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しんとした森の中、よくは見えないけれど何かが落ちる小さな音が聞こえる。
頭の上を高く伸びたサワラから落ちる水滴なのか何かのかけらなのか小鳥の仕業なのか・・・?
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林床には枯れ葉ばかりでなくキヅタ(ウコギ科)のような常緑の植物が這っていることも多い。
キヅタのような蔓性植物は林床で芽生えた後、頼りになる木が見つかるまで横に広がるのだろう。
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そして太い木にたどり着くと上へ上へと登っていく。
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最初は細い蔓だったものが年数がたつとずいぶん太くなる。
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蔓をよく見ると無数の根のようなものが左右に出ている。
この付着根と呼ばれるもので木肌に張り付いてどんどん上へ登っていく。
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根から養分を吸収するわけでもなくフジのように木を絞めつけもしないが、木にとって迷惑には違いない。
木の上の方までキヅタの常緑の葉が茂ると重さは相当なものになるだろう。
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ツタ(ブドウ科)
常緑のキヅタはフユヅタとも呼ばれる。対するツタは秋に落葉しナツヅタと呼ばれる。
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木に張り付く方法も少し違って、蔓の脇に少し延ばした茎の先の複数の吸盤で付着する。
こういう工夫のお陰で甲子園球場など建物の壁もツタで覆うことができる。