教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

東広島市から福島市へ

2005年05月21日 23時55分55秒 | Weblog
 本日より、全国地方教育史学会第28回大会に参加するため、福島へ向かいました。
 同大会の日程は次の通り。
  一日目(5月21日): 史料見学会(福島県歴史資料館)、懇親会
  二日目(5月22日): 研究発表・シンポジウム・総会(福島大学教育学部)

 21日は、だいたい午前5時ぐらいに起床。東広島駅より、6:40の新幹線に乗る。6:30ごろ駅に入ろうとすると、逆方向から研究室OBの先輩Kさんが歩いてきたので合流。学会一日目の史料見学会に参加するにはこの新幹線に乗るしかなかったので、必然的に合流することになったらしい。東広島駅はなんと「こだま」しか止まらないので、福山で「のぞみ」に乗り換え。東京で東北新幹線に乗り換えて、ようやく13時直前に福島駅に到着。

 6:40 東広島(出発)→福山(乗換)→東京(乗換)→12:56 福島(到着)

 新幹線に乗っている間、親子連れの興味深い光景を二種類みました。
 一つ目は、東北新幹線に乗り換えた後、隣に座った親子連れ(父・男子4歳・女子2歳)の光景です。この新幹線は混んでいて、座席に空きはありませんでした。しばらく隣は空いていたのですが、どこからか親子連れが乗ってきました。一つしか席がなかったので、どうするのかなと思っていたところ、足下にリュックサックを置き、その上に子ども一人を座らせ、もう一人は自分のおなかの上に乗らせたではないですか。ときどきお父さんが「交代」と告げ、二人の子は上下を行き来していました。子どもはお父さんのおなかの上に乗るのが好きらしく、乗せられるとものすごい喜んでいました。子どもたちは明るく、しかもあまり騒がしくありませんでした。時々つつき合いになり、あわやケンカになるかと思うと、うまい具合にお父さんがしかっていました。このお父さんは、口で叱ったり、軽く手のひらでポンっとたたいたり、子どもの注意を別に持っていったり、していましたが、その呼吸は見事なもので自然な流れがそこにあったように感じました。この二人の子どもはときどき私をジッと見るので、笑いかけてやると、てれくさそうにはにかみます。昔からよく子どもには、何もしていないのにすぐなつかれるのですが、後でKさんに話すと、「人形みたいに見えるんじゃない?」とからかわれました(笑)。
 二つ目の親子連れの光景は、同じく東北新幹線で、我々の席の横の通路を通り過ぎた親子(母・男子(4歳ぐらい?))の光景です。その子どもは、水筒のひものようなビニールのひもを両肩につけていたのですが、そのひもは長くのび、その先をお母さんが握っていました。
 あたかも犬の散歩でもするように。
おそらく、子どもがうろうろしないようにしたものでしょうが、これには今までにないショックを受けましたよ… あんなことしてたら、あの子の人格ゆがみそう… 家庭のしつけの崩壊は、子どもが変わったのではなくて親の問題だと思いますが、子どもを制御する方法としてこれはちょっと… ちょっとどころかかなり、ヤバイですよ。

 その他。東北の山にはまだ、雪が残っていた。南国愛媛で生まれ育ち、広島にすんでいる私にとっては、ありえない風景でした。

 12:56福島駅に到着。13:00ごろ、バスに乗って会場の福島県歴史資料館(福島県文化センター)へ。バス停は「文化センター前」とあったが、10分くらい歩く。しかも道中は、一軒家の住宅地を歩く。こんなところにほんとにあるのか、と不安になりました。
 史料見学会は、センターの学芸員の方が館の説明し、その後「ふくしまの教育史料」展を見学、文書館のような史料室にて史資料を手にとる、という日程で進みました。最後の史料室見学はいつの間にか自由行動のようになっていたので、しばらく『福島県教育史』を眺めた後、展示場へ舞い戻る。なぜかというと、展示の一つであった、小学校分校設立の祝詞(明治24年)をじっくり読みたかったため。これの冒頭には、教育の重要性を説く数文があるのですが、なんだかどこかで見たことがあったような気がして気になったのです。結局分からなかったのですが、よく見る文章なので、たぶん何かを参考にして書いたのではないかなあと勝手に推測しています。また、ヒマラヤ・太平洋と分校の近くにある山と川を比較して、小が積み重なって大となる、だから小学校は大事だ、と説明されており、世界と郷土を関連づけて説明している点が興味深かった。

 史料見学会の後は、一度ホテルに行き、チェックイン。部屋番号は、「404」。マジですか。普通ないだろう、これは… ありえないことに当たる私も私。
 その後、懇親会。なぜかみなさんが優しかったです。
 ちなみに、私はどうやら「教育会研究者」として有名らしい。他大学の院生から「評判聞いてます」「私もやってます」などと言われると、うれしいような、こそばゆいような… 同時に責任感もわいてきました。また、K大のS先生がこのブログを盛んに宣伝してくださっていて、私が名刺を渡して「HPもありますよ」と言うと「ああ、聞いてるよー」と言われたことはしばしば。S先生、本当にありがとうございますー。
 懇親会後、広島大学出身の先生方に連れられて二次会へ。22:00ごろ、明日の発表のため失礼させていただきました。

 以上、一日目。長文すんません。
コメント
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