山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

千曲川カヌ-ひとり旅

2007-05-05 23:41:17 | カヌ-ツ-リング
川の流れに漂いたくて、千曲川へカヌ-の旅に出ました。
この大河を下る旅は、もう18年間も続けているカヌ-の旅です。今回はいつもの半分の距離、小牧橋から新潟県との県境、西大滝までの25キロを一人でのんびり下ろうと思います。暖かい日で良かったな。



フォ-ルディングカヌ-を組み立てて、さあ旅の始まりです。
ゆるやかな流れの中にも何カ所かはこんな気持ちよい瀬が出現します。瀬のど真ん中に突入し、三角波をしっかりとらえてパドリングすれば沈することはありません。キャッホッホ-!心の中で叫んでしまいます。



快適な瀬を抜けると、またゆるやかな流れが、、、、。水鳥も気持ちよさそうにス-イスイ。人を見ても全然気にしていないようですねえ。



千曲川には幾つもの支流が流れ込んでいます。この25キロの区間でも左岸から9本、右岸から4本の支流が。今回は支流の出合いに上陸してロッドを振ろうと決めていたのです。堰堤のないこの溪を選んだのは大物と出会いたいから。



溪を登って行くと、すぐに林間の素晴らしい溪相が出迎えてくれます。多分、今日も釣り人は誰ひとり入っていないでしょう。千曲の釣り人は、本流で鯉と鱒を狙います。地元の人たちは本流で45センチものバカでかいイワナ狙い、だから支流には見向きもしないわけなんですね。



やはり今回も足跡ひとつ見あたりません。いい流れなのにねえ、、、、、。でも底石はちょっと茶色がかっていてすべりやすいから慎重に。





出ました!でもちっちゃいなあ、22センチ程度のオチビちゃんでした。



千曲の支流はどれもみな太い流れで、とても沢と呼べるような流れではありません。私のホ-ムの丹沢の沢とは流れのパワ-が全然ちがうなあ。



流れのたるみにフライを落とすと、、、、、流れの底から、ふわぁ~っとイワナが浮き上がって、うわぁデカっ、、、。すぅ~っと、流れるフライを吸い込むような感じ。ヤバっ、どうしよう。反射的に合わせを入れるとガッツンと戦車のような重量感が、、、。イワナは流れの底にもぐって定位してしまい、ロッドをあおろうが何をしようがウンともスンとも動かない。それでもロッドをあおり続けていると業を煮やしたのかそのイワナは一気に流れを下り始めて、、、、ググググ-----ッ、、、プッツ~ン、ポワワワ~~ン。その反動で私はよろけて尻餅をつきラインはむなしくダラ~ん。堰堤のない溪を選んで正解でしたね。本流差しの大物、やっぱいるんだよなあ。



緊張感が解けて足がちょっとふるえておりました。大物見~ちゃった、今日はもういいや、帰ろうっと。完敗だったけと良い溪を見つけちゃったぜい。また来るからね。





溪畔にはウルイやウドやセリなどの山菜がわんさか。夏はここでキャンプもいいかな?





溪からの帰り道を歩いていると山菜採りに行くおじちゃんに逢いました。この溪の話を聞くと、やはり地元の人は殆ど入らないとのこと。でもね、最近は熊が出没するのだそうです。あゝ、もうひとりでは入れないよう、グスン。でも来ちゃうんだもんね~だ。



本流に戻って艇を漕ぎ出し、流れに身を任せて漂いましょう。この浮遊感がたまらないのです。がっ、喉乾いちゃったな~、そろそろビ-ルか~?11時だもんね。湯滝橋のカヌ-ポ-トに上陸して一杯やりましょうかね。



カヌ-ポ-トのすぐ上に湯滝温泉があるのです。



ここでいつもの赤米餃子と生ビ-ル、あゝ生き返るう!



この障子の妖しい雰囲気もなかなかでしょ?



ちょっと昼寝して。
さあ、午後の部はこのカヌ-ポ-トから漕ぎ出しましょう。しかし、連休だと言うのに今日は一艇のカヌ-とも出会ってないなあ。どうしてなんだろう?



パドリングの手を休めて、ほろ酔い加減で流れに身を任せて漂う感じ。これなんですよねカヌ-の魅力は。瀬を漕ぎ下る爽快感も勿論ひゅうひゅう、なんですけれどね。



石ころの河原でちょっと休憩です。この艇とのつきあいも、もう18年かな?長いつきあいになりました。川旅の魅力を教えてくれたのもこの艇でした。もう私の体の一部のような存在なんですよ。キャンプをしながらの長旅のときは、後ろのデッキにキャンプ道具を積んで、艇内にも沢山の荷物が積み込めるのです。



穏やかな川旅も終着点に近づいてきてしまいました。あゝもう旅が終わってしまう。

♪夢のような旅だった あすは君も別の町へ 僕も別の町へ
 こんなつらい旅なんて もう嫌だ 旅を終ろ うちへ帰えろう♪ 
 北海道のユ-スで歌った歌の断片をふと思い出してしまいました。



あの沢の流れ込みの河原に上陸です。



ここが今日の旅の終着点。君のお陰で良い旅になったよ、アリガトネ。



カヌ-を解体してザックに収納します。





さあ、ここから列車に乗って車を取りに行きましょう。
待ち時間がたくさんあるので一駅のんびりと歩くことにしました。この飯山線は千曲川にそって国道と寄り添うように走っています。



線路の上を歩いたり田んぼの畦道を歩いたり、、、、。一輌だけのディ-ゼルカ-、こんなのどかな風景がまだ残っているのですねえ。





この列車にゆられて、学生時代に体験した金欠ひとり旅の記憶が蘇ってしまいます。


車でカヌ-をピックアップして温泉に直行する途中に、、、飯山の菜の花畑。
ロマンチック~!なんかドラマのような風景ではありませんか?二人の間にぽつんともうひとり見えません、、、?こんな幸せそうな情景、ずっと続きますように。なんか、ほんわかして、いいなあ。





こんな私はロマンチックよりもビ-ルの方がよかですね、至って即物的なもので、ハイ。今回も最後の落ち着き場所は『もみじ荘』なんですね。この温泉はカヌ-の旅の最後は必ず立ち寄る所で、理由はお蕎麦が美味しいこと、これに尽きるのです。湯に浸かって今日の疲れを癒したら、やっぱビ-ルでしょ。



ビ-ルをお代わりして、肩の力がふっと抜けたら最後は『手打ちそば』ですよね。
そして3時間のうたた寝、ぼくの旅はホンナコツ、ワンパタ-ンですのう。



愛艇との年に一度の川旅、あゝ大満足の一日となりました。



愛艇と千曲の流れ、そしてまだ見ぬ大岩魚、ありがとうね!

長すぎるレポ、最後まで見て頂きましてありがとうございました。



コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする