているが、ずっとずっと以前は研究論文だけの記載だったので、封も切らずに捨てていた。今はとりあえず封は開けて、教育講演会などの日程を確認している。ちゃんと読んでいる会員もいるんだろうが、正直言って羊土社や医学書院の雑誌や本を読んだ方が役に立つ。オールカラーで20ページくらいの小冊子にして、すぐ役立つ記事を載せてほしいけど、学会の権威にかけてできないとは思う。ホームページで学会誌を見るようにしている学会もあって、そのほうが紙のムダがないし場所もとらない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする