東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

とても古いクボタ製トラクター L15の修理(2)

2013年05月22日 | 農機具,工具



 小屋にある古いクボタ製トラクターを引き続き修理しています。今のところ修理と言うよりは、再稼働のための調査,確認と言ったところです。前回エンジンが全くかからなかったため、より精密に調査することにしました。最初、燃料である軽油が噴射管までちゃんと流れているか確認しました。燃料コック,燃料ろ過器,燃料噴射ポンプです。それぞれ燃料管を外して確認しました。その結果、燃料管周りはOKでした。

           右上:燃料コック,右下:燃料ろ過器,左下:燃料噴射ポンプ


 続いて燃料噴射ポンプを調査しました。すると、燃料噴射アクセルレバーが固着していて動きませんでした。このため、ガスバーナーで温めたり、CRC556を吹き付けたりして少しずつ動かしました。何分か左右に動かしていると、アクセルレバーが動くようになりました。固着していた位置はアクセルが入らない位置でした。これでは燃料が噴射管に流れずエンジンが動かないわけです。次に、燃料噴射管を調査しました。噴射管のナットを外して調べるとちゃんと燃料が出ました。噴射管の上にある電線が何のためにあるのか分かりませんが、おそらく寒い時の熱ヒーターではないかと思われます。

     固着していたアクセルレバー       下丸:燃料噴射管,上丸:熱ヒーター
 

 普通の車でもトラクターでも、エンジン始動はバッテリーで行います。このバッテリーは使っているうちに電気が無くなります。そのバッテリーに蓄電するための発電機があります。このトラクターの発電機は、古い形式の直流発電機ダイナモでした。今は交流式のオルタネータが主流です。この発電機がちゃんと発電するか、エンジンがかかったら確認する必要があります。

          古い形式の直流発電機ダイナモ、ちゃんと発電するかは不明

 燃料系の確認が終わったのでエンジンをかけてみることにしました。最初、アクセルレバーをいっぱいに引きます。つまり燃料が最大に噴射する位置にします。次にデコンプレバーを圧がかかるようにセットしました。
 ところで、なぜエンジン頭頂部にデコンプレバーがあるのか分かりません。今のトラクターは前面操作パネルにあります。しかも、エンジンカバーを被せると、このレバーを操作できません。エンジンの回転を外に取り出せるようになっているからでしょうか。外に取り出すのであれば、トラクターに座っていなくてもエンジンを止めるためにこの位置にデコンプレバーが必要だからです。まったくの謎です。

  左丸:アクセルレバー,右丸:スターター        デコンプレバーを圧の位置に
 

 次にファンベルトのたわみ状態を調べました。50年位経っているにも関わらず、ベルトは正常な張力を保っていました。この状態でエンジンをかけてみました。
 スタータースイッチを入れると、デコンプレバーが圧になっているため苦しそうにファンが回りました。しかしながら、何度も回転させているうちに排気管から白い煙が出てきました。この煙からすると、エンジンがかかる寸前であることが分かります。何度かバッテリーを休めながら回転させていると、まばらに爆発するようになりました。それでも回転させていると、白い煙を大量に吐きながらついにエンジンがかかりました。
 このエンジンの音を聞いたのは50年ぶり位でしょうか。重い力強い音です。アクセルレバーを少し戻して回転をスローにして数分間暖気運転しました。今回は、エンジンがかかっただけでも成功です。エンジンを止めて、冷却水の温度を測ると5℃ばかり上昇していました。冷却系も正常のようです。

    ファンベルトのたわみを確認        エンジン停止後、冷却水の温度上昇確認
 

 エンジンがかかれば、次にトラクタを動かしてみたいところです。しかし、どれがどの操作レバーか分かりません。少なくとも、クラッチ,変速レバー,ブレーキペダルは知っておかなければなりません。次回は実際にエンジンを動かして、各種操作レバーを確認してみようと思います。

     操作レバー  A:変速レバー,B:クラッチ,C:ブレーキペダル,DEは不明

コメント (3)
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