この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

確かにホラー映画だった『哀愁しんでれら』。

2021-02-14 17:11:03 | 新作映画
 渡部亮平監督、土屋太鳳主演、『哀愁しんでれら』、2/13、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞。2021年7本目。

 この日は3本邦画を観ましたが、その中ではこれが一番好みだったかもしれません。
 間違っても人に薦めようとは思わないけど。笑。

 最初割とコメディっぽいノリでお話が進んでいくんですよ。 
 要介護のお祖父さんが風呂場で倒れて、病院まで送っていこうとした父親が飲酒運転で事故を起こし(最初から救急車を呼べ!)、家に帰ったら過失で店舗部分が半焼していて、仕方なくバンドマンの彼氏の家に泊まりに行ったら、彼氏は別の女とエッチをしていて…。
 この怒涛の不幸はコメディだよね。
 でも究極の不幸が開業医のシングルファーザーとの出会いだったとはお釈迦様でも気が付くまい。笑。

 土屋太鳳扮する小春が田中圭扮するシングルファーザーの大悟と結婚するまではそれこそラブコメのノリなんです。
 でもそこからホラーに変容していく匙加減が絶妙でしたね。
 例えば大悟の一人娘ヒカリはいわゆる問題児なのですが、その問題児も映画的に過剰なものでなく、現実的にこんな子ならいそうだな、と思えるレベルなんですよ。
 これが『エスター』レベルだと、こんな子はいねぇ!と思うのですが。笑。
 
 大悟自身もまともな人ではないのですが、でも異常者というほどでもないんですよ。
 そのバランスが絶妙で上手いなぁと感心しました。

 何だかベタ褒めしているようですが、ぶっちゃけそこまで褒められるものでもなく、終盤はかなりの部分でワケがわかりませんでした。
 ヒカリのことで何か出来ることはないかな、と二人で話して、やることがアレ?
 全然意味がわかんないんですけれど。
 まぁ意味がわかんないことをするからホラーなんでしょうけれど。

 他にもワケがわからないことではないんですが、ちょっとわからないことがいくつかあって、例えばヒカリはお昼に何を食べてたの?とか、結局クルミちゃんの死の真相は?とか、何となく答えはありそうだけれど、作中ハッキリさせられないことに正直モヤモヤしますね。
 まぁ映画はすべての謎が作中ハッキリさせられないといけない、とは思いませんが。

 ともかく自分は嫌いではありませんが、癖が強いので、人に薦めようという気にはなれませんね。
 でもこの作品を観た人って同じく観た人と、いろいろ語り合いたくなるんじゃないかな。
 そういう作品もあるってことです。

 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« それはちょっと、と思った『... | トップ | 肝心の物語がつまらない『フ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

新作映画」カテゴリの最新記事