東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

田布施町伝統のわら細工民具「ほぼろ」の製作講習会を開催

2021年04月10日 | ふるさと

 私が子供の頃、どの家でもわらを編んで作られた籠「ほぼろ」を使っていました。単なるわら籠なのですが、とても重宝していました。いろんな収穫物などを収納できました。変わった使い方としては、幼児を入れて運ぶことにも使われました。元宰相岸信介が幼児の頃、ほぼろに入れられて曾祖父の家まで運ばれた逸話が残っています。それほどに何にでも使われていました。
 しかし、時代を経るにしたがい使われなくなると共に、作りやすい形に変貌してきました。そして、そのほぼろを編むことができる人がほぼいなくなりました。その貴重なわら細工民具「ほぼろ」を作る技術を継承するため、この五月連休中に講習会を郷土館で開催することにしました。
 下画像のうち、左端は作り方がやや難しい伝統的なほぼろ。中二つ(大,中)は近年の作りやすいほぼろ。右端(小)は私が考案したペットボトル用ほぼろです。

     いろいろな形,大きさ,作りやすさの異なる各種ほぼろ


 ほぼろを編むためには最低限の道具が必要です。①わらを重ねて編むための馬。四本足に見えるため馬と呼ばれるようです。②駒 わらを編み込むために必要です。ひもを繰り出してわらを編みます。③鉤針 編み込んだわらの底を縫うための針です。曲がっていることが特徴です。そもそもこれらの道具は残っておらず、見ることがほとんどありません。受講者人数分のこれらの道具を作って用意しようと思います。

  わらを重ねて編む馬    わらを編み込む駒    わらを縫い込む鉤針
  

 道具数の制限のため、講習者の人数を6人に限定しました。ところが、口コミで受講者数がすでに埋まってしまいました。今後は今回の受講者にも指導者になってもらい、今年の10月か来年の桜まつりなどでデモ兼講習会を開こうかとも考えています。ところで、今から40年位前にほぼろの作り方を継承する講習会が開かれたようです。その時の写真が残っています。当時参加された方々はお年寄りが多く、今やその方々はおられません。

   わらを重ねて編んでいる途中     ほぼろの底を鉤針で縫い込み中
 

コメント
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