この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

結末に驚いた『落下の解剖学』(ネタバレ有)。

2024-02-25 17:50:47 | 新作映画
 ジュスティーヌ・トリエ監督、サンドラ・ヒュラー主演、『落下の解剖学』、2/23、ユナイテッド・シネマトリアス久山にて鑑賞(2ポイント消費で鑑賞料金1000円)。2024年11本目。
 
 雪山の山荘で一人の男が転落死する。
 発見者は視覚障害を持つ男の息子。
 容疑者はベストセラー作家である男の妻。
 男の死は事故なのか、自殺なのか、それとも殺人なのか。

 この日3本映画を観たのですが、一番期待していたのはこの『落下の解剖学』でした。
 前評判がハンパなく良かったのです。
 
 実際観賞して思ったのは、この映画は間違いなくアカデミー賞の作品賞か、監督賞、もしくはどちらも受賞するだろうということでした。
 それほどまでに高く評価するのかと思われるかもしれませんが、単純にそうではありません。
 『落下の解剖学』、アカデミー賞を受賞するとは思いますが、残念ながら自分が期待していたような映画ではなかったですね。

 どういう映画を期待していたかというと、裁判終了後に意外な真相が明らかになるという、『真実の行方』みたいな映画でした。
 ぶっちゃけて言ってしまいますが、自分は途中まで男の息子が真犯人だとばかり思ってました。
 だって虫も殺さぬような顔をした、視覚障害を持つ少年が(何らかのトリックを使って)父親を殺していたという真相だったら、めっちゃ意外じゃないですか。
 何を突飛なことを言ってるんだ、と思われるかもしれませんが、一応根拠はあります。
 まず冒頭で、少年は水浴びをさせたばかりの犬を極寒の外に連れ出すんですよ。
 まともな人間がそんなことをします?
 他にも実験と称して人間用のアスピリンを犬に飲ませますし、自分はてっきり少年は一見まともに見えるがサイコなんだな、と思ったのです。
 少年には父親を殺す動機もありますし(父親が迎えに来なかったせいで視覚障害を負った)、自分はてっきり少年が父親を殺したものとばかり思いながら映画を観ていました。
 裁判が終わり、いよいよ少年が自分の罪を母親に告白するのだな、と思いましたよ。
 が、そんな告白はありませんでした…。

 この映画、驚いたことに(裁判で男の妻が無罪になるものの)事件の真相は明らかにされないんです。
 男の死が事故なのか、自殺なのか、あるいは殺人なのか、はっきりしないまま映画は幕を閉じます。
 正直、それはないよ~、と思いました。
 が、世間的にはそれが受けているみたいです。
 確かに一見純朴そうな少年が父親殺しのサイコ野郎だったとしたら、自分好みのサイコサスペンスではありますが、アカデミー賞は絶対受賞しないですよね。笑。
 
 本作はアカデミー賞を受賞するような高尚な作品が好きという方には自信を持って薦められますが、どちらかというとB級サスペンスの方が好きという方は観なくてもいいかな、と思います。

 お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

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