これまでは、トランジスタラジオを多く修理してきました。真空管式ラジオは、三球式や五球スーパーラジオをそれぞれ一台程度修理しただけです。真空管ラジオは、私が中学生の頃に技術家庭の授業で作ったり、家で作ったりしました。それも50年以上前の事です。そのため、真空管修理に少し自信がありません。今回子供の頃のかんを取りもどす意味で、全くわからない不思議な真空管アンプを修理しようと思います。
ラジオが付いている不思議な、故障した真空管アンプ
今回修理してみようと思っているのは、とても不思議なラジオ又はアンプです。ラジオにしては無骨ですし、アンプにしても無骨です。とても家庭用とは思えません。筐体の上に、このアンプを運ぶ時に手で持ち上げると思われる取っ手が二つ付いてします。
トーン,ラジオ音量,チューナ 右二つはマイク1マイク2 チューニングダイヤル
家庭で使うラジオやアンプは、筐体は木製です。しかし、このアンプの筐体は金属板製です。それが無骨に見える理由です。デザインよりは実用性を重視したアンプのようです。マイク入力も二つ付いています。つまり、このアンプは学校などの運動会などで、拡声器を鳴らすために使われた移動式アンプではないかと思います。運動会などのテントで放送用に使われたに違いありません。
アンプの裏ぶたは頑丈な金属板
スイッチ類は、トーンコントロール,電源スイッチ兼ラジオ音量,チューニング,マイク1音量,マイク2音量です。面白いのは電源スイッチ兼ラジオ音量です。アンプの電源スイッチを入れてすぐの状態では、ラジオの音量はゼロです。つまり、この状態でマイク音量で拡声器の音の大きさを決めます。休憩中などにラジオを聴かせたい時はラジオの音量を上げます。すると、ラジオとマイクがミキシングされて聞こえるのです。学校らしいアンプの使い方ができます。
マイク入力,アンテナ類 アンプの型式 拡声器出力,電源入力
電源コードが付いていますせん。取り外した後、行方不明になったのでしょう。そのまま電源コードを直付けするしかありません。今度秋葉原に行った時に、このコネクタを探してみようと思います。次に内部の構造を調べてみることにしました。上蓋を外すと、埃だらけのシャーシが出てきました。相当長い間、埃だらけの場所で使ったのでしょう。糸埃ではなく土埃のように思えます。真空管は9本使われていました。ただし、1本だけ低電圧真空管が抜けてありませんでした。次、使われている真空管について調査しようと思います。
埃だらけのシャーシ、真空管は9本(うち1本は不明)