この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

終末世界ブラピ一人旅、『ワールド・ウォーZ』。

2013-08-11 22:28:07 | 新作映画
 マーク・フォースター監督、ブラット・ピット主演、『ワールド・ウォーZ』、8/10、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞。2013年36本目。


 ゾンビ映画を観ていると、ときどき怖いというよりイライラさせられることがあります。
 登場人物が「え?何で?」と思うような行動を取ったり、「いや、そうはならないだろう」と言いたくなるような不自然な展開になったりすることがやけに多いのです。
 そしてこの『ワールド・ウォーZ』もその例外ではありませんでした。


 ブラット・ピット扮する主人公のジュリーは愛する妻と二人の娘を持つ善きパパです。
 ジュリーは“何か”が起こったニューヨークでかつての上司であり、友人でもある国連事務次長のティエリーから、必ず救助を向かわせるから、という連絡を受けます。
 自分はこの時点で、この非常事態で必要とされるジュリーはよほど特殊なスキルを持つ人物なのだな、と思いました。
 そしてジュリーがどんな人物なのか明かされます。
 何とジュリーはサバイバルの達人だったのです!
 ・・・・・。
 それはないだろうと思わず椅子からズッコケそうになりましたよ。
 そりゃサバイバル能力が高いに越したことはないですよ。でもそれがどんなに高くても貴重な兵を割き、ヘリを使って救助に向かわせるってことはありえないですよね。
 これが病理学の専門家とか、細菌学の権威とかいうならわからないでもないですが。


 他にもズッコケさせられたシーンは多々あります。
 ジュリーは最初にゾンビの発生が報告された韓国の軍事基地に向かい、初めてゾンビと本格的な戦闘を経験します。
 そこでジュリーは物音に敏感なゾンビの注意を引くのですが、その原因が何とジュリーの携帯電話の消し忘れ。
 おぃおぃ!って見ていて突っ込まずにはいられませんでしたよ。
 バカじゃねーのかとイラつかされました。


 バカじゃねーのかとイラついたシーンはまだあります。
 ジュリーが韓国の次に向かったイスラエルでは、ゾンビ危機に際し高い壁を築き、ゾンビの襲来を防いでいるという設定なのですが、助かった人々が神に感謝の祈りの歌を捧げ、それがゾンビを刺激して、ゾンビがわらわらと壁をよじ登って乗り越えてくるんですよ。
 いやいやいや。
 一人ぐらいでいいから壁の外に注意を払っとこうよ。なぜ乗り越えてくるまでそれに気づかないの???
 ほんとイラつかされました。


 本作はほんと見ていて何度もイラつかさせられたり、ズッコケさせられたりしたのですが、最後の最後にこれまた「おぃおぃ、それはないだろう」と言いたくなるオチが待ち構えています。
 詳しいことはネタバレなので避けますが、テキトーに選んだものが結果オーライでは感動もカタルシスもへったくれもないです。


 まぁブラピの善きパパぶりを堪能したいという人は止めませんが(善きパパといっても本作のジュリーは家族を救うためであれば他の人間がどうなろうと構わないタイプ)、それ以外の人はこの夏『パシフィック・リム』か『ローン・レンジャー』を観に行った方がよいかと思います。


 お気に入り度は★★、お薦め度は★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (9)
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