東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

小学校5年生達の田植え体験

2011年07月08日 | 稲:田植え,草取り



 6日、別所小学校5年生による田植えをしました。毎年ほぼ6月に田植え(5年前に延期で7月3日1組と2組7月4日3組に田植え)をするのですが、今年は事情があって毎年田植えをする田んぼが使えなくなりました。このため今年は、場所を変えて東京薬科大学生の環境グループASIATOが管理する田んぼで田植えをしました。

              朝9時頃、元気良くやってきた別所小学校5年生の子供達


 ため池脇の田んぼは実は6年前に、同じ別所小学校で田植え体験に使っていました。その後田んぼの場所を変えて田植えをしていましたので、6年ぶりに元の田んぼに戻ったことになります。田植えをする前に、私が子供達を前に田植え体験をすることの大切さなどについて説明しました。

       さあ楽しい田植えの始まりです。中央から左右に分かれるように田植え


 田植えを始める前に、お母さん方に田植えの手順について説明しました。5年生は2クラスあり、それぞれ3人のお母さん方が田植え支援として来ていました。そのお母さん方の役割には二つあります。
 (1)声かけ係1名と(2)田植え紐移動係2名です。(1)の声かけ係の主な仕事は、子供達の田植えの進行に合わせながら子供達に指示を出したり田植え紐係の二人に指示を出すことです。(2)の田植え紐係は、子供達が苗を一列植え終わると田植え紐を移動します。

    ぬかるんだ田んぼに戸惑い気味         足が抜けなくて移動が大変そう
 

 お母さん方に説明し終わると、いよいよ田植えの始まりです。田んぼの中央に田植え紐が引いてあり、その中央から左右(方角的には南北に)に後ずさりしながら田植えが進行していきます。最初1組からスタートです。少し遅れて2組のスタートです。田んぼ中央から左右に後ずさりしながら田植えする方法は、10年前の桜木中学校生徒達の田植えの時以来です。

        このところの日照りで渇水、足がはまって田植えしずらい田んぼ


 このところの渇水が田んぼにはほとんど水がありません。このため、一度足を田んぼにいれるとなかなか足が抜けません。このため、田んぼ内の移動が子供達には大変そうでしたそれでも楽しそうに田植えをしていました。

    1組の田植え紐係のお母さん         2組の田植え紐係のお母さん   

 声かけ係のお母さんは、田植え紐が移動し終わるのを確認すると、子供達に向かって苗を植えるように催促する声かけをします。そして、子供達が一列すべてに苗を植えるのを確認すると、子供達に二歩下がるように声かけします。次に田植え紐係のお母さん二人に田植え紐を移動するように声かけします。

              だいぶ田植えが進行しました。そろそろクラス内で交代の時期


 1組と2組それぞれ半数の約15人が同時に田植えします。田んぼの中央から南に向かって1組の半数約15人が、そして田んぼ中央から北に向かって2組の半数約15人が田植えをします。田植えが半分程度進行すると交代します。
 
      交代後の1組が田植え続行          交代後の2組が田植え続行
 

 このように組を二つに分けて田植えするのは、一度に全員が田植えをするには田んぼが狭すぎるからです。田植えを待っている残り半分の子供達は、周辺の田んぼを見学したり小川を覗き込んだりして自然を観察します。

             そろそろ田植えの終わりです。残った列に丁寧に苗を植える


 田植えが終わると、近くを流れる自然の小川に足を入れて汚れを洗い落とします。でも子供達は足を洗うことよりも、小川に生息する小魚や昆虫などに興味があるようです。冷たくひんやりした小川の流れ、一度入ると気持ちよくなかなか小川から出たがりません。

     湧き水の小川に足を入れて洗う         田んぼで何か発見したようです
 

 この田んぼは、東京都指定の「八王子堀之内里山保全地域」内にあります。江戸時代を思わせるような里山,曲がりくねった小川、かけ流し田んぼなどがセットになっており貴重な自然に満ち溢れています。小さいながら棚田もあります。初夏、ホテルも飛びかいます。昔、時代劇の撮影に使われたことがあるそうな。毎年のように、地域の園児,小学生,大学生,ボーイスカウトなどが体験学習などのためにやって来ます。

         田んぼと山の間を流れる小川に涼を求め、自然を満喫


 田植えをするためにやって来た別所小学校の周りにはあまり自然が残されていません。小学校はマンションや量販店など人工物に囲まれています。子供達も多くはマンション暮らしではないかと思います。このため自然いっぱいの田植えは、とても新鮮だったのではないかと思います。

             元気いっぱいに田植えをしていた1組の子供達


 田植えが済むと全員が列になって小学校に帰っていきました。子供達が帰ると、この里山は再び静かになりました。聞こえてくるのは、小川のせせらぎの音,草木の風にそよぐ音,そして小鳥のさえずる声だけです。
 7月下旬は小学校は夏休みに入ります。この夏休み期間に、子供達は田植えをした田んぼに再びやって来て今度は草取りをします。ほぼ毎年7月中旬から下旬に草取りにやってきます(8月に草取りしたことも)。田んぼは雑草が多く生えますので草取りは欠かせません。

   泥のぬかるみにめげず元気に田植えをしていた2組の子供達とお母さん達


 この田植えには、私にとって大変懐かしいメンバーが参加していました。それは、今から7年前に「ごはんCUP 2004」に出場した当時の高校三年生達です。当時、ごはんCUP出場のために田植え草取り稲刈り脱穀精米と大忙しの高校生達でした。小学生達が帰った後、涼しい木陰に移動して彼らと談笑しました。

     当時高校生、今や社会人                インゲン豆の収穫
 

 木陰で輪になって、当時のことを振り返りました。私は一年を通じて彼らに関わってきたので再開を心待ちにしていました。これまで関わってきた学生の中で一番思い入れがあります。高校卒業後も代かきの手伝い稲刈りの準備に来てくれました。今日来た4人のうちのIさんは、偶然にも息子の小学中学の同級生です。2年前にも息子などと一緒に稲刈りに来てくれました。

           談笑の後、インゲン豆を収穫したりジャガイモを掘って収穫


 なお、彼らの後を継いだ一年後輩達は、ごはんCUP2005で念願の全国優勝しました。優勝に私が関われたことを嬉しく思っています。そして、優勝後に私の家に招待して一緒に餅つきしたことが懐かしく思い出されます。その後さらに、ごはんCUP2007にも関わりました。
 今日やって来た7年前当時の高校生達、今や立派な社会人です。次に会う時は、立派なお父さんや素敵なママになっていることでしょう。彼らは、未来を担う若人達です。

      楽しく田植えして、談笑して、野菜を収穫した7年前当時の高校生達

コメント
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