「没後十年 相米慎二の世界」より
相米監督のデビュー作。漫画原作で、当時15歳の鶴見慎吾と薬師丸ひろ子を使ったアイドル映画なんですが、私にとっては中3の夏休みに、初めて1人で映画館に行って観た作品であり、これを観たために薬師丸さんの大ファンになり、帰り道に偶然見つけた雑誌「バラエティ」にシナリオが掲載されていたために、「バラエティ」誌を買い始めるきっかけにもなった作品です(その後「バラエティ」は私の変わった人格を形成するのに大きな影響を与えます・・・)。
もうなんやかんやで10回以上は観てると思うんですけど、今回久しぶりに映画館で観ることが出来たこともあって、なにしろ私にとっては思い入れがありすぎる作品なんでラストには大泣きしましたけどね(この作品で泣ける人は珍しいと思う・・・)。ほとんどの台詞も空で言えることが出来るんですけど、何回観ても丸山昇一氏の脚本の良さに感心します・・・いろんな所に伏線が張ってあることに気づかされます。また、アイドル映画とは思えないほどの相米監督のこだわりも好きですねぇ・・・近年のアイドル映画、漫画原作の学園物などに比べて、なんてしっかりとした作品なんだと・・・32年も前の作品なのに何度見ても飽きる事がありません。
それに、なんといっても薬師丸さんの表情等などが素晴しい!人気が爆発するのは次回作の「ねらわれた学園」あたりからなんですけど、私にとってはこの時の薬師丸さんの輝きは眩しすぎるものでした・・・フィルムの中の表情のどれをとっても私の思春期の一番の思い出になるものでした・・・。もちろんDVDとかも持ってるんですけど、やっぱり映画は映画館でみるに限りますわ・・・もう上映されることは・・・・・ないのかなぁ・・・・・でも観れて良かった。