東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

別所小学校5年生、大変だったけど楽しかった稲刈り体験

2011年11月03日 | 稲:稲刈り,脱穀,精白



 別所小学校5年生達が、稲刈りをするために田んぼにやってきました。夏に田植え草取りをした田んぼで稲刈りです。子供たちが来る前に、私は昨日用意したカマや稲の結束用藁を田んぼに持ち込みました。そして、子供たちが来るのを待ちました。今回は、風も無く秋晴れの絶好の稲刈り日和でした。

      カマや結束用藁を田んぼに持ち込み、小学生達を待つ     


 9時過ぎに小学5年生達が先生に引率されてやってきました。2クラスですので、70人位の生徒でしょうか。また、支援としてお母さん達8人位も稲刈りに参加です。子供達が到着すると最初、私が稲刈りの方法やカマなど危険物の扱いなどについて説明しました。

   最初お母さん方が稲刈り体験         さあ、稲刈りの開始です
 

 今回支援に参加していただいたお母さん方は、全員稲刈りは初めてとのことでした。このため、子供達が稲刈りする前に、お母さん方に稲刈りの方法を教えました。これは、私一人では子供達全員を見れないため、お母さん方に稲刈り方法を知ってもらった上でお母さん方からも子供達に教えてもらいたいからです。

          雑草の間に生えている稲を選びながら稲刈り


 田んぼには除草剤をまいていないため、夏から雑草が沢山生えています。その雑草の間に所々稲が生えている状態です。稲が元気な場所は稲しか育っていませんが、ほとんどは雑草だらけで稲を探すようにしながらの稲刈りです。去年は稲だけを刈ることができましたが、今年は雑草の間を歩きながらの稲刈りになってしまいました。

     刈り取った稲は藁で結束        結束方法をお母さんに教えてもらう          
 

 去年までは、稲刈りと脱穀を並行して作業できたのですが、今年は脱穀機を置く予定だった田んぼがまだ刈り取りされていませんでした。仮に刈り取りされていたとしても、田んぼは水浸しのため脱穀機を置ける状況ではありません。残念ながら、今年は稲刈りだけの体験になってしまいました。例年稲刈りと脱穀を同時にしてきましたが、稲刈りしかできないのは初めてのことでした。

        風のない秋晴れの、絶好の稲刈り日和でしたが・・・・


 一番困ったのは、田んぼの水が抜けなかったためにぬかるんだ中で稲刈りをしなければならないことでした。あらかじめ長靴を持参してもらったのですが、その長靴自体が泥土の中にめりこんでしまうことです。このため、長靴が泥内に埋まって見えなくなってしまった子などいました。その子は、一生懸命に長靴を泥中から引っ張り出していました。どの子供達にとっても大変な稲刈りになってしまいました。

          あまりに泥に長靴がめり込むため、靴下や裸足になる子も 


 一人の子が泥に長靴を取られて動けなくなっていた。たまたま通りかかった私が助けようとしたら、私自身がバランスを崩して背中から倒れてしまいました。おかげで背中が泥だらけになりました。男の子は総じて泥だらになっていました。稲刈りと言うよりも、夏の泥んこ運動会のようでした。ほとんどの子供達は稲刈りする時間よりも、泥に足をとられて抜け出す方に時間をとられていたのではないかと思います。

    自力で泥から抜け出す子供      お母さんに引っ張り助けてもらう子供
 

 去年は、大学生などの支援もあって2面の田んぼを稲刈りすることがができました。今年は大学生などの支援がなかったためか、全部の稲を刈り取ることができませんでした。刈り取りできなかった稲は、私が暇を見ながら少しずつ刈り取るつもりです。そして、全部刈り取って干し終わったら脱穀します。12月上旬までに、脱穀まで終わらせればいいかなと思っています。

          ぬかるんだ泥の中で、笑顔で七転八倒している子供達


 泥で足などがだいぶ汚れてしまったため、早めの10時40分に稲刈り終了としました。子供達はすぐに、近くを流れる小川に行きました。そして、汚れた足などに付いた泥を洗い流しました。汚れた足,汚れた長靴,汚れた手袋,汚れた靴下など・・・・ワイワイ言いながら洗っていました。

   足を最初に、次に長靴などを洗う     雑談しながら楽しそうに汚れを落とす
 

 このような体験は一生の間でもそうありません。今日は授業で田んぼに来た子供達でしたが、こんな楽しい体験授業はまずありません。とても良い思い出になったのではないかと思います。今回刈り取った稲は、干しあがった後に私が脱穀します。そして、来年1月頃に籾摺りして精米して小学校に持って行きます。毎年のことですが、そのお米をおにぎりパーティーでおにぎりにして食べます。このように子供達は、夏に田植えして草取りして,秋に稲刈りしたお米を冬に調理して食べます。

              田んぼ脇を流れる自然の小川
          日向ぼっこしながら楽しげに汚れを落とす子供達


 今回の稲刈りは、私がこれまで手がけた中で一番大変な稲刈りでした。子供達は嫌がるかと思っていましたが、意外に泥の中での稲刈りを楽しんでいたようです。稲刈りよりもぬかるんだ泥を楽しんでいるようにも見えました。友達と輪になって稲刈りしたり、足を取られた友達を助けようとしたり、女の子の長靴を男の子が洗ってあげたり・・・など、素敵な人間模様が随所に見えました。将来、健全な大人に育ってくれることと思います。

       大変だったけど楽しかった稲刈り、1組と2組の小学5年生達

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