山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

黒部最源流周遊の旅(前編)

2020-09-06 16:22:29 | 山歩き.散歩
昨年の黒部源流釣行は増水笹濁りの好条件の中で思わぬ爆釣裡に終わった
今年は釣り三昧の後で日本最奥の温泉に浸かる5泊6日の計画を立てていた


前泊(8月30日)
釣友寅さんのハイエ-スで折立の登山口に到着すると外の雰囲気が何故か騒々しい
係官らしい方が駆け寄ってきて言うには、ついさっき隣接する無料キャンプ場に4頭の熊が出たという
数日前には焼肉をしていた登山者が熊に襲われたり、車内に食料を残していた車の窓が破壊されて荒らされたとか、、、

午後5時、せっかく寅さんが用意して下さった焼肉は泣く泣く諦めて、火を使わない質素な酒宴を始める
初めは熊撃退スプレ-を手に呑み始めたものの寅さんの持参した米焼酎『鳥飼』が美味しくてグイグイ進み
翌朝目覚めたときには何を食べたのか何時に寝入ったのか二人ともまったくの記憶喪失状態に陥っていた

 



1日目(8月31日)
さあ初っ端から急登が控えている
酒の残るヘロヘロの状態では急登の写真を残す余裕もない




急登を詰め上げてようやくアラレちゃんポイントまで辿り着いた
寅さんは星の撮影のため一眼カメラと三脚を担いでいるので僕のザックよりも5~6キロは重量がある




急登は終わったものの太郎平小屋までは延々と登りが続く




五光岩ベンチで小休止、あと1時間半でビールにありつけるぞ!




そして太郎平小屋、歩き通したあとの生ビ-ルが旨し!
寅さん差し入れの笹寿司が心地よく胃の腑に収まった




僕はここに宿泊し、マドンナ逢いたさの寅さんは抜け駆けして薬師沢小屋まで下った。






2日目(9月1日)
午前7時、太郎平小屋を後に薬師沢に下る






急坂を下りきると第一~第三渡渉点、右腕の肉離れが痛くてロッドを振る気も起きない




延々と続く笹原の木道歩きが気持ちいい




午前10時前に薬師沢小屋で寅さんと合流
割り当てられたカイコ棚の2階にザックを上げようと無造作に右腕を使ってしまって再度の肉離れ、激痛と腫れが更にひどくなる




せっかくここまで来たからには一尾でもいいから岩魚と遊びたい
先ずは太郎平小屋で作って頂いたお弁当で腹ごしらえをしてから、、、




右腕にきつめにサポ-タ-を巻いて痛みを抑えて、黒部本流のここで1尾






支流のここで、、、




7寸程度の岩魚を一尾、もうこれで充分です




残念ながら僕はこれで納竿ですが、黒部岩魚をたっぷりご覧になりたい方は寅さんのブログをご覧くださいませ
黒部本流、支流、最源流を転戦した寅さんの貧果あり、爆釣あり、丸ボーズありの釣りの機微をご堪能頂けるものと思います

 



(3日目)
午前5時10分、満身創痍の僕は寅さんより1時間早く薬師沢小屋を後に高天原へ向かう




ここから雲の平までのキツイ直登が始まる




これでもか、、、




これでもか、、、




これでもかというほどの激登りが延々3時間弱、強烈なアルバイトを強いられた




這う這うの体で雲の平の端っこに辿り着いて午前8時、薬師沢小屋のお弁当で空腹を満たした

 


アラスカ庭園




雲の平山荘への道が延々と続く




雲の平山荘で昼食を頂く予定でいたが胃が食べ物を受け付けなくなった
休憩はとらず、この先を左に折れて高天原に向かう




奥スイス庭園のここからまた激下りが延々と1時間続き、膝が悲鳴を上げ始めた




激下りを耐え小谷を抜けると、こんな穏やかな風景に変わり、、、




ようやく高天原山荘に辿り着いた




ザックを山荘の寝床に収めてから日本最奥の『からまつの湯』に向かう




65歳の寅さんと68歳になった僕はようやく安堵のひと時を味わうことができました
これまでの辛いアルバイトの報酬は唯々このためにあったような気がするのです




疲れて昼から食べ物を受け付けなくなった僕は小さなお椀のウドンだけを頂いて残りは寅さんの胃袋に収まった



そしてこの日から4日間、ジュ-スだけをエネルギ-源にシャリバテ状態で最後まで歩き続けることになる(つづく)

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20 コメント

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温泉 (兵庫の釣り師)
2020-09-06 17:39:21
腕の加減はいかがですか
きつい山を歩くときは腕もめいっぱい使うもの
ますます悪化したのではと心配しています
それにしても黒部の山々の雰囲気は素晴らしいです
温泉につかる高崎さんたちの顔に思わず癒されましたよ。
返信する
お帰りなさぁ~い (へっぽこフライ師)
2020-09-06 19:12:55
ブログがアップされたということは無事?に帰還されたということ…ですよね(笑)
頑張りましたねぇ~パチ・パチ・パチ
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高天原 (ゆっき-)
2020-09-06 19:50:31
高天原への再訪が叶ったんですね
30年ぶり、40年ぶりでしょうか
しあわせ感いっぱいの高崎さんと寅さんの顔を見せて頂いて私も幸せです。
来年は黒部五郎岳再訪ですね、カ-ルを流れる雪解け水でのコ-ヒ-是非実現してください。
腕の肉離れいかがですか、ストックが使えなくて大変だったと思います。
私もいつか高天原と黒部五郎に絶対に行きたいと思います。
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黒部源流の山旅 (たまボブ)
2020-09-06 21:10:43
どうもこのところブログのアップも無いし
遊びにも着た形跡が無いと思っていたら、
もうそんな地獄と天国の別天地へ足を向けて
いたのですね。
右腕をいたわりつつ、ちょっと黒部のイワナと
遊び長い山と渓旅を満喫してくらさいね~

天然のお熊さんと仲良くなったら貴重な写真も
忘れずアップしてください!
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温泉 (高崎)
2020-09-07 00:23:20
兵庫の釣り師さん

右腕の筋肉が変な感じに盛り上がっています
このままでは使い物にならなくなりそうなので早々にかかりつけの整形外科で見てもらおうと思います。
山旅の間も激登りや激下りでは何度となくストックを握った右腕に負担をかけ続けて悪化させてしまいました。

この最奥の湯、この湯に入るためだけに何日もかけて訪れる登山者がいるそうで、、、
僕は40年ほど前に来ているのですが既に忘却の彼方で却って新鮮な気分で湯に浸かる感動を味わうことができました。
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体力の限界っっっ、、、! (高崎)
2020-09-07 00:30:00
へっぽこフライ師さん

いやぁ今回はとてもキツイ山旅となりました
やはり3000m級の山々を巡るには2~3回の山トレでは歯が立ちません。

体力の限界っ、と言葉を詰まらせて引退した千代の富士のように僕もそろそろキツイ山旅の引退かと悟った次第です。
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高天原 (高崎)
2020-09-07 00:34:22
ゆっき-さん

40年ぶりの高天原再訪が叶って幸せ気分に浸っています。
できれば山荘に2泊してのんびりと高天原の雰囲気に浸っていたかったですね~!

かなりキツイ道程となりますが是非ゆっき-さんも訪ねて欲しいと思います。
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ヘロヘロ (高崎)
2020-09-07 00:43:42
たまボブさん

ご無沙汰ですみません
幾つになっても未踏の地、未踏の山を踏みたいのは山々なんですが
僕の場合はかつて歩いた懐かしい地や山を再訪したいという欲求に駆られます、これ老化現象かも、、、

40年前に歩いた高天原もその一つでようやく再訪が叶ってとても幸せを感じています。
山荘もすっかり新しくなっていましたが四周の大自然はそのまま、まさに寂然不動そのものでした。
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薬師沢と雲の平と (雲の平)
2020-09-07 16:09:16
懐かしいのひとことです。念願かなってよかったですね。そして私もかつて歩いた山容をみせていただき感激しました。私も温泉入りました。あの山奥に秘湯が待っていてくれるなんて、しあわせこの上ないですよね。続きのブログ待っています。
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温泉 (高崎)
2020-09-08 02:12:53
雲の平さん

山の大先輩である雲の平さんが訪れたころの雲の平や高天原の風景はいかがだったのでしょうか?
多分、動かざること山のごとしで今も昔も変わらぬままだったろうと思います。

せっかく時間をかけて訪ねたのなら2連泊してのんびりと贅沢な時間を過ごしてみたいですよね~!
白濁した硫黄泉に浸かったらほっとして帰るのがもったいなくなってしまいました。
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