2年ほど前から今頃の季節になると、こんなものが大きくなって
何だろうと気になっていた。
トウモロコシに似ているのだけれど、背が高くなりすぎるしトウモロコシもできない。
ソルゴー(イネ科) モロコシ・タカキビ・コウリャン(高粱)・トウキビ(唐黍)
ソルゴーと知ったのは昨年のこと。
実ができるのを見て子供のころ食べたコウリャンと同じと知ったのは最近のことだ。
室町時代に中国から入ってきて、戦後は飼料作物として栽培されているそうだ。
しかし、この近所では飼料が主目的ではないようだ。
この写真のソルゴーに囲まれてゴーヤの向こうにはナスが植えられている。
ナスを栽培するときは畑の周りに青いネットを張って防風と虫除けにするという。
畑の周りにソルゴーを植えると同じ役割をする。
しかもソルゴーはクサカゲロウ、ヒメハナカメムシという虫を呼び寄せる。
これがナスの害虫のアブラムシやアザミウマの天敵になるそうだ。
このような植物をバンカープランツと呼ぶ。
さて、次は市民の森で見た何だろう。
薄暗いヒノキの林を歩いていると、何か白いものがスッと飛んだ気がする。
そんなことが何度かあった後、それが近くの木に止まった。
なんだヒグラシか・・でもお腹が白いのは病気か何かだろうか。
実はヒグラシを見る少し前に、こんなものを撮った。
これはまた何だろう。
光の加減で見えないが上のほうから下がった白い糸でふらふら揺れている。
家へ帰って調べて驚いた。この白いものとヒグラシがつながっていたのだ。
これは、セミヤドリガという蛾の五齢幼虫だったのだ。
セミヤドリガの卵は近くに来たセミの翅の振動などを感じて孵化し寄生をはじめるという。
寄主のセミは、ほとんどすべてがヒグラシで中でも雌が多いという。
セミの体節の間の膜付近から体液を吸って成長し、五齢幼虫になると純白綿毛で背面がおおわれる。
機を窺ってセミの腹部から糸を吐きながら脱落し、宙を揺れながら繭作りの場所を探す。
いい場所に取り付くと、白色毛をちぎったり糸と絡めたりして繭を作っていくという。
さらに詳しいことは 「みんなで作る日本産蛾類図鑑」 というサイトの
セミヤドリガ の項目で解説されている。