チャニング・テイタム主演、ローランド・エメリッヒ監督、
『ホワイトハウス・ダウン』、8/17、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞。2013年37本目。
観る前はまったく期待していませんでした。
何しろ主演がチャニング・テイタムで、監督がローランド・エメリッヒですからね。
チャニング・テイタムの出演する映画を観て面白いと思ったことはないし(といっても『G.Iジョー』しか観たことないけど)、さらにローランド・エメリッヒとなると『2012』を観たときコイツの監督する映画は二度と観なくていいとすら思いました。
にもかかわらずなぜ本作を観に行ったかというと、この映画の前売り券を買った時点ではお盆休みが何となく暇そうだったからです(実際は結構忙しかったんですが)。お盆休みの時期に公開される新作映画がこれぐらいしかなかったんですよね。
前売り券を買って自分でも激しく後悔しましたよ。
エメリッヒの映画の前売り券を買うなんてバカじゃないのかって。
『スタートレック イントゥ・ダークネス』が16日から先行上映されると知った時、さらに落ち込みました。
もしそのことを知っていたら絶対本作の前売り券は買わなかったと思います。
そんな『ホワイトハウス・ダウン』にまったく期待していなかった自分が声を大にして言わせてもらいます。
『ホワイトハウス・ダウン』、めちゃめちゃ面白かったですよ。エンターティメント映画として非常によく出来ていました。エメリッヒをのことを思わず見直しちゃいました。
アメリカ大統領官邸であるホワイトハウスがテロリストに急襲され、陥落、主人公が単独でテロリストに戦いを挑み撃退するというプロットは6月に公開された
『エンド・オブ・ホワイトハウス』とまるきり同じです。つまり両者ともホワイトハウスを舞台にした『ダイハード』というわけですね。
しかし同じ『ダイハード』であっても、『エンド・オブ・ホワイトハウス』がシリーズ第4作ぐらいのクオリティだったのに対して、『ホワイトハウス・ダウン』はシリーズ第1作ぐらいといっていい、ぶっちぎりの面白さでした。
何が違うって、主役一人が超人的な活躍ですべてを解決してしまう『エンド・オブ・ホワイトハウス』に比べ、本作は登場人物の一人一人に何かしら見せ場が用意されてるんですよね。
それはホワイトハウス見学ツアーのガイドのにーちゃんという端役も例外でなく、彼の終盤の働きには思わず快哉を叫びたくなりましたよ。
あと伏線の張り方も雲泥の差でしたね。
例えば『エンド・オブ・ホワイトハウス』では大統領と主人公がボクシングのスパーリングをするシーンで始まります。
そういうシーンがあれば、そうか、この大統領はボクシングの経験があるのか、じゃこのあとその経験を活かすシーンがあるのかな、と思うじゃないですか。
でもその後、大統領がボクシングの腕前を披露することはありません。何しろずっと掴まったままなので。
なので、ボクシングのスパーリングのシーンは別段フェンシングでもチェスでも何でも構わなかったということになります。
一方『ホワイトハウス・ダウン』では冒頭主人公のジョンが娘のエミリーに学芸会を忘れたことを謝るシーンがあります。
そういったシーン自体はありがちなんですが、エミリーが学芸会で披露した演目が『旗振り』なんですよ。
学芸会の演目が旗振りなんて聞いたことがないですよね。
変な演目だなと思ったんですが、それがきちんと伏線になってるんです。
伏線がどのように回収されるかまでは言いませんが、回収されたとき、おぉ~と感心してしまいましたね。
作品全般にユーモアがあるのも好みでした。
お笑い担当が他でもない、ジェイミー・フォックス演じる大統領ソイヤーなんですよ。
彼は軍隊経験がないという設定で、最初ジョンに助け出されたときは足手まとい以外の何ものでもないのですが、行動を共にするうち、ジョンを援護しようとします。
でもその姿が様になってなくて笑えるんです。
細かいところがいくつか気になりましたが、テロリストに占拠されたホワイトハウス内部からの情報提供者の名前をマスコミが晒すなど、どれもギリギリ許容範囲でした。
この夏は『パシフィック・リム』を筆頭にいくつもエンターティメント大作が公開されていますが、出来ればこの『ホワイトハウス・ダウン』のことも忘れずにいて欲しいです。
お薦めです。
お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。